ホントウの勇者

さとう

BOSS BATTLE④/【潜神】・【腐神】・【蛇神】VS【銃神ヴォルフガング】/錬鉄の神銃・別れの涙は風と友に

 
 頭の中流れ込んでくる……この【神器ジンギ】の使い方


 「いける────やれる!!」


 【銃神ヴォルフガング】の【神器ジンギ】・『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター


 俺の姿は大きく変わっていた
 まず体を覆う【友情の約束プロメッサ・アミティーエ】が変化し、ライダーズジャケットがロングコートみたいに変化してる
 足のプロテクターも変化して膝下を覆うグリーブになっている


 ガンベルトも変化して右側にホルスターが増設された
 ここに『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を収納する
 そして左側には重なるように10本のマガジンが収納されてる


 2本の腰の背後には変化したナイフが──いや小剣が収納されてる
 さらに右腕には肘まで覆う籠手のような物が装着されてる


 一番の変化は顔。右半分が仮面のような物に覆われて右目が銀色に輝いている
 これが俺の今の姿か。不思議としっくりくるな


 『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』は装飾された巨大なオートマチック拳銃だ
 銃身が太く長くマガジン挿入部には何も入っていないし、ゴテゴテした部品もいくつかついてる
 この武器は最高の相棒だ


 「さて……やるか」




 俺は頭の中で何かが切り替わるのを感じた




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 「な、なんだよ……アレ」
 「まさ、か……【神器ジンギ】……!?」
 「あれはヤバいよ……!?」


 3人は恐怖していた
 あの【神器ジンギ】はヤバいと本能で理解した
 クラスメイトの【神器ジンギ】の覚醒した瞬間を何度も見ているが、目の前のアレは次元が違う……突き付けられた銃口からは恐怖しか感じなかった


  そして無月銃斗は呟いた




 「おい……そこから離れろ」




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 3人は一斉に飛び退き構える
 距離は約50メートル。俺は銃をホルスターにしまい右手に魔力を集中させる


 「【白】の上級魔術【無垢なる光セイファート・ライフ】!!」


 俺が使える【白】最高の回復魔術
 魔力や部品さえあれば欠損部分も治す究極の癒し
 そして全員の体が綺麗に治り、クレアの髪も綺麗に戻った


 ……って言うかやべぇ、全裸だったぁぁぁっ!!


 メリッサとクレアはすっ裸だった
 俺はリアさんに視線を送るとリアさんは駆け寄ってきた


 「ジュートくん、その姿あなたも……〔神の器〕?」
 「………メリッサ達をお願いします」


 俺はそう言って土丸達のところへ飛んだ
 わかってはいたけど……ツラいな
 この世界の人は〔神の器〕に対していいイメージを持ってない
 今までずっとみんなに黙ってたからな。しょうがないか




 そして俺は土丸達と対峙する




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 「最後にもう一度だけ……もう、やめよう」
 「は、ははははは……うるせェッ!! 勝った気になってんじゃねェッ!!」


 土丸が吠え地面に潜る
 俺はその場でジャンプして右目で見た…地中を縦横無尽に潜航してるのが見える
 そしてホルスターから『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』を抜き────放つ


 銀色の弾丸が土丸の両腕に被弾、そして爆ぜる
  
 「ぐぶええェェっ!?」


 地面の中にいた土丸ことぶっ飛ばすと、土丸の神器はボロボロになっていた
 おかしいな、手加減しすぎたか……壊すつもりだったのに


  「『這蛇スリザリン』!!」


  無数の蛇みたいのが空中から現れて俺を襲う──ことはなかった


 俺は進化した双小剣【雄大なる死と絆グロリアス・デッド・リアン】と【永遠の死の輝きエターナル・シャイニング・デッド】でその全ての蛇を叩き落とす
 身体能力も格段に上昇してる。迫り来る蛇を視認、剣を使って高速の動きで叩き落とす


 「うそでしょッ!?」
 「じゃあな」


 そして一足飛びで久薙縄の元に
 今までの借りを返すつもりで遠慮なく切り刻む


 「うぎゃあぁぁぁっ!!」


 体の蛇の【神器ジンギ】全て切り落とし、腹に蹴りをぶちかます
 そして背後の気配に瞬間的に反応する


 「溶け腐れェェェっ!!」
 「やってみろ」


  俺の上空から強力な酸の雨が降る……が、コートが伸びて俺の体を覆う


  「なァァアっ!? なんでェェェっ!?」


 俺は無傷、その程度の酸が効くわけない
 これが【果たされし友情の約束リアライズ・プロメッサ・アミティーエ】の防御力
 そのまま【神器ジンギ】を切り刻む


  「ぎゃひィィィあっっ!?」


 さて、二人の【神器ジンギ】は破壊した
 あとは土丸だけだ……ん?


 「ジ、ジュートォォォッ!! てめえェよくも、よくもォォォっ!!」
 「土丸、もうやめよう。お前じゃ俺には勝てねぇよ……俺たち、友達だったろ?」
 「………友、だち?……ぐぎぎがあぁ!?」
 「お、おい土丸!? 大丈夫かおいっ!!」


 土丸が突然頭をおさえて苦しみ出す
 なんだ?……この違和感


 すると土丸は気絶した二人を抱えて空間に穴を開ける
 これ、俺とクロが【時の大陸】から脱出した魔術!?


