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恋愛の女神に会ってから俺の日常が暴走している

丸石 つぶ

1… 3次元とラブコメとかお断りします

    日常とは一体何だろうか。
    もしこれが、代わり映えしない日々のことをいうのならば、俺の日常は今この瞬間終わった。
「ラブコメの主人公になって下さい」目の前の女神を名乗る女性の言葉と共に──。




    俺は上里 翠かみさと みどり、いたって普通の高校生だ。好きなものは2次元全般。今は一人暮らしをしている。
    ・・・うん、大丈夫だ、間違いない。記憶が飛んでいるとかではない。
    そして──痛い!!・・・やっぱり夢ではないようだ。
    ということは、俺はこの現実を受け入れるしかないらしい。
    俺の家の前で女性が正座でガン待ちしているという現実を。
    俺がどうするべきかと悩んでいる間に、女性はこちらに気付いたようで、立ち上がると俺の方に向かってくる。
「上里 翠さんですよね?」
「いいえ、違います。」
    彼女の問いに、即座に否定で返す。
    どう考えても危ない人だ。名前も住所もばれてるみたいだ。
    彼女が帰るまでネカフェで時間でも潰そうとこの場を離れようとしたが、
「そんなわけありません。私何度も確認したんですから。上里 翠さんなんですよね?警戒しているだけですよね?」
    なんと答えるべきか、彼女は俺が上里 翠だという確信を持っているらしい。否定するだけ無駄だろう。
「えっと、そうですよ。何か用ですか?」
「はい、私、恋愛の女神の見習いで、ミィファといいます。今日はあなたにお願いがあって来ました。」
    なるほど、女神を名乗る痛い系の女か…。
    早いとこお引き取り願った方がいいな。
「なるほど、そうでしたか。俺はあなたに用がないので、これで失礼しますね。」
「ちょっとまって下さい!! こんなに可愛い子がお願いに来ているんですよ?話ぐらい聞いてくれてもいいじゃないですか。」
    自分で言うかそれ?
「俺、3次元には興味ないんで。これ以上付きまとうなら、警察を呼びますよ。」
「それなら私は『襲われるー』って大声で叫びますからね。それが嫌なら話を聞いて下さい。」
    なんて奴だ。だが、本当に叫ばれたらまず勝ち目はない。
    このような場合、大抵女性の方が有利なのだ。
「分かった、話を聞こう。」
「ありがとうございます。あと、外は寒いので中に入れてもらっても良いですか?嫌なら───」
「最後まで言わなくていい。入りたいならさっさと入れ。ただし、話が終わったらすぐに出ていけ、いいな?」
「分かりましたよ。それじゃあ、失礼します。」
    ちっ、さっさと聞いて、さっさと出ていって貰おう。




    自称女神が部屋に入った後、俺も部屋に入る。
    こいつは自信満々の顔で俺を見てくる。
    これはあれだ、自分の勝ちを確信している顔だ。
「そんで、話って何? 俺はアニメを見返したいから、さっさと済ませてくれ。」
「えっと、単刀直入に言います。ラブコメの主人公になって下さい。」
「お断りします。話は終わりだな、帰って貰おうか。」
「ちょっ、ちょっと待って下さい。いくらなんでも断るのが早すぎますよ。もう少し考える素振りぐらい見せてくれてもいいじゃないですか。」
    なるほど、考える素振りか。
「ラブコメの主人公、面白そうですね。でも、3次元には興味がないのでお断りします…。これでいいか?」
「よくないですよー!!」
    断らせる気が無いじゃん。どうしたら帰ってくれるのだろうか?
「私、見習いとはいえ女神ですよ、女神!!」
「女神とかいるわけないじゃないですかー。」
「いるんですよ!! 今、ここに、見習いが、はあ…はあ…。」
    いきなりでてきて信じられる訳がないんだよなあ。
「証明できるのか?」
「ラブコメの主人公になってくれればできます。」
「証明できないんだな。」
「・・・・・・まあそれはそれです。とにかくお願いします、見習いを卒業するために必要なんです。もし、協力してくれたら、入手困難なグッズとかをプレゼントして上げます。だからどうか…。」
    こいつが本物かどうかはおいといて、レアグッズが手に入るのか・・・。
「1日考えさせて貰えるか?」
「分かりました。また明日来ます。考え、まとめておいて下さいね。」
    そういうと、自称女神は突然視界から消えた。テレポートとかそういった類いのものだ。
    最初からそういうことをやっとけよ。
    ああ、どうするか。
    俺は、とりあえず明日考えようと、一旦この出来事を忘れるのであった。
    

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