赤いフェンリルとドラゴン

ザクキャノン

血の同盟再興

 中国人民解放軍は宮古島と沖縄県本土を手玉にとり日本国自衛隊残党狩りを行なっていた。そして南シナ海で埋立地として建設した海空軍中継基地からは戦闘機や対地ミサイルが搭載された軍艦が出動した。奄美大島にとうとう一個艦隊が集結して海上自衛隊の護衛部隊に艦砲射撃が加えられ奄美大島海域で大規模な海戦が繰り広げられた。
 陸上自衛隊奄美大島警備隊沿岸監視小隊に所属する鹿嶋玄太3等陸曹は小隊長に呼び出されて業務用天幕が建てられた場所へ向かった。
 「鹿嶋君。君はここが地元だったようだね。はるばる大分から転属してきてなんだが今は交戦状態になってる。もしここが陥落しそうになったら補生の陸士や任期満了間近の下を連れて抵抗線を張ってくれ。地元民の土地勘がこの作戦に必要になる。よろしく頼むよ。」
   若手の小隊長が鹿嶋に今後のことを伝えた。
 中国空軍の戦闘機が対艦ミサイルを発射して数発が海上自衛隊イージス艦に向かっている。
 「艦長、こちら側に対艦ミサイル飛んできます。今の現状避けきれません!」
   航海士が無線で叫んだ。
 「これは…確実に当たる…」
  海上自衛官が呟いたと同時に側面に対艦ミサイルが直撃した。
 「メーデー!メーデー!被弾して10人ほど犠牲者が出た。繰り返す!」
    無線から報告が殺到して沈むことを悟った自衛官が海から飛び降りたりボートで逃げようとする。
 沖縄本土から空母艦隊と上陸艦隊が鹿児島県沖に集結して九州南部上陸作戦を決行しようとした。
 アメリカ海軍第7艦隊はグアム沖に逃れ衛星情報を頼りに高麗軍と中共軍の動きを確認していた。
 台湾は中国政府の属領になり台湾製の武器を装備した兵士達らは後方支援業務に回された。沖縄本島内地で潜伏していた自衛官が次々に捕まったり制圧されたりして沖縄防衛を担う自衛隊側は完全に不利になってしまった。
 潜水艦から中国海軍特殊部隊がスキューバ技術で遊泳して鹿児島県の港に上陸をした。沿岸警備をする海上保安官を水中自動小銃で狙撃して射殺してから海に死体を捨ててコンテナターミナルに向かった。人通りがない場所で迷彩服や私服に着替えて港湾局事務室に潜入した。
 奄美大島を護衛していた海上自衛隊は圧倒的な中国海軍の戦力に飲み込まれながらも奮闘し陸戦隊が浜辺や港町に上陸を開始した。
 陸上自衛隊沿岸監視隊の対戦車小隊が中距離多目的ミサイルで揚陸船や浜辺に上陸してきた戦車を破壊していった。
 「敵戦車2台、揚陸船3隻を撃破。」
   対戦車射手が無線で報告をした。
 数の多い中国軍は港町にいる住民を強引に外へ出して歯向かった者を射殺して指示に従わせる。
 「この港町は我々の統括下に置かれることになった。抵抗しなければ身の安全を保障する。」
    軍用車両から軍の将校が流暢な日本語で地域住民に呼びかけをした。
