ホントウの勇者

さとう

閑話 只野槌男・【鎚神マルトスピューラ】



 只野槌男ただのつちおは上機嫌だった


 異世界に飛ばされ、訳のわからないまま闘うことを強いられた
 しかし、彼はこの世界こそ自分が生きる世界と確信した


 只野槌男ただのつちおは身長180センチ 体重85キロで生まれつき体格に恵まれていた
 故に態度も大きくなり、クラスの不良グループの一員として目立っていた


 この世界に来て彼は自分の力の大きさを知る


 【英雄十三傑ヴァリアントサーティ】の序列11位


 他の少年少女は【神の箱庭サンクチュアリ】での修行を余儀なくされているが、彼は偵察任務と言う名の自由行動が許されていて町で豪遊したり、暇つぶしにモンスターを狩り遊んでいた


 この世界の金は商人や傭兵、冒険者を殺し手に入れて、その金で女を漁ったり豪勢な食事をして楽しんでいた


 そんな彼に一つの連絡が入った


 『聞こえますか、只野君』
 「あん? 静寂か、何の用だ」
 『あなたに個別任務が与えられました』
 「個別任務だぁ? 何しろってんだよ」
 『【黄の大陸】にいる無月銃斗、【銃神ヴォルフガング】の抹殺です』
 「へぇ、俺一人でか?」


 彼は勿論負けるつもりなど微塵も無い
 しかし、無月銃斗は盾守堅硬を破っている
 今の彼なら盾守堅硬の鉄壁の鎧を破壊する自信は有る。だが万一と言う事もある


 『いえ、そちらに第三陣のメンバー、皆木颯賀みなぎふうが君・高名氷寒たかなひょうかさん・鳴戸括利めいとくくりさんを送ります。到着は約30日後、場所は〔ラーグ海岸〕です』
 「りょーかい。へへへ、無月のヤロォをぶっ殺すのか、久しぶりに面白くなりそうだぜ」
 『油断しないで下さい。作戦はお任せしますが4対1で闘えば必ず勝てるでしょう。期待しています』
 「冷たいねぇ。静寂、お前無月の事好きだったんじゃネェのかよ?」
 『……』




 通信は切れてしまった




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 そして時間は流れ〔ラーグ沿岸〕


 「只野君!! 久しぶり」
 「よぉ皆木、他の二人はどうした?」
 「すぐに来るよ、僕が偵察もかねて先行してきたんだ」
 「マジメだねぇ、それより、今日の宿を確保するぞ」
 「宿? ドコに?」
 「この先に獣人の集落がある、数は約50人、俺らでさっさと始末するぞ」
 「ええ? 二人で?」
 「なんだよ? 自信が無いなら俺一人で行くぜ?」
 「そ、そんなこと無いよ!!」
 「ふん、じゃあいくぞ。あ、女は殺すなよ」
 「え、なんで?」
 「ばーか、夜のお楽しみ・・・・・・があるだろ?」
 「……」
 「ん? なーにおっ勃ててんだよ、気が早いぞ?」
 「さ、さあ行こう!!」




 罪も無き獣人は彼らによって殺された




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 そして出発の朝


 「さーて行こうぜ」
 「場所は〔王都イエローマルクト〕だよね」
 「そうだね~」
 「……」
 「ん? 二人ともどうしたの?」
 「……別に」
 「……はぁ~」


 彼は思った。高名氷寒と鳴戸括利の様子がおかしい
 何かあったのか? と考えるが、きっと長旅でストレスがたまってるのかもしれない、と考えた


 「おい、王都に行く前に狩りに行くぜ。無月を相手にする前に準備運動だ」
 「準備運動? でも僕達と戦えるモンスターなんていないでしょ?」
 「まーな、でもこの辺りにSレートの〔イエロードラゴン〕の住処がある。少しは楽しめるかもな」
 「……そんな暇は」
 「うるせぇな、俺の言うことを聞けよ。お前らより俺の方が強えぇんだぜ?」
 「わ、わかってるよ。行こう」
 「う~ん、こりゃヤバいね~」


 彼らは〔イエロードラゴン〕の生息地である砂漠、〔ファーナ砂漠〕へと進んでいった




 その先に待つのは……


 

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