ホントウの勇者

さとう

〔大火山ボルカニカ〕①/アグニードラ・インフェルノ



 「あ、あつい……あつすぎる……とける……じぬぅぅぅぅ…!!!」


 俺は〔大火山ボルカニカ〕の麓まで来ていた。ここまで来るのにかなりかかった……なぜならモンスターが強かったからだ。というか、で・か・す・ぎ・る!! モンスターばかりだった。ホラさっそくでてきた


 「オオオオオオオオォォォォォンンンッ!!!!」
 「でけえ……巨人だ……」


 俺の目の前にいるのは全長20メートルくらいの岩の怪物だ。その名も〔レッドビッグゴレム〕……そう、こいつは〔レッドゴレム〕の超巨大版なのだ


 姿はまんまレッドゴレムで動きや行動はレッドゴレムとおんなじ、ただでかくなっただけなのだがとにかくタフなのだ。上級魔術を3発あてて倒せるレベル、ここまで来るのにもう30発くらい上級魔術を使っているからさすがに疲れてきた。しかもこいつら普段は地面に埋まっている普通の岩にしか見えない、近づくとその正体を現すし慎重に近づいたと思えば普通の岩だったりと見分けがつかない。なので現れたらとにかく速攻で【青】魔法をぶっ放し終わらせる


 「【青】の上級魔術【水柱圧潰アクアマッシュ】!!」


 岩巨人の真上に青い紋章が輝き、その直後紋章から水の柱が降り注ぎ圧死させる魔法。これを3連発して岩巨人は粉々になる。実は【青】の魔術を使うとすごく涼しい


 そんなこんなで進むとようやく到着した


 「ここが〔大火山ボルカニカ〕か……」


 周りの岩や地面は赤茶色なのにあの火山は真っ黒だった。まるで溶岩が冷えて固まったかのような感じだ


 「なあ、【赤】の【九創世獣ナインス・ビスト】はどこにいるんだ?」
 《エーット……いたワ、この火山の山頂ネ……ン?》
 「どした、クロ?」
 《アラ?……アイツ、こっちに向かってくるワヨ》
 「えぇ、なんで!? まだ心の準備が・・・・・・」
 《ワタシがココからアイツの気配がワカルんだもの、アイツだってワタシの気配を察知して降りてきたんじゃナイ?》


 マジかよ。これから火山の頂上を目指そうっていう流れになると思ってたのに。お……なんか赤い塊が飛んできた。あれかな?


 「んん?………ヤバい!?」


 俺は咄嗟にその場で側転をして回避する。それと同時に両手で腰の背後に手を回し右手に【雄大なる死グロリアス・デッド】、左手に【死の輝きシャイニング・デッド】をそれぞれ逆手で装備し、ちなみに【雄大なる死グロリアス・デッド】の鞘はシューロ村の防具屋で作ってもらった……謎の飛来物に向き合った。来るなら相手してやる


 「よっしゃ。かかって……こ、い……???」
 《反応は上々、なかなか鍛え甲斐がありそうなやつだ…なあ、クロシェットブルムよぉ!!》
 《久しぶりネ、アグニードラ。アナタも変わらないワネ》
 「………」
 《お前もな、クロシェットブルム。こいつが例の奴か…たしかにヴォルの力を感じるな。だが…まだまだ弱いな》
 「………」
 《ダカラアナタの所に来たのヨ。ここまで来るのにカラダは作っておいたワ、あとはアナタの技術で徹底的にイジメてあげテ》
 「………」
 《面白そうだな。くくく……自分を鍛えるのも飽きてきた所だ、人に教えるなんてやったことねーけどよ、いい暇つぶしになりそうだぜ》
 《ソウネ。できれば【神器ジンギ】も発現サセテほしいのだけれど……できる?》
 「………」
 《【神器ジンギ】だぁ? そりゃわかんねーぞ。【神器ジンギ】はこいつの精神的爆発で起こすもんだ、体を鍛えて技術を学んだ程度でだせるもんじゃねーぞ?》
 《やっぱりそうよネ……ハァ…》
 「………」
 《おうおう所でこいつのエモノは双剣か?》
 《エエ、あと近接格闘術とナイフ投擲も教えてあげて。さすがにワタシじゃ教えてあげられないカラネ、お願い》
 《かかかかかっ!! まかせとけ。えんりょすんじゃねーよ、9匹しかいねえ【九創世獣ナインス・ビスト】同士のよしみだ、気にすんな気にすんな!!》
 《フフ、相変わらずネ。アリガト》
 「………」
 《オウ小僧、クロシェットブルムから聞いてると思うけどよぉ、改めて挨拶させてもらうぜ。オレは【アグニードラ・インフェルノ】だ。【赤】を司る【九創世獣ナインス・ビスト】だ、よろしくな!!  がーっっはっはっはぁぁっ!!》
 「…………あ、はい。俺はジュートです……よろしく」
 《ナンダなんだ小僧ぉ、さっきからノリがワリぃなぁ?》