 無線機の感度を調整しながら周りを見回して部隊長に報告をしていた兵士が逃げようとする住民を発見した。そこでもう1人の兵士が拳銃で射殺する。
 戦場となった沿岸部では迫撃砲の弾が中国兵の大群に降り注ぎ逃げ遅れた兵士達の身体が張り裂けて無数な身体の一部や肉片が砂浜には飛び散っていた。
 中国空軍の爆撃機が10機ほど現れ陸上自衛隊が潜伏していると思われる地域を空爆し始めて森林を焼き払う作戦を決行した。防空壕を掘った自衛官達は全員で退避して使い古した機関銃で爆撃機を牽制する。
 長崎県相浦駐屯地から水陸機動団の第一機動連隊が出動して熊本県にある北熊本駐屯地に駐屯を始めた。
 「諸君、今日本九州では敵国による脅威が迫っている。我々は自衛隊員であり生まれ育った郷土を守り抜くことが任務である。そこのところ理解を頼みたい。」
   水陸機動団第一機動連隊長が訓示を言い始めた。
 奄美大島に上陸した中国海軍陸戦隊はデートスポットで有名だった展望台に軍旗を掲げて自軍が占領したことを表し始めた。展望台に沿岸監視、対空監視を施して第二陣がこちらへ上陸できるように準備を始めた。
 鹿嶋は陸士の自衛官を連れて陣地から退却した後山奥に逃げ込み武器と装備品を点検した。
 「武器装具異常ありません。」
   陸士の自衛官が鹿嶋に報告をした。
 「了解。特に銃と弾は大事にしろよ。失くしたら戦えなくなるぞ。」
    鹿嶋は陸士達に伝達した。
 中国海軍陸戦隊の歩兵が沿岸監視隊との激しい銃撃戦の末、多くの犠牲を出しながらも陣取りを続け海岸部を制圧した。
 鹿嶋は9人ほどの陸士の自衛官を連れて指揮取り谷を超えて綺麗な水が流れる川辺で休息を取らせるようにする。
 陸上自衛隊の対戦車攻撃ヘリが上陸した中国軍の大型戦車や装甲車を対戦車ロケット砲で撃破していき敗残した中国兵を一掃した。
 「アカの奴らめ。兵力が多すぎる。まるでゾンビ兵士を相手してるみたいだ。これじゃいくら弾があっても足りなくなるぞ。畜生!」
   自衛隊戦闘ヘリのパイロットはガムを噛みながら中国軍で溢れかえった大地を見渡した。
 休息をとっている時に中国軍の斥候部隊が姿を現して自衛隊の生き残りがいないか偵察をしていた。
 「おい、隠れろ!敵の斥候が来た!」
   鹿嶋は9人ほどの部下に伝達して隠れさせた。
 斥候部隊の人数は5人ほどで鹿嶋は離れた1人を銃剣で首を切って殺してもう1人を鹿嶋を見たところで胸に刺して敵から小銃を奪って残りの斥候部隊の兵士を連射して制圧した。
 「次期に敵の増援が様子見に来るぞ。ここを移動するぞ。」
   鹿嶋は部下に命令して引き上げる準備をした。
 築城基地から出動したF15J戦闘機が沖縄県に配備された中国軍の対空ミサイルを破壊して対空レーダー基地を空爆してから帰投しようとするが空母から飛来した中国軍の戦闘機と交戦状態になり広い大空は血みどろの戦いが繰り広げられた。
 
