やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

48話 団体戦④




  2回戦目は一旦休憩を挟んだ後に行うらしい。それまでの間はおよそ20分程度だ。おそらく手洗い休憩とかその辺だろう。

  レオンは何もやることがないので魔法の組み合わせなどを考えながら時間を潰している。

  フィリアは次に戦う相手のシュミレーションをしているようだ。

  そんなふうに過ごしている間になぜか多くの生徒が集まっていた。

「ん?何でこんな集まってんだ?」

  と声に出してみたら案の定フィリアが答えてくれた。

「どうやら冒険科の誰かが校舎まで行って宣伝していたらしいですよ。私もここまで多くなるとは思いませんでしたが。」

「なるほどね。」

  レオンは困ってしまった。あまり目立つような魔法は使えなくなってしまった。それでも負けることは無いが、さっきみたいに示さなくてはならない時の対応がとても難しくなってしまう。

「レオン?そんな難しい顔をして何かあったのですか?」

  フィリアが心配そうに顔を覗き込んできた。

「いやなんでもないよ。心配しないで。」

  とりあえずそんなことが無ければどうってことないので忘れておく。

「では休憩を終わりとし、今から2回戦目に入ります。1番と3番の人達は降りてきてください。」

  そうして闘技場にあの6人が現れると、さっき来た人たちから色々な反応が見て取れた。

「あの人たちって上級生にも引けを取らない程の魔法力を持っているって噂の……。」

「あぁ、去年の試験を余裕で抜けたらしい。」

「まじか?!あの鬼畜な課題をクリアしたってのか?」

「優勝は決まりだな。」

「そうだな。俺もお手本にしよう。」

  と言う声が多かった。正直去年の試験がなんだったかは知らないがこの学園では相当な実力の持ち主ということに変わりはないだろう。

  それともう1つ。

「その6人のリーダー。魔法力ならあのフィリア様と同等らしいぞ。」

  この声が聞こえてきた時にとても驚いた。何せフィリアの魔法力は一般人がほいそれと追いつけるようなものでは無い。ある程度の才能と努力があってこの年で成し得るものだ。

「フィリア、面白いことになってきたね。」

「そうですね。私と同じ力を持っているらしいので楽しみですね。」

  ここで何か引っかかった返事だったので念のために確認しておく。

「ん?フィリア勘違いしてない?」

「え?何がですが?」

「え?気づいてないの?」

「はい?」

  これは気づいてないなと確信して事実を告げる。

「今のフィリアは僕が教える前より2倍以上強くなってるよ?」

「……本当ですか?」

「本当に。ステータス見てみなよ。」

「はい……『ステータス』…………っ!」

【名前】フィリア=オルマリア

【性別】女

【年齢】8歳

【種族】人族

【Lv】12

【体力】1200/1200

【魔力】850000/850000

【スキル】火属性魔法Lv6  水属性魔法Lv8  風属性魔法LvMAX  光属性魔法Lv8   雷属性魔法Lv5  魔素操作Lv4  魔法の天才  礼儀作法

【称号】王族  魔法の天才  魔法神の加護  最上位神の加護


雷属性魔法・・・風属性魔法の上位互換。雷の力を操ることができる。

魔法の天才・・・魔法の効果が2倍になる。称号に魔法の天才がある者に現れる。

礼儀作法・・・礼儀作法が身につく。


「なんですかこれっ?!」

  そう言って珍しくフィリアが声を上げた。幸い周りに人があまりいなかったので聞こえてる人はいないだろう。

  当の本人は自分の行動に顔を赤くしているが……。

「……すみません。少し声を張ってしまいました。」

  何度か深呼吸した後にいつものフィリアに戻ったようだ。

「それで改めてこのステータスはなんですか?」

  そう言ってステータスオープンでレオンに見せる。

「うん。大体予想通りだね。魔力もしっかり上がっているし、魔法のレベルも順調だね。」

  でもさすがにここまで伸びるとは思って無かった。それよりもいつの間にか自分の加護を授けていたらしい。

「あれ?私ステータス見せたことありましたっけ?」

  ここでレオンは言ったことを後悔したがもう後の祭りなのでとりあえず誤魔化しておく。

「ん?あー、言ってなかったけ?僕高位の鑑定持ちだから見れるんだよ。」

「そうだったのですか。それよりもこのステータスはどういうことですか?」

  そうしてもう一度フィリアがステータスを見せてくる。このステータスを見ても低いなとか思ってしまうあたり、レオンはおかしいのだろう。

「1つは僕が教えたことを実践していたからかな。魔力の操作や空になるまで魔力を使ったりとか。」

  これは一応は魔力は伸びるがそれだけでここまで伸びるとは考えられない。しかしレオンがいつの間にか授けていた加護が影響しているのは間違いなかった。

最上位神の加護・・・経験値取得率、魔法の効果に補正がかかる。

  やっぱり……。

「…フィリアのステータスに最上位神の加護って言うのがあるでしょ?多分そのせい。」

「あっ!ありますね!しかし最上位神とは誰でしょう?聞いたことがありません。」

  それは最近異常なスピードで神になった僕だ。とも言えるはずのないレオンは

「そうだねー。」

  誤魔化して過ごした。

コメント

  • ノベルバユーザー319767

    ん?レインと一緒にいると加護がもらえる??グヘヘヘヘm(。≧Д≦。)m

    3
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品