 いや、だって…俺は【赤】を司る【九創世獣ナインス・ビスト】って言うからもっとすごいのが来るかと思ってたんだけど、目の前にいるこの生物は見た目で言うと






 「……二足歩行のトカゲじゃん?」




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 うん、やっぱりトカゲにしか見えない


 まず全長は70センチくらいの大きさで、トカゲを2足歩行させるとこんな感じになるんじゃないかな? しかし顔はドラゴンみたいな顔つきで、頭には象牙みたいな角が頭の上に3本と鼻の上に1本生えている。カラダは全体的に赤い色で背中はワニの皮膚みたいになってて前はツルツルした感じの皮膚だ。腕や足は結構太く、お腹はメタボっ腹みたいにポッコリ出ている。あと小さな羽が背中の中央辺りに生えていて、それでパタパタ飛んでいるし尻尾もかなり長いな。なんか子供の教育番組に出てくる悪役みたいな、そんな感じ。するとトカゲが言う


 《おい小僧おまえさぁ、クロシェットブルムのことクロって呼んでんだろ? オレのこともそんな風に呼んでくれや》
 「そーだな、じゃあ……」


 アグニードラ・インフェルノ。たしかに長いな、うーん……よしきめた


 「じゃあアグニ。よし!! 今日からお前はアグニだ。その代わりお前も俺のことジュートってよべよアグニ!!」
 《ハ、ハハハ……くくくくくっ、あーーーーーっはっはっはぁぁぁ!! アグニ、そうかアグニか!! くくくっ、オレのことをそう呼ぶ奴はヴォル以来だぜ!! なぁクロシェットブルム、こいつはおもしれーなぁ。気に入ったぜ!!》
 《フフフ、そうでショ? ワタシも一緒にいて飽きないワ》
 《よしジュート、さっそく修行だ。ついてきな!!》




 アグニはそう言うと背中の小さな羽をパタパタさせて飛んでいく。俺とクロはそれについて行った




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 やって来たのは火山の麓から1時間ほど走った場所。この辺りは溶岩が流れたあとなのか地面が真っ黒だ、さらに周りが溶岩石に囲まれて周囲が見えないけど広さはかなりある。400メーターのグラウンドぐらいかな? するとアグニが言った


 《ここならモンスターもこねえし修行にうってつけだ。双剣の使い方と投げナイフ、格闘術をみっちりたたき込んでやる、覚悟しろよ!!》
 「はい、アグニ先生!!」
 《おーういい返事だ。そうだ、チョットこっちこい》
 「?」


 アグニが岩場の裏に飛んでいく、するとそこにはなんと


 「これって、温泉!?」
 《そうよ。修行で疲れた後に入る温泉はサイッコーだぜ? どうだ、やる気出てきただろ?》
 「アグニお前サイッコーだぜ!! さぁやろうぜ!!」


 俺、アグニとの相性かなりいいかも。ってオイクロ、何でジト目で俺を見る?


 《別ニ》


 クロさんがなんか不機嫌です。と、とりあえず修行だ修行!!


 《さてジュート、まずお前の力が見たい。魔術以外の持てる力全て使ってかかってこいや》


 その言葉を聞いて俺はニヤリと笑い、腰の後ろに刺さってる俺の武器、【雄大なる死グロリアス・デッド】と【死の輝きシャイニング・デッド】を抜き、手の中でクルクル回転させ掴み、右手と左手を交差するように構え、全力で飛び出した








 「いくぜアグニ!! ぶっ飛ばす!!」







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