 九州本土 福岡県
 北九州方面軍の一員となったジョン少佐のもとに九州南部に中国共産党直属の人民解放軍が参戦したという報せが入った。
 「中国が参戦しただと。その報せはいつ入った?!」
    ジョン少佐は士官に聞いた。
 「昨日ほどでした。最高指導者と中国共産党委員長が結託して日本を上手い具合に統括しようという結論になったそうですが詳しいところはまだ何も…」
    士官は首を傾げながら答える。
 倒壊した建物を高麗軍の工兵部隊が現地の解体屋と連携して残骸や廃棄物をトラックに詰めて周りを平地にして新しく建物を建設したりしていた。
 関門橋は封鎖され立ち入りが高麗軍によって制限されている。第17普通科連隊は今の現状として何もできないまま隊員にもストレスが募りに募っていた。
 北九州で生き残った自衛官は抵抗戦を繰り広げて旧韓国軍の兵器や武器を装備した高麗軍と交戦を交わしていくうちに弾薬や兵器の数量にも限界が来ていることを悟り敵兵の死体から弾薬を回収して遊撃戦をせざる終えなくなった。
 本城方面を越えた緒形は自衛隊から支給された迷彩服が着れなくなった事で高麗軍のジープから着替えとしてバッグに積まれていた緑の迷彩服に着替えて自衛隊迷彩服を線路の草村に捨てた。
 北九州市は自衛隊が沈黙しており街中は高麗軍の将校や士官が多く出歩くようになり一般人も解放されるようになった。通りには屋台があり貧乏人がそこでうどんやラーメンを安く食べるようにして居酒屋には高麗軍の高官が多く出入りするようになった。
 福岡県の栄えた町である中洲と天神には派手にセクシーさを出した若い女と高麗軍将校が2人で夜景を楽しんだり酒呑みをしている光景が見られた。
 高官行きつけのスナックから出てきた高麗軍将校が迎えのジープに乗ったところで大爆発が起こった。ジープは派手に燃え上がり将校は即死だった。
 「テロだ!将校が爆弾テロで死んだぞ!警察隊は何してる!」
   近くの事件に巻き込まれた高麗兵が叫んだ。
 爆弾テロを起こして将校を暗殺したのは占領地に潜伏している情報要員で自衛隊では調査隊と呼ばれる連中だった。
 「高麗軍将校の暗殺を確認。」
   調査隊の1人が無線機で報告をした。
 高麗警察隊は住民やキャバクラ嬢達に今すぐ立ち去るように通達した。
 鹿児島県沿岸部には中国軍が上陸して最寄りの駐屯地から第12普通科連隊が出動。障害物を通れるように支援する第8施設大隊がバックアップをすることになり中国軍との戦闘に備えた。
 佐多訓練所に自衛隊部隊を集結させて展開してから普通科連隊の車列の人員と武器や装備品の点検を行う。
 現地警察が住民に避難を促して消防士達らは避難所で難民を統括するようにしていた。
 第1中隊が霧島に展開して知覧方面を第2中隊が配置された。人民解放軍の情報部が衛星航空写真を頼りに鹿児島県の様子を部隊に送り込み安全が確認された場所を選定して陣地を構築した。
 駆逐艦が海上保安庁の巡視船を撃沈して港を制圧した後に陸戦隊が上陸した。中国軍の爆撃機が都市部のビルで溢れた街を空爆して街をパニックに陥れる。
 機械化歩兵が町を陣取り合戦するように占領していき田舎町には中国陸軍の大砲が配備された。
 「解放軍同志の団結で今のところ順調だな。鹿児島を占領すれば分散して次は宮崎と熊本を攻めるぞ。」
