ホントウの勇者

さとう

商業都市グランセン①/商人ギルド・ゴルドカード

 

 俺とクロは商業都市グランセンに向かっていた


 何時間か歩きクロの異空間 〔カマクラハウス〕(命名・俺)で休み、また何時間か歩き、また休むを繰り返した


 途中、【緑】の魔力で風を起こして空を飛んで行けないか試したら失敗した。魔力を注ぎすきてものすごい高さまでジャンプしてしまい本気で死ぬかと思った。クロがいなかったら潰れたトマトになってたよ。サンキュークロ


 そんなこんなでついに【商業都市グランセン】に到着した


 商業都市グランセンは超巨大な湖の真ん中に島があり、その島その島全てが一つの都市になっていた。幅30メートルくらいの長い橋が、島と岸を繋いでいた。んん? よくみると島の反対側にもおんなじ橋が架かってる。するとクロが


 《まずは商人ギルドへ行きまショ、そこで〔アダムズアップル〕を換金できるからネ》
 「わかった、行こうぜ」




 俺とクロは橋を渡り始めた




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 今さらだが人がいっぱいいる。大きな馬車に樽を積んで馬?に引かせていたり、剣を差した戦士風の男数人が、商人らしき人を護衛してる。さらに…な、なんだありゃ…人間じゃない!? 俺の様子を見たクロが言う


 《【赤の大陸グランドレッド】は、人間と亜人の国ヨ。両者は対等な存在だから、態度に気をつけなさいネ》


 は、はい。クロ先生……ってちょっと思ったんだけど


 「な、なぁクロ、お前さ……人前で喋って大丈夫なのか?」


 《アア大丈夫ヨ。ワタシの声はアナタにしか聞こえナイようにするから》


 なんだそんなことか、と言わんばかりにクロが言う。するとクロはいきなり俺の肩に飛び乗った。


 「わっ!……な、なんだよいきなり」
 《コノ町は広いカラね、はぐれないようにネ》


 やれやれ仕方ない。とそんなことを考えていたら町に着いた


 うおおおぉすげぇ……俺はその光景に圧倒された。行き交う人・亜人・人・人・亜人。幅広い道が中央に延びている、その両サイドに建つ建物は看板からして全て店だろう。看板を読むと、武器屋・防具屋・道具屋・魔導具屋・宿屋・魔術用品店・冒険者ギルドなど無数に存在する。建物だけではなく露店を開いている店もある。ちょっとしたおのぼりさん気分を味わっているとクロが前足で俺の頭をぱしぱしたたく


 《商人ギルドは向こうヨ》




 ハイハイわかったわかった




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  今俺はデカイ建物の前にいる、そこにはこう書かれていた


 〔グランセン商人ギルド〕


 それにしてもデカイ建物だな、学校の体育祭くらいありそうだ……早速入ってみよう


 商人ギルドの中はやっぱり広い、内装は無数にカウンターが建っていてそれぞれ商品の買い取り、商品の仕入れ・納品なんかをやってるみたいだ。本当に今さらだがあちこちから聞こえる言葉は日本語だ。ホントなんでだろ? するとクロは


 《さっそく買い取りをお願いしまショ、商品を出したらワタシの言う通りに喋っテ》
 「わかった。頼むぜ」


 俺は空いてるカウンターでやさしそうな20歳くらいのお姉さんの所に向かう。俺も男だしおっさんよりは女の人のほうがいい。カウンターには〔案内人・プリシス〕と書いてある。この女の人の名前だろうか? カウンターの前に行くとプリシスさんが笑顔で話しかけてくる、肩にクロを乗せたままだが特に何も言われなかった


 「こんにちは!! 本日はどのようなご用件でしょうか?」
 「えー、買い取りをお願いします」
 「はい。それではどのような商品になりますか?」
 「はい、この〔アダムズアップル〕です」
 「はい!!〔アダムズアップル〕ですね。少々おま………えええっっ!?」


