ホントウの勇者

さとう

閑話 金村剣吾・【剣神ヴァイスキリング】②



 ジュートが連れて行かれて俺たち・・・クラスメイトは安堵に包まれていた。すると、エルレイン様・・・・・・が立ち上がり俺たちに向けて話を始めた




 『神の力を受け継ぎし異世界人達よ、私はそなたらを大いに歓迎する』




 エルレイン様のありがたいお言葉。胸に響くぜ




 『まず最初にそなたらに伝えよう、この大陸の真実を……』




 そしてエルレイン様は静かに語り出した。




───────────────


───────────


───────




 『この大陸は【時の大陸クローノス】平和を愛する神々の暮らす永遠の島、だった。その中でとても強い力を持った神【銃神ヴォルフガング】が、この世界の頂点の大いなる神【創世神ジェネシック・バオファオー】を滅ぼし、この世界の頂点となるべく戦いの支度を始めのだ。【裏切りの神・銃神ヴォルフガング】はクローノス大陸の外の8大陸より強大な軍勢を引き連れ、この大陸を滅ぼしにかかった。我ら争いを好まぬ神とはいえ、滅ぼされるわけには行かぬ。【神器】を取り、【神獣】を駆り、【最悪の神・銃神ヴォルフガング】へ戦いを挑んだ。一人、また一人と神は倒れ、残ったのはここにいる【王ノ四牙フォーゲイザー】と、先代の【魔神】のみだった。【王ノ四牙フォーゲイザー】の決死の一撃で【銃神ヴォルフガング】にわずかな傷を与えることに成功し、先代の【魔神】が最後の力を振り絞りその傷に毒を流し込んだ。そして……すでに命の尽き掛けてた先代の【魔神】は最後の力を私に託しそのまま消滅……【銃神ヴォルフガング】ともに消滅した……これがこの世界の真実だ』


 俺たちクラスメイトは全員うつむいてその話を聞いていた、泣き崩れているやつらも何人かいた。俺は無意識のうちに右手を堅く握りしめていた。そしてはらわたが煮えくりかえるぜ・・・!!!




 ジュートの野郎・・・・・・・絶対許さねえ・・・・・・




 そこでエルレイン様が再びしゃべり出す。


 『私は先代の【魔神】いや……我が母・・・エレオノール・フォーリアから、力と英知と愛を受け継ぎし【魔神エルレイン・フォーリア】なり!!』


 『異世界人達よ、このクローノス大陸に新たな危機が訪れようとしている。それは……』








 『【銃神ヴォルフガング】の意思を継ぎし8大陸の軍勢による武力侵攻だ』










 俺たちは全員愕然とした……この大陸をまた滅ぼそうってのか?…そんなことさせるわけにはいかない!!




 『異世界の勇者達よ、どうか、どうか……力を貸してほしい。この大陸を守るためにそなたらの神の力を振るって戦ってほしい』




 俺たちもう誰一人うつむいていなかった。その瞳には力がみなぎり、拳を堅く握りしめている。この大陸を守るための力……それがあるなら、俺たちはもう迷わない




 俺は辺りを見回し、クラスの一人一人の顔を見る……全員が力強く頷いてくれた。そして最後に委員長を見て頷くと、羽蔵はエルレイン様を見て言った




 「エルレイン様、私たちクラスメイトの心は今、あなた様のお言葉で一つになりました。私たちはみなあなた様の剣です。この大陸を守るため戦わせていただきます!!」




 俺たち全員の心を代弁した言葉だ、やっぱりこういうのは委員長じゃないとな


 するとエルレイン様が、両手を広げて叫ぶ




 『ありがとう、異世界の勇者よ、ありがとう!! 今宵は宴だ!!』




 エルレイン様の言葉と同時に、周りにいた兵士達が兜を脱ぎ捨て・・・・・・喜びの雄叫びを上げた、俺たちもうれしくてクラス全員で大はしゃぎした




 俺たちはどんな敵にも絶対に負けない。そう思った




───────────────


───────────


───────




 俺たちは一人一人に個室が与えられた、広さは12畳くらいで風呂やシャワー、家具なんかもついている。クローゼットを開けると白を基調とした騎士風の服が入っていた。そういえばこれ、制服って言ってたっけ。明日から着よう


 宴はとても楽しかった。【王ノ四牙フォーゲイザー】の人たちもみんな明るい人たちでいい人達ばかりだった。【薬神ナーカティック】さんが作った飲み物の・・・・・・で乾杯し・・・・・、【歌神ローレライ】さんの歌声に酔いしれた・・・・・・・・




 明日からは神の力を使うための訓練が始まる…この大陸を守るため頑張ろう!!