   中国軍の大隊長が占領地に集まった兵士全員に告げた。
 霧島まで進撃してきた機械化歩兵小隊が第12普通科連隊の1中隊と交戦になり霧島の目と鼻の先が戦場となった。町中での戦闘となり自衛隊員が民家やコンビニの壁に隠れて射撃をはじめ中国兵が分散して反撃をする。
 「本土に上陸とは勘弁してくれ!」
   数年ぐらい自衛隊勤務している隊員が文句を言いながら射撃を始めた。
 中国軍の対戦車兵がロケットランチャーで軽装甲機動車を破壊して爆発した車両のもとへ小銃装備の兵士が突撃をした。
 自衛隊員の近くに催涙ガスが流れ「状況ガス!」という掛け声の元でバタバタした状態で防護マスクを取り付けた。中国兵側はすでにガスマスクを装着しており取り付け遅れてジタバタしている自衛官に襲いかかって銃剣で滅多刺しにしたり首を切りつけるようにして制圧していく。
 「奴に負けるな!ここを落とされたら終わりだ!行け!」
    他の自衛官が射撃をしながら叫び近くに来た兵士を銃床で殴ったりして立ち向かっていった。
 迫撃砲小隊が中国軍の車列に迫撃砲を撃ち込んでいき装甲車や軍用トラックを破壊していく。
 「やった!当たったぞ!」
    射手が歓喜の声を上げた。
 鹿児島市上空に中国軍の空挺部隊が降下していき現地警察官と銃撃戦を繰り広げていき犠牲者を出しながらも都市部や住宅地を占拠していく。
 霧島市は激戦区となり中国軍の大群が押し寄せてきた。抵抗陣地にいる自衛官は最後まで機関銃や小銃で立ち向かい大勢の中国兵を倒して行きながら迫撃砲の支援射撃を無線機で要請した。一部の小隊が退却していき迫撃砲の嵐が中国軍の戦車部隊に降り注いだ。戦車は被弾して負傷した戦車兵が仲間と共に衛生兵に助けを求めた。
 「我が軍が市内を占領したぞ。ここを乗り切れば熊本、宮崎を落とせるぞ!」
    中国軍戦車中隊の中隊長が生き残った仲間達に伝えて士気を上げようとする。
 中国軍の戦車が市街地の大通りを進んでいき警察の機動隊を退けながら前進していった。戦車砲が機動隊輸送バスに直撃して周囲の機動隊員は吹き飛ばされて死傷者を出した。
 「おっ!流石だぜ!12年軍の飯食って制服着ただけあるぞ!」
   戦車長が射手を褒めた。
 先発で動いた中国海軍陸戦隊は宮崎へ進軍して陸軍の機械化歩兵は熊本へ進んだ。
 北熊本駐屯地に移動した水陸機動団第1機動連隊が隠密に出動して天草の海岸沿いにある山に潜伏して海から迂回してから進撃を妨害する作戦を考えていた。
 夜になり海を渡って海岸から上陸してから沿岸監視している中国兵をナイフで殺してから前方の偵察へ向かった。
 水陸機動団の要員は迷彩ハットを被っておりほとんどがレンジャー徽章、水陸両用紀章を取り付けており海兵隊並みの厳しい訓練をクリアした精鋭で集まっている部隊で敵が占領した地域、離島奪還を主任務としている。
 中国軍が設置した陣地に破壊工作を仕掛けて貴重な食料や弾薬保管庫に爆薬を仕掛けて退去すると同時に爆破した。爆発音で起きた中国兵達が一斉捜索を始めて暗視ゴーグルで視界を確保して敵が侵入した痕跡を探り始めた。
 当初、ボートで天草から海を渡って鹿児島県と熊本県の県境にある陣地に奇襲攻撃をかけて先発部隊の補給を絶って混乱に陥れる案が出て決行したがうまくいくとまでは水陸機動団長も思っていなかった。
