やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

51話 告白の後とテンプレ




「喜んで。」

  そう言ったフィリアの笑顔はとても眩しく美しかった。

  レオンは素直に嬉しかった。僕のことを心から好いてくれたこと。思ってくれていたこと。そして告白してくれたこと。

  前世での未練がないという訳では無いが、それでも彼女に寄り添ってあげたいとそう思えた。

  そしてレオンは決意する。今度こそは死なない。そして死なせない。例え神様のミスであったとしてもだ。この手を離さない。

  そうして空を見上げるといつの間にか夕日が沈み、代わりに雲一つない空に月が出ていた。

  フィリアもレオンの目線の先を見て呟いた。

「綺麗ですね。」

「そうだね。」

  そうして2人でその空を時間を忘れるほど眺めていた。

  どのくらい経っただろうか。月も最初見た位置からだいぶ離れていた。それに少し冷え込んできた。ただ繋いでる手は暖かい。

「そろそろ僕達も戻ろっか。」

  するとフィリアは素直に頷いてくれた。

「そうですね。こんな時間ですしお父様達が心配していると思います。」

  そうして2人は繋いだ手を離すことなく歩き出した。

「ねぇフィリア。僕達のことってあまり広めない方が良いよね?」

  フィリアは王女様だ。無闇に広めるのはあることないこと噂が流れてしまう。それに混乱を招いてしまう可能性もあった。

「そうですね。これでも私は一応王女ですからね。少し問題になっちゃいますね。」

  フィリアも同じことを考えていたらしい。流石は王女様だ。

「一応って。でもそうだよね。今は周りに人がいないからいいけど、こうやって手を繋ぐことも出来ないよね。」

「それは少し困りますね。寂しいです。」

  するとフィリアの握っている手が強くなった。

「じゃぁ前みたいに一緒に出かけようよ!それなら大丈夫でしょ?」

  こういう時の認識阻害魔法だ。

「あっ!そうですね!ではいつにしましょうか?」

  2人は次のデートの予定を立てながら門へ向かった。いつに行くか、どこへ行くか、何を食べて何を買うか。そんなことを決めるのがとても楽しかった。

  気づくともう門の前だった。

「もう着いちゃったね。」

「そうですね。」

  ここで別れてしまうのは少し名残惜しい。

「フィリアさえ良かったら送っていこうか?」

「ありがとうございます!」

  そうして2人で門を抜け王城へ向かった。さすがに誰かに見られるのは良くないと思ったので手は離した。

  向かっている途中にレオンは聞いておきたいことがあった。

「ねぇフィリア。今更なんだけど王女様のフィリアが平民の僕と付き合っていいの?」

「……分かりません。」

  それもそうだ。普通は許されないはずだ。王女という立場はそんな優しいものじゃない。

「そう……。」

「ですが私が心からレオンのことが好きなのは本当のことです!だから私は身分なんて関係なくレオンの恋人がいいのです。そして私がレオンの恋人であること。それさえ分かっていれば大丈夫です。」

  フィリアがそう言ってくれた。とても頼りになる彼女だ。心が温まる。

「そうだね。ありがとうフィリア。僕も頑張るよ。」

  そんなことを言われたレオンは離した手が恋しくなった。

  だが、その時。

「おい、そこの坊主。可愛い嬢ちゃん連れてんじゃねーか。」

  冒険者の装いをした酔った男が絡んできた。

「何ですか?」

「そこの嬢ちゃんをちょっと貸してくんねーか?」

「嫌ですよ。何故貴方のような人に渡さないといけないんですか?」

「俺はBランク冒険者だぞ。分かってのか?!」

  Bランク冒険者になるとようやく一流と認められるようになる。その分実力もあるが

「それがどうかしました?」

  相手はレオンだ。喧嘩を売る相手を間違えている。

「こっちが手を出さないでやってんだぞ?素直に寄越せ。」

「あなたに僕の大切な人を渡す訳ないじゃないですか。これ以上絡むなら痛い目見てもらいますよ。」

  そう言ってレオンは少し殺気を放った。

「っ!このガキが!」

  そう言って背中の斧を振り下ろしてきた。確かにBランクというのも納得する振りだがレオンの前にとってはBランクもSランクも同じようなものだ。

  レオンは振り下ろされた斧を人差し指だけで勢いを殺した。

「なっ!」

「あなたは僕に武器を振るいました。なので僕も容赦しません。」

  そうして人差し指にある斧に回し蹴りをして砕けさせ、もう一回転してその男の腹に少し強めの蹴りを入れた。

  男はくの字に吹っ飛び、やがて地面にぶつかり気絶した。

「ごめんねフィリア。大丈夫だった?」

「はい!ありがとうございます。かっこよかったですよ。」

「そうかな?でもありがとね。それじゃ行こうか。」

  そう言って2人は再び王城に向かって歩き出した。

  2人はたわいもない話をしながら笑い合って気づけば王城の前だった。

  楽しい時間は短く感じると言うが本当にその通りだ。

「それじゃフィリア今日はありがとう。また明日ね。」

「はい!こちこそありがとうございます。また明日。」

  そう言ってフィリアは王城の中に入っていった。

  レオンは歩きながら今日1日のことを何度も振り返り、その度幸せを噛み締めながら帰って行った。

「やはり、創造神の加護はチートでした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • ノベルバユーザー295269

    ぺド…

    1
  • ロキ

    あらやだキモい,,,,

    1
  • ノベルバユーザー316303

    年齢一桁の幼女を欲しがるBランク冒険者って…

    4
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