ホントウの勇者

さとう

王都ブルーヴェルト/作戦・シンプルイズベスト



 〔魔術都市ウィルエンデ〕を出てはや半日


 あと半日で付く予定だが、いろいろ聞いておかないと行けないことが沢山あってちょっとした会議になってしまった




 そして今の現状とこれからの予定はこんな感じだ




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 まず、【魔神獣】が根城にしている〔ダルフィン城〕は、遙か昔に栄えた町にあった城で、かつて大規模なモンスターの侵略によって滅びてしまった町らしい
 そこに【魔神獣】……名前は【ラードヴァルケン】が、Sレートモンスターを率いてやって来たそうだ
 そして周囲のモンスター達をかき集めて軍を作り、【魔神軍】への忠誠を示すために〔王都ブルーヴェルト〕へ宣戦布告したらしい


 クロ達から聞いた話だと、意思を与えられた【魔神獣】は神に絶対的な忠誠を誓っており、神を裏切った【銃神ヴォルフガング】は絶対に許すことが出来ない存在として刷り込まれて生まれてきたのが殆どだそうだ
 なので【銃神ヴォルフガング】が守ったこの8大陸は滅ぼすべき物……という考えなのだ


 今のところ数は約2000
 【魔神獣・ラードヴァルケン】の能力で統率されていて、今までに何度か小競り合いはあったがまだ大きな被害は出ていない。なので、現在とれる策は2つ


 【魔神獣・ラードヴァルケン】の暗殺
 正面からの激突で魔神獣・ラードヴァルケンを倒す


 この2つの案が出てる
 今の王都の戦力は軍・騎士団・魔術師・冒険者・傭兵など、全て合わせて約4000の部隊
 これなら正面からぶつかっても勝てると踏んでいる


 さらに【特級魔術師サフィーア・サピロス】の参戦で王都の軍は盛り上がり、正面からの真っ向勝負で攻め落とすと言う方向で準備が進められている


 《魔神獣の強さは人間がどうこう出来るもんじゃねーぞ。神を殺せる可能性だってあるんだからよ》


 アグニはこう言うが、俺にはどうしようもない……わけがない
 俺がその【魔神獣・ラードヴァルケン】とか言うヤツを倒せばいいだけ
 たとえ大勢の前で【神器ジンギ】を使うことになってもな




 そう考えて決意を新たにする
 世界を守るとそう誓った




 たとえ俺がどう思われても、俺はこの世界を愛してるから




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 魔導車はいよいよ〔王都ブルーヴェルト〕へ到着した


 門を抜けて市街地へ入る
 第一印象は、美しい町だった


 白いレンガ造りの建物が殆どで、全体的に明るい
 町の中央にはとても大きな噴水があり、日の光を浴びてキラキラ光る
 さらに町の至る所に小さな川が流れていてそこをボートで移動したり、荷物の運搬なんかをやってる
 この辺りは〔魔術都市ウィルエンデ〕とおんなじだが規模が違う


 そのまま町を抜けるとお城が見えた
 町の一番奥は湖になっていて、その中央に石橋が掛けてありお城に繋がっている
 その石橋の手前で魔導車は停止した


 「ここからは歩いて行きますね」


 サフィーアがそう言うと俺たちは下車の準備をして立ち上がり、車を降りる
 クレア達の荷物は載せたままだ。運んでくれるのかな?


 サフィーアの後に続き、俺たちは歩き出す
 クロは俺の肩に乗ってきた


 「あの~わたしにもネコちゃん抱っこさせてくれませんか?」


 特に断る理由もないのでクロを渡す
 するとサフィーアはクロを胸に抱き優しくなで始めた


 「~~っ。かわいい……いいなぁ」


 しばらく堪能するとクロを俺に返してくる
 顔がめっちゃニヤけてるぞ




 そのまま城の中へ入り、謁見の間まで一直線に向かった




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 謁見の間はやっぱり広かった
 先頭にサフィーア、真ん中に俺、両サイドにクレア・ミレアという並び方で入室して玉座の手前で膝を折る……この国のは女王様なんだな


 玉座に座る女王様は40~50歳くらい。それもすごい美人だった
 体は白い装飾されたローブを纏っていて、頭にも白いヴェールをかぶっている
 その表情は落ち着いていて、サフィーアの言葉を待っているみたいだった


 「【青の特級魔術師サフィーア・サピロス】以下護衛3名、到着いたしました」
 「うむ。よくぞ参られました。サフィーアよ、状況はわかっていますね?」
 「はっ。開戦の準備が整いつつあるとお聞きしております」
 「その通りです。あなたの力、頼りにさせて頂きます」


 王女様はあくまで【特級魔術師サフィーア】の力を当てにしているのであり、俺やクレア・ミレアはただの護衛に過ぎない
 まぁ下手に関心持たれてもめんどくさいからいいけどね


 女王との話が終わりそのまま作戦本部へ案内される
 俺たちはサフィーアの護衛という立場で本部への立ち入りを許可された
 作戦本部には騎士団のお偉い人や部隊の隊長、傭兵団長、冒険者、各ギルドマスターなんかがいた 
 【特級魔術師】の登場にここにいる人たちは驚いていたが、付属品の俺たち3人は殆ど無視された……まぁ別にいいけど


 それから作戦会議が始まり……っていうかもうすでに作戦内容は決まっていて、最後の打ち合わせみたいな感じだったけど。作戦概要はシンプルだった


 騎士団・・ 500
 冒険者・・ 500
 魔術師・・1500
 傭兵団・・ 500
 軍隊・・・1000


 だいたい数はこんな感じだ
 やっぱり魔術師が圧倒的に多い。この中で上級魔術師は100人ほどで、残りは全員中級魔術師の集まりだそうだ
 騎士団と軍隊の違いは、騎士団は王都や王の周りを守護するエリート集団で、軍はそれ以外の兵士らしい
 周辺国の警備とか、モンスターの討伐なんかもするみたいだ


 作戦は魔術師を中心に布陣を組んで、徹底的に魔術で集中砲火を浴びせてモンスターを焼き尽くす作戦だ
 シンプルイズベスト。回りくどい手を使わずに行くのか……俺好みだ


 俺は悪いけど単独行動させて貰う
 【魔神獣・ラードヴァルケン】は俺が倒させて貰うぜ
 部隊の侵攻が始まったら早々に離脱させて貰おう


 クレアとミレアはサフィーアの周辺護衛という位置に落ち着いた。俺もだけど
 まぁ、サフィーアの側なら安全だろうな
 もうあんなひどい目には遭わせたくないしな




 そして進軍開始は2日後……戦いが始まる





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