裸の王国

Pman

服屋「ランバルト」[1]

先日の王様の、あの失態の原因は最近オープンした「ランバルト」というところの服を召されたからだそうだ。
王様の服をプロデュースしたということだけあって、その日のうちに長蛇の列が生まれた。現在、三日待ちだそうだ。三日並んで、店にはいるのが許されるのは三十分だけ。見るだけでもいいというので、普段服に興味もない連中やお金のない僕ら貧民も見物しに来ている。
王様がお召しになられたあのお召し物は「裸服らふく」といって、人間であれば透けて見えることはないが、例えば犬、猫などの小動物並みの頭脳を持つものには透けて見えるらしい。
この国において、頭が悪い、ということは死と同義。頭脳別で人間の階級は別れ、「王」「神官」「賢人」「貴人」「平民」「貧民大貧民」の順で大体は一生同じ階級、階級別の地域に住まうことになる。
だから、透けて見えるなんてことはあり得ないし、見えたとしても無反応で黙ってれば何も問題はない。人間には透けないのだから。

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