ホントウの勇者

さとう

商業都市グランセン③/出発準備・出発進行



 俺とクロはまたまたメインストリートに戻ってきた


 今度はいろいろな物資を買おうと思うが、その前にクロに聞いてみた


 「なあクロ、おまえシャムスさんのこと知ってたのか?」


 俺の肩に乗ったクロは懐かしむように言った


 《ムカシいろいろアッタのヨ。シャムスの姿はマタハリにヨクにてたワ、何があったかイツカ話してアゲル》


 つまりそれは今ではないと言うことだ。まあいつか話してくれるまで待とう…それはともかく今度こそ本当に買い物タイムと行きますか


 俺たちはまず道具屋に入った。クロを肩に乗せたままだがやっぱり何も言われなかった。とりあえず道具屋では、道具を入れるための肩掛けのショルダーバッグを買う、あとついでに折りたたみ式の財布とこの大陸の地図も買った。食料を買おうと思ったけど〔カマクラハウス〕にもどれば水も〔アダムズアップル〕もあるからやめておき道具屋での買い物は終わる


 次は魔道具屋に入ったがここにある魔道具は火を起こしたり、明かりを付けたり、水を出したりと家に置いておくような物ばかりだったが、全部魔術で代用できるので何も買わなかった。冷やかしゴメン!!


 お次は魔術用品店。ここは魔術が関係している物を扱う店で、棚を見るといろいろ置いてある、よくわからない動物の内臓、蛇の皮、虎の骨など訳がわからない。お?……これは確か〔治癒薬ポーション〕だっけ。俺の怪我を治した薬……よし、何本か買っていこう


 とりあえず5本…えっ、これ1本1万ゴルド!? 高っか……でも買ってしまった


 お次は武器屋、まあ武器は【死の輝きシャイニング・デッド】があるから特にいらない。あ、でも投擲用ナイフを100本ほど買っておこう。ナイフ投げの練習しないとな


 防具屋には入らなかったが1件の建物が目に入る、店先に人の良さそうなおじいさんがいて玄関の掃除をしていた。俺の視線に気づいて客と勘違いしたのかおじいさんは話し始める


 「すみませんここは防具屋なんですけど私は引退しましてねぇ、町外れで防具屋を営んでる仲のいい親子に譲ることにしたんです。なのでここは近々再オープンしますんで、そのときよろしくお願いします」


 その話を聞いて俺はなんだかとても気分がよかった。シャムスさん、サニー……楽しみにしています


 最後に商人ギルドに向かう。ゴルドカードはあるけど現金がないので、現金を引き出して財布に入れておこうと思ったのだ。途中の露店で焼いた魚みたいな物とジュースを一人と一匹ぶん買って、ベンチで休憩してから向かう。クロにやっぱり猫だから魚が好きだろって聞いたら引っかかれた


 商人ギルドに入り、空いてるカウンターを探すと、プリシスさんの所が空いていたので迷わずそこに行った。すると俺の姿を見たプリシスさんが


 「おお~、かっこよくなりましたね。新装備ですか?」
 「いやあ、お恥ずかしい」 
 「いやいやすごく似合ってますよ!! それで本日のご用件は何ですか?」
 「現金の引き出しをお願いします」
 「は~い、それでは残金の確認をします………ってええええっ!?」


 あ、またずっこけた。またパンツ見えてる……ピンク。俺の残金にびっくりしてる


 「す、すみません……それで、おいくら引き出しますか?」


 う~んそうだな……まあとりあえず


 「5万ゴルドでお願いします」
 「はいかしこまりました………はいお待たせしました、5万ゴルドです。ご確認ください」


 ちなみにこの世界の通過事情は日本の円と同じだ、一番上が1万ゴルド札・五千ゴルド札・千ゴルド札と日本円がただゴルドになっただけ。わかりやすくていいね、そうだ…ついでにプリシスさんに聞いてみよう


 「あの、この辺で泊まれるいい宿知りませんか?」


 俺の懐事情を知るプリシスさんに聞くのがベストだろう。するとプリシスさんが


 「そうですね、メインストリートにある〔ホテルグランセン〕がこの辺りで一番イイ宿ですね」


 なんか高そうな宿だけどまあ行ってみるか、早く休んでこれからのことをクロと相談しなくちゃいけないし。俺はプリシスさんに別れを告げて三度メインストリートへ戻ってくる、えーっと…ああ、あれか


 〔ホテルグランセン〕……確かにでかいな。とりあえず入り受付を済ませると、部屋はあいていたが一泊5万の部屋だった。まあ仕方ない…これくらい贅沢してもいいよね


 料金が先払いだったので夕食・朝食付きの料金を払い部屋に入る。おお、広い……風呂やシャワーもちゃんとついてる、窓を開けるとメインストリートを見下ろせるし。あ、シャムスさんとサニーの新しい防具屋が見える。俺が景色を満喫しているとクロがしゃべり出した


 《サテ、ジュートの装備も整ったし、これからのことを話すワヨ。まず一番の目的はアナタのレベルアップよ、魔術の上達、身体能力の向上、【神器ジンギ】の覚醒、やることが山積みネ。中でも最優先が、【神器ジンギ】の覚醒ヨ。【神器ジンギ】が使えないと【銃神ヴォルフガング】の力がほとんど使えないワ。今のアナタは常人より魔力が多い【中級魔術師】程度の人間よ」