 「チキショぉぉっ!! 覚えてやがれ、次は必ずぶっ殺す!!」


 土丸は門の中へ消えていった
 俺は目の前の空間の門の中に、クローノス城が見えたのを見て頭に血が登った


 「ふざけんな……ちくしょぉぉぉっ!!」


 俺は左側にあるマガジンの1本、黒と銀の模様が入ったマガジンを『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』にセットしてスライドを引く、すると濡羽色の紋章が輝き銃口に光が集中する


 そして──引き金をひいた




 「【銃神砲撃ヴォルフガング・ブラスター】!!」




  濡羽色の閃光が門の中に吸い込まれていった……
  俺の〔神化形態〕は解け、服は綺麗に直り傷も全快していた






  戦いは終わった


  
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 《大丈夫? アグニードラ》
 《おう。それにしても……ついに目覚めたな。まあ、最後の一発は余計だったがな》
 《エエ、ジュートはまだまだ強くなる》
 《ああ。クククっ……本当に楽しみだぜ》
 《エエ。それより速くココから離れた方がイイわネ……ジュートが〔神の器〕と知られた以上、ココは危険よ》
 《ああ、しかたねーな。せめて嬢ちゃん達に別れくらいはさせてやろうぜ》
 《……そうネ》


  
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 クロから事情を聞き俺はこのまま出発することにした
 これ以上俺は役に立たないし、あとは任せて問題ないよね
 するとリアさんとルビーラが来た


 「ジュートくん、あなた……〔神の器〕だったのね」


 この世界では神と〔神の器〕は恐怖の対象……敵として認識される
 俺はリアさんに【時の大陸】であったことを全て話した


 「そう、辛かったのね……」
 「いいんです。俺はもう行きます……お世話になりました」
 「………ジュート」
 「ルビーラ、元気でな」
 「うっ……ひぐっ、うぇぇ……」


  俺はルビーラをやさしく抱き締め頭を撫でる


 「ありがとな……楽しかった」


 俺は未だに気絶してるメリッサ・アリン・クレアの所に行く
 騎士団の人たちが剣を抜こうとした為それ以上近づけない


 聞こえないと思うけど───伝えた






 「夢、叶えろよ……応援してる」






 俺はそのまま【流星黒天ミーティア・フィンスター】を呼びし、静かにその場を後にした






 メリッサ達が涙を流しているのに、俺は最後まで気付かなかった




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 俺は今バイクで【赤の大陸】と【青の大陸】をつなぐ国境へ向かっている
 クロが俺の肩の上で、耳元で囁く


 《止まっテ》


 俺はバイクを停車させクロに言う


 「……どうした?」
 《気付いてナイの?》
 「……何が?」




 《アナタ……泣いてるワヨ》




 俺は守れたのかな?
 メリッサ達の未来を、この【赤の大陸】の人達を
 リアさんが最後に俺を見た目は恐怖だった




 漫画やアニメみたいにハッピーエンドとはいかないな




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 ここから国境まで大体3日くらいらしい
 俺は1日使い自分の『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』の性能を探ってみた


 まず右目、これはスコープの役割を果たしていて自分の意思で見える距離を調節できる
 しかし、これは慣れないと使いづらいし見づらい……練習しよ


 そして右手の籠手は自動照準器。右目で見たものに照準を合わせ銃を構え引き金を引く
 そのときこの右手が勝手に動き照準の微調整をする……射撃練習必要ねーじゃん。百発百中だ


 ガンベルトのマガジンはまだよくわからないが1本だけ使える物がある
 それが黒と銀で装飾されたマガジン〔決戦技弾フィニッシュアーツ・ストレージ
 これを『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』にセットしてスライドを引き、引き金を引くと超強い砲撃の【銃神砲撃ヴォルフガング・ブラスター】を放つことが出来る
 しかしこれは1日三発しか撃てない。決め技だなこりゃ


 そして『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』本体の攻撃力だがこれは2タイプに分かれる
 実弾モードとビームモードの2つで、実弾モードはまんま実弾で銀色の弾丸が飛ぶ
 これは俺の魔力で自動生成されるので弾切れの心配は無い。サイコーじゃん
 ビームモードはまんまビーム、細い銀色のビームが飛ぶ。これも俺の魔力……イイね


 これが【銃神ヴォルフガング】の神器ジンギ・『錬鉄の神銃アイゼン・ブラスター』だ


  
 ここまで長かったぜ……いやマジで




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 頭の中で声が聞こえる


 《神器に覚醒したし、あとはお前が強くなるだけだ。特訓もまだまだ続けるぜ》
 「ああ、頼むぜアグニ」


 ヘルメットとゴーグルを付けて俺の肩につかまるクロが言う


 《次は【青の大陸ネレイスブルー】ネ。ルーチェミーアの所へいって加護を手に入れまショ》
 「おう、飛ばすぜクロ……しっかりつかまってろ!!」




 俺はさらに【流星黒天ミーティア・フィンスター】の速度を上げた














 しかし、まだ戦いは終わっていなかった





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コメント

  • ノベルバユーザー333647

    味方側からの反応がリアルですね。

    チート系のweb小説って主人公が良ければ全て良しかほぼ脳死キャラな味方が多いけど、主人公以外の守るモノやそれまでに生活や思想とかあるから苦悩くらいするよね。

    ここから信頼と絆を得て行くほうがより主人公とこれから仲間になる人達の絆が強く感じられて良いから楽しみです。

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