ホントウの勇者

さとう

MID BOSS BATTLE②/【銃神ヴォルフガング】VS【斬神】・【毒神】/きみとのおもいで



 「あ、うら?」


 「·········ば、か、もの···に、げよ」


 「はぁ···やれやれ」


 ザンクがアウラの心臓から刃を抜く、それと同時にサソリがアウラに何かを打ち込んだ


 俺の目の前でアウラが倒れる
 その光景が、現実とは思えなかった


 たっぷり5秒ほどその光景を眺め、アウラの側で血溜まりができてようやく俺は覚醒した




 「アウラぁぁぁぁぁっ⁉⁉」


 アウラに駆け寄り抱き上げる···その身体は恐ろしく冷たかった
 俺はこの時、全てのダメージを後回しにした
 動かない左腕も、毒に侵された身体も無視する


 「あぁあ、せ、【無垢なる光セイファート・ライフ】‼」


 「·······ぐ、ごぼ」


 「なんで、なんで? 【無垢なる光セイファート・ライフ】‼ 【無垢なる光セイファート・ライフ】‼···なんで効かないんだよぉぉぉ⁉」


 魔術が効かない、俺の【白】最強の回復魔術が効かない、傷が塞がらずに、血が溢れてる




 そういえば、サソリ···アウラに何かを打ち込んだ?




 「頼む、頼む頼む頼む‼ アウラを助けてくれぇぇぇ‼ 俺の命なら幾らでもくれてやる、頼む、アウラだけは···頼む‼」


 俺はザンクに縋り付き助けを乞う


 「············」


 しかし、ザンクは能面のような笑みを浮かべるだけ


 「あ、あぁ···なんで、サソリ···アウラを、助け···」


 「フフっ、フフフフフっ···いったでしょ? 私達にはその子が必要なの」


 嘲笑うかのようにサソリは告げる
 その声色は、明らかに楽しんでいた


 「あ、あ、あぁァァァァァ‼‼」


 俺は頭を抱え絶叫する


 これが···俺の招いた罪。あの時、こいつ等の言う事を聞いていたら、アウラは······












 「ジ···ジュー······ト」


 「あ、アウラ···⁉」


 俺はアウラを抱き寄せ顔を近づける




 「す、すまん···わらわ、が、勝手な、ばかり、に···」


 「なんで···なんで俺を庇ったんだよ⁉」


 「あ、はは···おぬし、に···死んで、欲しく···なかったの、じゃ」


 「ふざけんな‼ なんで、なんでだよぉ······」


 「ジュート···楽し、かった、のじゃ···わらわ、は···幸せ、だったのじゃ···」


 「やめろ···やめろよ···」


 「この、国は···姉上に、任せる、のじゃ···きっと、素晴らしい···国に、なるの··じゃ」




 入口を見ると、マニャーナさんとヨルナが涙を流しながら飛び出そうとしてる。それをラルシドとフェリーナが泣きながら押さえつけていた




 「わらわ、は···本当は、おぬしと···ずっと一緒に、居たかった···のじゃ。この数日···ずっと、おぬしを引き止める、方法を···探してたのじゃ···」


 「ああ、幾らでも居てやる。なんでもしてやる、だからしっかりしろ‼」


 「ああ···この二月···楽しかったのじゃ···エルル···クルル···また···エメラルディア···元気かの?···マスターの、ケーキ···美味しかったのじゃ」




 「アウラ···アウラぁ···」




 「ジュート······」


 「え?······」












 「あい···して、る···のじゃ」










 「アウラ?」








































 アウラが···死んだ






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─────── 






 「さて、終わったかい?」


 「ハァ〜〜〜っ···いい見世物だったわぁ···うふふ、感動しちゃった。というか、貴方の神器で結界を斬ることはできなかったの?」


 「う〜ん。後は、その子の死体を結界と同化させれば、結界は消えるはずだしね。僕の神器で斬ることも出来たけど···結界の呪いにかかる可能性があるからね」


 「そうなの? なんか面倒ね」


 「そういうこと。さて、無月くん···その子の死体を渡してくれないか? もう別れは済んだだろう?」




 「·············」




 「あら、ダメね···壊れちゃってるわ」


 「やれやれ。まぁほっといても死ぬだろうし、死体だけ貰って行こう」


 「そうね、古代の神の力か···どんなものかしら?」


 「さぁね。恐らくは神器の類いの物だと思うけど···ッ⁉」












 「があぁぁぁぁぁァァァァ‼‼」




 「っつ⁉」


 「ザンク⁉」




 俺は、ザンクに噛み付いた
 背後から抱きつき肩の肉を食いちぎる
 殺す、殺す殺す殺す殺す···こいつ等だけは殺す‼




 「この······クソ餓鬼っ‼」




 サソリの神器が俺の腹を貫通し、俺はそのまま壁に叩きつけられた




 「ちょっと、大丈夫⁉」
 「いてて···イタチの最後っ屁ってやつかな。油断したよ」


 何事もなかったかのように歩き出す二人


 その手には、アウラの死体が引きずられている








 俺の意識は、今度こそ消えた





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