 うおおおぉ、びっくりした。プリシスさんは驚いて椅子からひっくり返った。あ、パンツみえた···ピンクだ。そしてそのままお待ち下さいと言ってどこかへ行ってしまった


 「お、おいクロ、大丈夫なのか?」


 《大丈夫ヨ、アノ様子からすると今はとても貴重なようネ》


 あ、プリシスさんが戻ってきた。隣になんか別の女の人を連れて戻ってきた。誰だ?···すると女性が挨拶してきた


 「はじめまして、私はこの〔グランセン商人ギルド〕のギルドマスターのアイリンと申します。奥でお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


 「は、はい。わかりました」


 なんかめんどくさくなってきた、さっさと終わらせて買い物したいなあ


 俺達は応接間に移動しソファーに座ると、アイリンさんがさっそく質問してきた。クロ、頼むぜ


 「この〔アダムズアップル〕は、どちらで手に入れた物でしょうか?」
 「ああ、【時の大陸クローノス】で手に入れた」
 「まさかあの神の土地で、ですか?」
 「まあな、運がよかった。時の大陸に上陸してすぐにその〔アダムズアップル〕をくわえた瀕死のモンスターに出会ってな、そのモンスターを倒し手に入れた物だ···それより早く精算してくれないか?」


 俺はそこまで言ってアイリンさんを見る。アイリンさんはっとして俺に言う


 「申し訳ありません、実は〔アダムズアップル〕が納品されるのは実に80年ぶりで、どこで入手されたか気になってしまって。まさかあの神の土地に上陸するとは思っていませんでした。それでは買い取り金額ですが······」


 クロ曰く200万ゴルドだっけ? そんだけあれば装備も道具もいっぱい買えるな、今日は高い宿に泊まれそうだ


 

 「2000万ゴルドでいかがでしょうか?」
 「·········ハァぁぁぁぁあっ⁉」




 ヤベぇ超大声出してしまった。アイリンさんがびっくりしてるし、クロは俺の肩から落ちそうになってた。だってそりゃビビるだろ想定金額の10倍だぞ⁉ するとアイリンさんは足らないと感じたのか


 「わ、わかりました。ならば2500万ゴルドでいかがでしょうか?」
 「い、いいですそれでいいです‼」




 俺は大慌てで承諾した




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 商談が終わり、支払いのためアイリンさんが部屋を出ていくと俺は一気に疲れた、りんごモドキ一個が2500万かよ···するとアイリンさんが戻ってきた。速いな


 「それでは買い取り金額2500万ゴルドです。お納め下さい」


 そう言うが、俺の目の前には装飾されたお盆の上にポイントカードみたいな物が一枚置いてあるだけだった。なにこれ? するとアイリンさんが


 「金額を確認致しますか?」


 と、聞いてくる。するとクロが


 《アトで説明してアゲルから、さっさとココからでまショ》


 と言うので、アイリンさんの確認を断りカードのポケットにしまって応接間から出た。アイリンさんは笑顔で


 「素晴らしい取引が出来ました、またよろしくお願いいたします」


 と頭を下げてくる。そのりんごモドキは俺の主食なんですよって伝えたらどんな顔するかな。俺はアイリンさんに別れを告げて、ついでにカウンターに戻っていたプリシスさんに軽く会釈すると、笑顔で手を振ってくれた。そしてそのまま商人ギルドから出た。なんか疲れたな···でもクロに聞かないとな


 「で、コレはなんなんだ?」
 《コレは〔ゴルドカード〕ヨ、あんまり金額が多い時にはこのカードのナカにお金をチャージしておくのヨ、全ての大陸の商店ニ支払い用の魔導具が置いてあるから大丈夫ヨ、現金が欲しい時には、商人ギルドで引き落としできるワ》


 要はキャッシュカードか······相変わらず魔導具すげぇな。とにかくお金が手にはいったし、いろいろ買い物行きますか





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