───────────────


───────────


───────




 今日から訓練が始まるが、まずは自分の中にどんな神様が入っているかの確認から始まった。俺の中には【剣神ヴァイスキリング】という剣の神様がいるらしい。剣道部の俺にはぴったりだぜ…みんなそれぞれどんな力を持っているかお互い確認し合っていると盾守がやってきた。盾守は開口一番


 「金森。お前、どんな力だった?」
 「なんだよいきなり、俺は【剣神ヴァイスキリング】って言う剣の神様だった。おまえは?」
 「俺は【盾神シュタルマルドゥーク】……盾の神様だ」


 盾っつーことは守りの力か。こいつのガタイからすると適役かもな…そんな話で盛り上がった


 それからは修行の日々だった。魔術の勉強、身体機能を上げるための猛トレーニング、シグムントさんとの剣の訓練。剣には自信があったけど、シグムントさんにはかすりもしなかった。【魔神軍】最強の一角って言われてる人だし、しょうがないか。あ、でも剣の腕前はクラスで俺が一番だった


 修行を始めてから十日ほどたったある日突然、シグムントさんが突然言う




 「今日は試験を行います。魔術、身体機能、剣術、武術、【神器】、【固有属性】などの総合評価で、この40人の総合評価順位を決めたいと思います」




 突然の宣告に俺たちは驚きつつもやる気に満ちていた。そして試験が終わり、総合順位が発表される。この世界に来てもテストか……なんて思ってたけれどそれなりに楽しめた。俺の順位は第三位……よっしゃァ!! 喜んでいるとシグムントさんがうれしそうに言う




 「上位13名は前に出てきてください。そして横一列に並んでください」




 何だろう? と思い、俺たちは横一列に順番通りに並んだ。弓島が8番で盾守が10番、俺の隣……2番はなんと静寂さんだった。そしてエルレイン様が出てきて宣言した




 『異世界の勇者よ、汝らの強さ確かに見届けた!!』


 『今ここに 【英雄十三傑】ヴァリアントサーティの発足をここに宣言する!!』




 え……マジで? 驚いてる俺の前にエルレイン様がやってきた。そして純白のマントを俺に手渡してくる。よく見るとⅢの刺繍が入っていた。式が終わるとクラスメイト達から祝福され、今日は宴だという


 さらにとてもうれしいニュースが入った




















 4日後にジュートが・・・・・・・・処刑されるらしい・・・・・・・・




















 その吉報にクラスメイト達は大いに喜び、宴は大いに盛り上がった。




───────────────


───────────


───────




 あっという間に4日たち、いよいよジュートの処刑の日だ、なんだかワクワクする。あいつに会うのも2週間ぶりだし、拷問を受けていたというのは聞いていたんでどんだけぼろぼろなのか楽しみだった


 クラスメイト全員が大広間に集まりそれぞれがジュートについての罵詈雑言で盛り上がっている。みんな本当に楽しそうだな……そんな話で盛り上がっていると、大広間の扉が開いた


 ジュートだ……ひどい状態だった。顔はたくさん殴られたのだろう腫れ上がっていたし、左腕もドス黒い紫に変色してる……折れてるなあれ。足を引きずりながら歩いてる姿はなんだかとてもみすぼらしくとても笑えた


 そしてジュートがすがるような目で俺を見ながら言う






 「みんな、助けてくれ……」






 胸くそワリィ……さっさと死んでくれよ、カス






 「話し掛けるんじゃねぇよ、クソ野郎が」


 気持ち悪い、クッセーんだよゴミが。俺の一言がきっかけでみんながメチャクチャ悪口を並べていく、弓島や静寂さんも汚いものを見るような目で罵声をぶつける




 「あんたのせいでこの世界は!! 死んで償いなさい、それともあたしが殺してやろうか!!」
 「信じてたのに……許しません、絶対に許さない!!」




 ははっ嫌われたもんだねえ。ジュートはそのままノロノロと壁穴の所まで歩くと、何故かエルレイン様を見つめていた




 「それでは、さようなら」




 シグムントさんの手から風が吹き荒れて、ジュートの体をずたずたに引き裂きながら落ちていった




 『これで【銃神ヴォルフガング】の危機は去った。これより【魔神軍】は8大陸進行へ向けて舵を取る。神々達よ、我らの平穏のために今こそ戦いを』




 「「「「「戦いを!!!!」」」」」




 俺たちはまだまだ弱い……もっと力をつけて、この大陸を守ってみせる!!





「ホントウの勇者」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー333647

    洗脳って言うか、神の力に潜む神の潜在意識が本人の無意識を上回っているって感じがする。

    2
コメントを書く