ホントウの勇者

さとう

王都イエローマルクト③/大地讃頌・誘惑



 シトリンはこの〔王都イエローマルクト〕の王様、バイロン・アングレサイトの三女
 上には兄が二人で長男は【赤の大陸】に、次男は【青の大陸】にそれぞれ留学している


 次期国王は長男のラズロ・アングレサイトが王位を継ぐことは決定しており、次男は兄を支えるために政治の勉強をしているらしい


 シトリンは生まれつき強大な魔力を持って生まれてきた
 5歳の時にすでに中級魔術を習得して9歳で上級魔術師になり、周囲を驚かせた
 シトリンは魔術よりも病弱な母の元にいることが好きで、よく魔術の勉強をサボって母に本を読んで貰っていたらしい
 母は裁縫が得意で、よくシトリンのためにぬいぐるみを編んでくれたり、寒い時はマフラーを編んだりしていた
 夫婦中は良好で、王のバイロンはどんなに忙しくても毎日妻を見舞い、魔術の勉強をサボったシトリンとよく部屋で鉢合わせして、3人で過ごすことも少なくなかった


 そんな生活が3年ほど続き、シトリンの母はこの世を去った


 最後まで母は笑っていた
 母の死期が近くなるのを感じたかのように、長男と次男は帰国し、最後は家族5人で過ごしたと
 いつも通りに起きて食事をして、王の仕事を1日だけ休んで妻に付きそうバイロンと昔の話をしたり、帰ってきた息子達の今の姿とこれからの事を聞き、最後にずっと側にいた娘に最後のプレゼントのぬいぐるみを渡して、その日の夜はささやかなパーティーをした


 母はずっと笑っていた
 そしてみんなが寝静まり、一人お気に入りの肘掛けいすに座ったまま、静かに息を引き取ったそうだ


 国を挙げての葬儀が行われた
 そして、運悪く王都の外の砂漠にSSレートのモンスターが現れたそうだ


 〔ライトイエローアントオルミーガ〕と呼ばれる【黄の大陸】最強クラスのモンスターだった
 50年に一度現れると言われている厄災
 砂漠の中で普段眠りにつき、50年に一度餌を求めて地上に現れる【神獣】
 以前は5000人の兵士、魔術師、傭兵を雇い、甚大な被害を出しながらもなんとか撤退に追い込む事が出来た
 それが何の予兆も無く、突然現れたのだ
 王妃にしてシトリンの母、エアーデ・アングレサイトの葬儀の真っ最中に
 王都は大パニックになった




 そしてシトリンは、この日初めて本気で怒った




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 シトリンは王都の外壁に登って【神獣】を見た
 大きさは50メートル以上あるバケモノガが王都に向かってくる


 母エアーデは、夫を、息子を、娘を、国を愛していた
 国民にも慕われ、葬儀では誰もが涙を流していた
 兄二人も、厳しくも優しい父も泣いていた
 当然ながら、シトリンも泣いた