 北熊本駐屯地に駐屯している第42即応機動連隊の機動戦闘車小隊と普通科小隊が南下して中国軍の一個中隊を相手に攻撃を仕掛けて16式機動戦闘車の火砲を中国軍の装甲車に轟かせた。
 「敵襲、敵襲、自衛隊が反撃に来たぞ!タイヤ付き戦車までいる!戦闘開始だ。」
    中国軍の下士官が兵士を起こして準備させてから戦闘行動に移行させる。
 普通科小隊の隊員が個人携帯対戦車弾で中国兵が密集している場所を攻撃した。
 中国兵は吹き飛ばされて断末魔の叫びを上げて絶命する。他の兵士が95式自動小銃に夜間用の照準具を取り付けて自衛隊が攻めてきた場所に向かって反撃を開始した。
 中国軍の歩兵戦闘車が16式機動戦闘車に対戦車ミサイルを発射して撃破した。戦車長が脱出するところを狙撃兵が狙い撃ちして戦車長の眉間に当たった。戦車長は前へ倒れて動きを止める。
 翌日、雨が降り自衛官は迷彩雨具を着て中国軍の展開地域に攻撃を仕掛ける準備を始めた。雨具の上に防弾チョッキを着用しているため蒸し暑さでストレスが溜まっていく一方でこれから先の戦いが不安になっていく。
 中国軍は現地に工作員を送り込み自衛隊の動きをほとんど把握しており本日自衛隊が作戦決行することは分かっていた。
 「自衛隊の歩兵とタイヤ付きが攻めてくるそうだ。対戦車地雷と指向性散弾を設置しろ。」
    中国軍の工兵が歩兵達に指示を出した。
 対戦車地雷は土で偽装して指向性散弾は落ち葉で隠すようにする。他の車両は偽装網や現地の草木や花で偽装して隠し敵側から存在を知られないように上手く身を隠した。
 数時間後、自衛隊即応機動連隊の普通科小隊の各分隊と16式機動戦闘車、96式装甲装輪車が出現して中国兵は車両関係が対戦車地雷に引っかかる事を祈り続けた。16式機動戦闘車が見事に引っかかり大破して周りの自衛官が伏せて前進を始めた。
 「16式が対戦車地雷にやられた!この先進めない!」
   普通科小隊の隊員が叫んだ。
 指向性散弾が起爆されて戦い慣れしてない自衛官達に散弾が降り注ぎほとんどが絶命した。
 「クソッタレ!動きが読まれたのか裏をかかれたぞ!完全にシナを舐めすぎてたようだ…」
    他の自衛官が地面を叩いて歯を食いしばった。
 生き残った前線の自衛官は89式自動小銃で射撃を始めて姿を現した中国兵を射殺していく。
 中国兵は小銃の弾が切れると拳銃に持ち替えて迅速に射撃をして攻撃してくる自衛官を牽制していった。
 鹿児島県経由で進撃してきた中国軍が宮崎と熊本県に進撃してきて自衛隊部隊と交戦の末、主要都市を占領を果たした。九州の自衛隊はほとんど孤立無援の戦いを強いられほとんど降伏するか逃げてゲリラ戦を仕掛けるかに分かれていた。
 中国軍の特殊部隊が各発電所をハッキングしてインフラを妨害して街中にパニックを起こさせて商業ビルやインフラ会社に爆弾を仕掛けて爆破していった。
 九州はほとんど制圧され大分県を高麗軍と中国が合同占拠していた。別府駐屯地の普通科連隊が抵抗戦を繰り広げており山奥に陣地を展開していた。
 アメリカ海軍第7艦隊は極秘でネイビーシールズチーム5を派遣することにしてその他ハワイ経由で東洋人の訳あり兵士を九州に送り込むことに政府が案を出した。
 アメリカ海軍司令官は送り込まれる面子の書類である機密書類をめくって目を通した。
 書類にはこう記載されていた。
派遣要員