 確かに今の俺じゃ【王ノ四牙フォーゲイザー】どころかクラスメイトにすら勝てない。早急なレベルアップが必要だ


 《だからコソあいつのチカラを借りるのよ。【赤】の【九創世獣ナインス・ビスト】・『アグニードラ・インフェルノ』……あいつと修行すれば少なくとも身体能力は今の倍以上に跳ね上がるワ。うまくいけば【神器】も覚醒するかもしれナイ》
 「じゃあ次の目的地はその【赤】の【九創世獣ナインス・ビスト】がいるところだな、場所はわかるのか?」
 《エエ。マズこの〔商業都市グランセン〕を西に進むノ、すると〔アカノ村〕につくワ、そして〔アカノ村〕から北に進むと〔シューロ村〕に、そして〔シューロ村〕から北西に向かうと〔大火山ボルカニカ〕がある、アイツはそこで今でも鍛錬してるはずヨ》


 話を聞くだけでかなりの長旅だな。歩いて行ける距離じゃねーぞ……どうしよう


 俺の表情を見てクロはにっこり微笑んで言う


 《大丈夫ヨ、走っていくカラ》


 あーなるほどーはしっていくんですかー………マジで!?


 「いやいやいやいや!? ムリだろ死ぬわ!?」
 《大丈夫ヨ。〔カマクラハウス〕もあるし休みながら走れば問題ないワヨ、と言うかむしろこれくらいでネをあげたらアイツと修行なんてできないワヨ? 出発は明日、今日はたくさん食べてゆっくり休みなサイ》


 話は終わったとばかりにクロは寝てしまった。マジかよチキショウ……こうなったらやってやる。なめんなよ!! さあメシの時間だ!! 


 俺は一人興奮したままレストランへ降り食事をした。レストランで出されディナーはどれも絶品だった。そのままへやに戻りシャワーを浴びてそのままベッドに入って寝る




 そういえば、ちゃんとしたベッドでねるのひさしぶり………




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 「………おはよう」
 《オハヨ》


 俺はベッドから降りると背伸びをする……ああああ気持ちいい……よし、朝メシだ!!


 「クロ、お前朝メシどーする? お前レストランには入れないから外の露店でいいか?」
 《イイわよ、その代わりお魚ネ》


 何だよ、やっぱり魚が好きなのか……俺の表情を見て何かを察したクロは軽く爪を立てて俺の手をひっかいた。何にも言ってないのに


 朝食はバイキング…すげえうまかった。しばらくはこんな贅沢できないだろうな、まあしょうがない、部屋に戻り【友情の約束プロメッサ・アミティーエ】を着込む、この防具ってゆーか服もクロに時間停止の魔術を掛けてもらい壊れないようにしてある。あとは腰に【死の輝きシャイニング・デッド】を装備して、チェックアウトを済ませ外に出る。うん今日もいい天気、マラソン日和だ


 時間で言えば朝の9時くらいかな? 露店はもうどこもかしこも開いていて、辺りはとてもいいにおいに包まれている……お、焼き魚発見。クロ用の焼き魚とジュースを二人分買いベンチに腰掛けると、意外な人物に出会った


 「シャムスさん、サニー!?」


 こんな所で逢えるなんて思わなかった、サニーが笑顔で走ってきて俺の胸に飛び込んできた


 「お兄ちゃん、こんな朝から会えるなんて……えへへ、うれしい!!」


 うーんかわいい……やっぱり妹にほしいな。するとシャムスさんが言う


 「おはようジュートくん、朝の散歩かな?」
 「いえ、そろそろ出発するんで。少し見て回ってたんです」
 「えっ、お兄ちゃん行っちゃうの?……どこいくの?」


 すでに俺から離れてクロの頭をなでていたサニーが淋しそうに言う。うう…なんか罪悪感が


 「ちょっと〔シューロ村〕までね。大丈夫また来るから。所でシャムスさん達はどうしてここに?」


 【大火山ボルカニカ】で伝説の【神獣】に修行を付けてもらうんです、なんて言えるわけがない。なので話題を変えよう


 「いや、新しい防具屋の視察にね…いやあなかなかいいところだ。これから忙しくなりそうだ」


 とうれしそうに語るシャムスさん、そういえば〔アダムズアップル〕どうしたんだろう。聞いてみるか


 「シャムスさん、あの……俺があげた果実どうしました?」


 「あああれか。実はこれから商人ギルドに持って行くつもり何だ。何故だい?」
 「いえ、売れたらサニーに何かおいしい物や洋服を買ってあげてくださいね」
 「?……ああ」


 さて、そろそろ行きますか


 「じゃあシャムスさん、お世話になりました。用事がすんで帰ってきたらお店に寄らせてもらいます」
 「ああ待ってるよ。そして君の旅の無事を祈るよ」
 「サニー。また遊びに来るからな、その時はこの町を案内してくれ」
 「うん!! この町の楽しいところにいっぱい連れてってあげる。気をつけてねお兄ちゃん、あとクロちゃんも元気でね!!」


 「二人とも元気で!!」


 そうして俺は二人と別れて町の入り口に来た、目指すはここから西の〔アカノ村〕


 《サア、気合いを入れなサイ》
 「わかってるよ、さぁいくぜクロ!!」




 〔アカノ村〕に向かって俺は走り始めた



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