 そんな母の愛した王都を、母の葬儀の最中に襲う


 許せるはずが無かった
 この日シトリンは初めて全力で魔術を使った


 頭の中に構図があり、なんとなく出来る気がした
 しかし、強力すぎて使いどころが無い
 自分の最強のオリジナル魔術


 シトリンは全魔力を使い、目の前のバケモノめがけて放ったという


 シトリンが行ったのは【黄】・【黄】・【黄】の融合ブレンド、すなわち【固有属性エンチャントスキル】の発現


 それが後の【黄の特級魔術師 シトリン・アングレサイト】が放つ
 【固有属性エンチャントスキル】・『大地讃頌ガイアグローヴェン


 〔イエローアントオルミーガ〕が潜んでいた砂地が二つに割れてモンスターを飲み込み超圧縮
 身動き一つ取れないまま圧縮爆散した


 そして後にシトリンは【特級魔術師】の称号が贈られ、今もこの国を守り続ける魔術師として活躍している




 おしまい。ちゃんちゃん




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 「こんな所ね」
 「………」


 いやー驚きましたわ。ここまで綿密な過去を聞かされるとは思っていなかった
 こいつにもいろいろあるんだな


 「う~ん……お兄さん? シトリンお姉ちゃん?」


 ブランが起きた。眠そうに目をこすっている
 寝ぼけてるのかフラフラとシトリンに抱きついた


 「あらブラン? どうしたの?」
 「シトリンお姉ちゃん……一緒に寝よ?」
 「……困ったわね」


 こうしてみると顔は似てないがホントの姉妹みたいだ


 「泊まってけよ。俺はハンモックで寝るから」
 「いいの?」
 「気にすんな、俺は風呂に入ってくる」


 すると風呂という単語にブランが反応した


 「おふろ!? お兄さん一緒にはいろ!!」


 ブランがうれしそうに言う
 子供だしまぁいいか


 「いいぞ、一緒に入るか」
 「うん!!」
 「あなた達ね……」




 何故かシトリンは呆れてる。とにかく入るか




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 ここの風呂場はかなり広い


 湯船は3人は入れる広さでゆったり出来る
 洗い場も2つあり、桶やスポンジも2つある
 そんな風呂場に俺とブランは全裸で入っていた


 ブランは一切隠さず全裸だ
 胸も平らだし完全に幼児体型


 俺も一切隠さずに入る。別に変な意味は無い
 ブランは妹みたいな存在なので羞恥心は全くない


 「ほらブラン、体洗うぞ」
 「はーい!!」


 俺はシャワーに魔力を通して温水を出しブランにかける


 「わわっ、温かーい!!」


 はしゃぐブランの背中を石けんで泡立てたスポンジでごしごし洗う


 「前は自分で洗えよ」
 「はーい!!」


 俺も自分の体を洗う、そして髪の毛も洗いタオルで軽く拭く
 ブランの黒髪は長いので俺が洗ってやる


 「よーし、湯船に行くか」
 「はーい!!」


 俺とブランは湯船に浸かる




 「入るわよ」




 「………は?」
 「シトリンお姉ちゃん!!」




 シトリンが素っ裸で現れた




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 シトリンは全裸、まったく隠していなかった


 膨らんだ大きな乳房
 先端を彩るピンク色
 整った茂み


 全てが見えてしまい、目が反らせなかった


 シトリンは俺の視線を受け流し体と髪を洗い湯船につかる
 俺はその魅力的な体から目が離せなかった


 「なに?」
 「いや、その……」


 シトリンは全く気にしていない
 恥ずかしくないのかよ?


 湯船には俺が壁に寄りかかり、ブランは俺に寄りかかっている
 シトリンは俺の正面に来てる、しかもお湯は透明なために、シトリンの全てが見えていた
 俺はその光景に目を奪われていた


 「……お兄さん?」


 俺に寄りかかっていたブランが俺の異変に気づいた
 やべぇ、どうしよう


 「な、なんでもないよ。気にすんな」
 「?……わかった」


 なんとかごまかした
 そして五分ほど経過するとブランがのぼせ始める


 「あっつ~い……あがる~」


 そう言って上がってしまった


 「……」
 「……」


 無言
 ヤバい、俺も限界だ


 「お、俺も上がるわ」
 「………!!」


 俺も立ち上がる。シトリンが隠さなかったので俺も隠さなかった
 よって、バレてしまう


 「待って」
 「あ」


 シトリンも立ち上がり俺と向き合う
 お互いの全てが見えている




 シトリンが俺の手を掴み、自分の胸を掴ませ、自分の手は俺の下半身に伸びていく




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 一線は越えなかった
 キスもしなかった
 しかし、いっぱい触りっこはした
 俺は何度か果ててしまい……気持ちよかった


 着替えてシトリンと部屋に戻る
 ブランは下着姿でベッドで寝ていた


 寝る前にどうしても聞きたかった


 「なんで……こんなことを?」
 「あなたが気に入ったからよ」
 「それだけ?」
 「ブランから聞いていたわ、「お兄さん」の事。城に来たばかりの頃はずっと淋しそうで、私にだけ心を開いてくれたの。私は毎日聞いてたわ「お兄さん」のこと。それであなたに興味があったの、ブランの懐き方と町での一件で……一目惚れかな? あなたになら体を許してもいいと思ったわ」
 「……うう」
 「触るだけ触って、何度も果ててキスもしない。ふふふっ、あなたの心の中に大事な人でもいるのかしらね?」
 「その……ゴメン」
 「いいわよ。私も気持ちよかったし……ちょっと残念だけどね」


 俺は欲望にほぼ負けた。しかし負けてはいない
 一線は越えなかったしキスもしなかった
 けど、初めての女体の柔らかさに、手が止まらなかった
 気持ちよかった。この世界に来て一番気持ちよかった


 「さぁ寝ましょう、おやすみ」
 「ああ、おやすみ」


 シトリンはブランを抱きしめて眠りにつく




 俺は二人を見つめながら、俺は静かに眠りについた



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コメント

  • カツ丼

    なんかカオスで笑ってしまった

    0
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