ダン・ベクシル
朝鮮系アメリカ人。容疑は先輩古参兵殺害

ター・ボー
モンゴルクォーターの日本人。元自で基地脱走未遂容疑。

マイク・タカムラ
日本とメキシコ系アメリカ人のハーフ。
服務規則違反。

レイ・ゴンチョウ
朝鮮系アメリカ人。半島での兵役後、海兵隊入隊。理不尽な扱いやいじめをしていたと思われる先輩や同期を指向性散弾で殺害。

チャン・チョジン
元高麗の工作員。脱北後、スパイ容疑で刑務所に入るも過去の実績や改心したことで釈放条件で派遣人員に加わる。

ジュン・サワタニ
日本人。グリーンカード取得後、アメリカ海兵隊に入隊。北欧を不法占拠したロシア軍を無人爆撃機で空爆するところを米軍の白人兵士が集結した地域を誤爆。

サウ・ベクホ
朝鮮系アメリカ人。民間軍事会社在職中、喧嘩トラブルで相手を重症を負わせた容疑及び殺人未遂。他にも軍隊時代に女性の歯を折り腹部に暴行加えて流産させた見ず知らずのDV男を植物状態にして営倉を出入りしていた過去を持つ。

エディソン・ユン
中国人。元香港警察特殊部隊SDU隊員。容疑は独断専行による極秘非道犯罪組織の集団を虐殺及び各団体や諜報機関への警察不正証拠データ売却。

オサム・サカキ
日本人。元日本警察特殊部隊SAT隊員。FBIと警察データ売却容疑で4年刑務所にいた。

 今回派遣されるメンバーは軍隊や警察経験のある人間で汚名返上の名の下で任務を遂行することになり成功して生き延びて帰れば釈放と高額な報酬が手に入るというシステムになっている。
 黒背広を着たアメリカ政府機関のエージェント達が陸軍刑務所に向かい軍の交換と共に刑務官に案内されて目が鋭い朝鮮人を連れ出した。
 「おい、キムチ野郎〜何かまたやらかしたのか?」
   「でかい黄色君よ〜今度はアルカトラズ行きか?」
   白人や黒人の囚人達が野次を飛ばしている。
 「俺何かしたかな?」と呟く朝鮮人はそのままエージェントに連れられて個室の面会室に連れて行かれた。
 「ダン・ベクシル君。君をある作戦に就いてもらいたい。君のデータを見させてもらったよ。」
   ベテラン風のエージェントが書類を見させる。
 「ある作戦?どこでどんなことを…?」
    朝鮮人男のダンは目を細めて書類を見た。
 「現在、日本の九州で統一朝鮮国家高麗と内部抗争を起こした中共軍に侵略されて陥落しつつある。お前らアジア人が作戦の切り札になる。敵の偵察と後方撹乱、通信遮断の任務。人質捕虜救出も引き受けてもらう。」
    ベテランエージェントは日本地図を出して詳細を語りはじめた。
 「こんなのはデルタフォースかネイビーシールズがすれば良いのでは?」
   ダンは反対気味に返答した。
 「ではこの刑務所で惨めに過ごすか作戦を成功させて高額な報酬と釈放があるのどれが良いかね?」
    エージェントは選択肢を与えた。
 「ならこの作戦、乗った!」
   ダンは釈放という単語に乗ってあっさりと承諾した。
 軍の営倉に傭兵をボディガードにした政府役人が脱走未遂のあるター・ボーと日米ハーフのマイク・タカムラの元へ向かう。
 「問題児を前線に送るつもりですな。どうぞこちらへ。」
    不寝番のMPが案内を始めた。
 「これで俺らも不寝番解除だ。安心して眠れる。」
    他のMPが安堵して言った。
 「変な気を起こすつもりでないだろうな。」
   看守は不安そうに言いながら独房を開けた。
 「これからは君の出番だ。」
   政府機関のエージェントがレイ・ゴンチョウを出して護送車に乗せる。
 その他の訳あり兵士も政府の施設に連れて行かれ厳重なセキュリティが敷かれた場所まで案内された。
 「諸君、これから日本の九州を占領している高麗軍と中共軍を妨害してもらいたい。任務を遂行して生き延びてくれば釈放と安泰な報酬を出そう。」
    政府機関のエージェントを統括する局長がみんなに公言した。
 完全武装の兵士に連れられて迷彩服に着替えて個人装備を装着してから武器庫へ向かった。
 「M4A1にM16そしてAK74、MP5様々あるが使えそうなものはとことん使え。」
   兵士は集められた者に指示を出した。
 迷彩服はアメリカ国旗のワッペンも部隊章も取り外されネームや刺繍も剥がされ完全に無名の秘匿部隊という位置付けで日本に潜入することになった。
