恋愛の女神に会ってから俺の日常が暴走している

丸石 つぶ

13…警戒してない奴に限って危険だったりする

    学校も終わり、俺は3人を連れて自宅へ帰る。
    登校時のこともあって必要以上に警戒して帰るべきかと考えたが、急ぐ理由も特に無いしあの程度なら大丈夫だと判断した…が、早速後悔しているところだ。
    理由を説明する前に、まずは現状をお見せしよう。

「とりあえずデートにでもしましょうよ、仲良くなるために!!」
    出会って早々にデートに誘ってくる女子生徒。もちろん初対面。
「翠君は僕のなんだからさっさとどっかに行ってよ」
     そんな女子生徒に対して敵意むき出しの真也。
「あの女子生徒の脳波はおかしいな。外部から介入されているみたいだが、いったいどうやって…」
    どう考えても持ち運べ無いような機械をどこからともなく取り出し、脳波の測定とやらをしている赤羽。
「凄い、初対面の女の子と修羅場ってる。なんだこれw」
    この様子を見てケラケラ笑っている楓。

    どうしてこうなった?
    見知らぬ女子生徒が現れたところまでは予想通りだった。それに対して真也が反応するのも。
    だが、赤羽と楓。こいつらに関しては予想外の行動だった。まさか止めてくれないなんて。
    それに学校を出て、まだ3分も経っていない。この様子だとまともに帰れんのだが!?
    一応帰ろうとはしているが、何故か真也に引き留められる…。うん、何でだろうね?
「えっと、初対面の人とデートとかするつもりは無いので、帰らせて貰っていいですか?」
「ダメです。私は今、何故だかは分かりませんが、猛烈にあなたとデートがしたいのです」
    うわぁー。あの女神絶対害悪じゃん。
    こういうのって、気付かないようなところで、しれっとやるんじゃないのか?
    少なくとも無差別洗脳みたいなのは絶対に違うだろ。
「ほら、翠君もこう言ってるじゃん。相手の気持ち考えないと迷惑なんだよ!」
    合ってる、合ってるんだけどブーメランだわそれ。
「翠、悪いがもうちょっと待ってくれ。この現象の原因を調べたい。それまで何とか繋いでおいてくれ」
    なら帰ろうぜって言っても納得しないんだろうなぁ。原因は絶対にミイファなんだが。
「ねえねえ、翠ってずっとこうなの?すごいね。退屈しなさそう。」
「現在進行系で困ってるし、今日の朝からだよ」
「へー」
    反応薄っ! 聞いてきたから答えたのに、興味有りげに聞いてきたのに。
「まー困ってるなら手伝うよ?」
    楓はそう言うと、鞄からシールの様なものを取り出し、女子生徒にペタッとはった。
    その女子生徒は急に大人しくなったかと思うと、何処かへ行ってしまった。
    二人はポカーンとしてた。多分俺もポカーンとしてた。
    そのシール何ですかって聞きたかった。だが
、楓の満面の笑みを見てしまうと、とても聞けたもんじゃなかった。
    その後、パターンは違えど遭遇イベントがあり、そのその度に楓が対処してくれた。
     予定よりは早く帰宅できた。だが、楓を家に入れるのが怖くなったのは言うまでもない。

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