やはり、創造神の加護はチートでした

弥音 雪

43話 冒険科




  商業の授業が終わったレオンは次の授業へ向かった。場所は闘技場だ。
  向かっている途中に下校の生徒と多くすれ違った。やはり選択は一教科しか取らない生徒が多いらしい。

  人の並に逆らって行くのは少し大変だったがやっと闘技場に着いた。
  今回もほとんどの人が先に集まっていた。もう少し早く来るように心がけようと思う。

  その生徒達が集まったいる場所に向かうと見慣れない人達がいた。

(あれは2年と3年の人達かな?)

  もしそうだとしたら冒険を選択している人達は少ないようだ。3クラス分の人数しかいなかった。でも考えてみればこの学園は貴族が多かったなと思い出し納得した。

「よーし!全員集まってるな。」

  そう言って後ろから2人の先生が入ってきた。

「俺は冒険担当のガディだ。でこっちがルリィだ。」

  そしてガディ先生がルリィ先生を前に出した。

「ルリィです。よろしくお願いします。」

  そう一言言って下がった。

「相変わらず口数少ないなお前は……。それでだ。新入生以外は知ってるだろうが2人いる理由は俺が剣術や体術などの武術を教える。それでルリィが魔法を教えるからだ。」

  確かに見た目からそんな感じがした。ガディ先生は至る所に筋肉による隆起が見られる。それに背中に2本の剣があった。それに比べルリィ先生はローブで身を包んでいて、さっきちらっと杖が見えた。

「さて冒険は名前の通り冒険者で生きるための技術を教える。これは護身用にも使えるし騎士として活躍したい奴にも生きる。ただ生半可にやる奴は容赦なく切り捨てるのでそのつもりでな。」

  やはりこの学園はとことん実力主義らしい。

「なにか質問あるやつはいるか?」

  どこからか手が上がった。

「なんだ?」

「冒険の魔法と魔法学の魔法は何が違うのですか?」

「魔法学の方は魔法全般について学ぶ。生活魔法から攻撃魔法まで幅広い。それで冒険の魔法は戦闘向きだ。攻撃魔法や強化魔法、回復魔法とかだな。それを組み合わせることも教える。」

  レオンはどれも出来るが組み合わせなどは発想力が大切だ。これは思った以上にためになりそうと思った。

「分かりました。ありがとうございます。」

「他に何かあるか?」

  そう言って周りを見渡し何も無かったようなので次に進む。

「それじゃぁ2年と3年はルリィについて行ってくれ。1年は俺についてきてくれ。」

  そうしてレオン達はとある水晶の前に立った。

「ここで君たちの魔力と属性を測る。」

(ん?属性って全部使えないのか?)

《チセ。この世界の人の属性に関して教えて。》

《はい。この世界の人々は基本的には属性は1つから2つです。ただし個人差があります。過去にはマスターと同じく全属性を使えた者もいました。》

  ということは現在の状況は非常にまずいと。変に露見すれば絶対に面倒になることは分かっていたのですぐさま対策しなければ。

(と言ってもやり方分からないしな……。)

《チセ対策方法を教えて。》

《いえ。でしたら私がやっておきます。》

《ありがと!助かったよ。》

  やはりチセは有能だった。おかげで何とかなりそうだ。

  何人かが測り終え残りはレオンだけとなった。
  途中に歓声が上がって見てみたらやはりフィリアだった。

「……5属性とはさすがだ。しかも魔力量も桁違いに多い。魔法の申し子とは伊達ではないな。」

  とそんな声がガディ先生から聞こえた。

「それでは次レオン!」

「はい!」

  そうしてみんなと同じように水晶の上に手を置く。

「ではそこに魔力を流してくれ。」

  そうして少量の魔力を流す。すると突然……

「は?」

  割れてしまった。

「……今まで割れたことはなかったのだが……。」

  そう言われても困るだけだ。何せほんの少しだけ魔力を注いだだけなのに。

《チセ解説よろしく……。》

《はい。今回マスターが思っているほんの少しの量の魔力が多すぎたため飽和してしまい、それでも詰め込んだので破裂しました。》

  分かった。今度から気をつけよう。うん。

「多分劣化していたのだろう。学園長へ報告しておくか。悪いがレオンまた今度な。」

「はい。分かりました。」

  追求されなくて安心していたレオンは思わぬところから不意をつかれる。

「レオン?あの水晶が割れた原因劣化じゃないですよね?」

  レオンはどう答えていいか分からず、結果たぶらかす。

「…さぁね…………。」

「…まぁいいですよ。あまり追求はしないですよ。」

「そう?ありがと。」

  案外引くのが早かったので助かった。

「…すまない。少し呆気に取られていた。今から授業を再開するぞ。」

  その一言でざわつきを消えた。

「とりあえず僕達も授業に戻ろうか。」

  そう言ってまた先生の後をついて行った。


  レオン個人はというと、

(これってギルドで起こるテンプレだったよね?少し残念だな。)

  そう少し悔しがっていた。

「やはり、創造神の加護はチートでした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー301626

    たぶらかしてどうする

    0
  • 海神龍激

    劣化が烈火になってますよ~

    2
  • ノベルバユーザー316170

    とても面白いです(^∇^)

    4
コメントを書く