 「高麗軍の手口なら元工作員のチャンなら分かるはずだ。高麗軍のことならチャンに聞いた方が確実さ。」
    兵士はチャンの肩を叩いて言った。
 準備を終えると潜水艦に乗せられて太平洋を横断を始めてグアム経由で鹿児島県の中国海軍に注意しながら警備の抜け目になっている場所へボートを出して上陸を始めた。
 中国軍はアメリカ側が潜入していることに全く気づいてなく潜入は容易にできた。
 港から警備兵の目を盗みながら進んでいき立ちはだかる見張りの兵士をチャンがナイフを投げて倒した。死体を影に隠して警備区域を脱出して衛星画像に出ていた対空ミサイル搭載の車両が配備されている地域へ向かった。
 レイがC4爆弾を車両に設置して全員で森の茂みに退避した。
 「今からショータイムだ。」
    レイは爆薬を起爆してミサイル搭載車両が大爆発を起こすのを見届けた。
 中国兵が火ダルマになりながら暴れ回り近くにいた兵士は姿跡形なく消えて全滅した。
 通信機器の配線を切断して部隊との連絡を取れないようにして地図を頼りに北の方向へ進んでいく。街へ進んでいくと中国軍による検問が敷かれておりそのまま通過するのは困難であった。そのまま迂回して一時的なアジトに身を潜め無線で軍の本部に連絡を入れた。
 ハワイからネイビーシールズのチーム5が偽装カーゴジャンボから高い大空からパラシュートで落下傘降下して森林奥で降下を始めた。
 ほとんどばらけて示された集合場所に合流をして行動を開始する。夜明け前の降下でまだ中国軍も感づいていない。
 ネイビーシールズの隊員は薄い斑点が多いマルチカムと呼ばれる迷彩服に身を包み装備している武器も旧ソ連製のAKS74Uを装備していた。
 無線機も無事で気に引っかかたのを確保してサバイバルナイフでパラシュートの糸を切り離した。
 田舎町には中国軍が巡回しており草陰から移動できるルートを探して始める。スナイパーライフルで巡回中の2人を狙撃して倒してから死体をすぐに隠し野営地に潜伏した。
 野営地には燃料補給されているタンク車が並べられており大量のドラム缶が集積されていた。
 「あの補給を破壊すれば奴らの作戦もスムーズに行かなくなるだろう。破壊するぞ。」
   シールズ隊員はTNT爆薬を設置して離れた距離から爆破した。
 燃料タンク車は見事に大爆発を起こしドラム缶も使い物にならなくなった。爆発音で起き上がった中国兵が仮眠中の兵士を叩き起こして「敵襲」と叫ぶ。
 爆発した現場に兵士が駆けつけてきて他の兵士が現場保存のためにデジカメで写真撮影をした。
 補給野営地にいる兵士は少数で歩兵ほど多くはなく倒す必要もなかった。自然消滅で死ぬだろうと思っていたからだった。
 一方、熊本県と鹿児島県の境目の海岸で水陸機動連隊の隊員が占拠された展望台を占領確保して奪還をした。獣道付近に機関銃手を配置して防御線を構えて次に攻めてくる敵に備える。
 中国軍は補給線を叩かれたことで侵攻に支障をきたし計画がずれてしまったことで違う作戦を考えていた。鹿児島県内に潜伏している敵を捜索して見つけ次第、捕獲するか射殺しろという命令が全部隊に通達され全ての地域で捜索が開始された。
 ネイビーシールズ隊員は山奥に退避して中国軍の存在に気を配りながら進んでいく。
 広い畑の上空に輸送ヘリが離陸しておりロープから中国軍の特殊部隊が降下し始めた。全員、黒い服に防弾ベストを着用してヘルメットには暗視ゴーグルを取り付けることができるマウントベースが装着されていた。
 「1時の方向に敵特殊部隊。注意せよ。」
   シールズ指揮官が部下に伝えた。
 今回派遣されたネイビーシールズ隊員は全員、東洋人で中国人か朝鮮人で集められた人員で敵地に通用しそうな人材を厳選したうえで送り込まれていた。
 中国軍の特殊部隊は民家が多い場所に向かい幸い存在に気づかれることはなかった。ネイビーシールズ隊員は真っ直ぐ進んでいき田んぼや畑が多い集落に向かう。
 集落には軽装備の中国兵が警察代行でパトロールを行なっており地域住民を監視して無断で外に出ようとする者に注意を呼びかけていた。
 
 
 
 
   
 
 
 

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