通りすがりの殺し屋

Leiren Storathijs

人への信頼は命を賭ける事だ

殺したスナイパーから渡されたメモの内容は、ボスの情報では無いが、俺の事をハッキングしたハッカーの事が書かれていた。

このメモによると、ハッカーは俺の携帯からGPS機能をハッキングし、スナイパーに伝え、スナイパーは、俺の正確な居場所を特定後、尾行班に伝えていた。

何とも単純なやり方だ。だがこれだけで、俺が殺した人間とこれから会う人間を合わせると、六人は俺の尾行に関わっている。まぁ、それくらいもしないと、俺を見つけられないってか。

ハッカーはとある倉庫の地下で活動をしているらしい。さっさと会って情報を探らなければ。

そう目的地に向かって歩いていると、突然血相を変えたおっさんが俺に話しかけてきた。

「なぁあんた!あんたが殺し屋なんだろう!?」
「は?そうだけど何だ?」
「あー!良かった!こんな事言ったら殺されるかと思ったらなかなか心が広いんだな」
「まぁな。だが済まないが、俺は既にやっている事の途中なんだ」
「いや分かっている!ギャング何だろ?ネットの投稿を見たよ。だからうまい話にも程があるかも知れんが、私の大切な娘三人がギャングの組織の奴に殺されそうなんだ!報酬は、三人で三百万!どうだ?」
「人数で料金を決めるのは好きじゃ無いんだが、それなら仕方がねぇなぁ」
「ありがとう!恩に着る!此処じゃちょっと話辛いから、私の家へ行こう!」
「あ、あぁ……」

そうして俺は、おっさんの家に着くと、家はやけに豪華な装飾がされた家だった。

こんな豪邸ならセキュリティもしっかりしてるんじゃ無いのか?三人も娘を盗られるって相当だぞ?

おっさんは自分の部屋へ俺を連れて行くと、ほっと安心する。

部屋は、長方形で両サイドに大量の本棚と一番奥の後ろは、床と天井が隣接した大きなガラスの窓があり、窓の前に横に長い机と椅子があった。

開放的で暇な時は恐らく趣味であろう本を読んで過ごせるとは、贅沢でセキュリティ皆無な部屋だ。

この感じからすると娘三人とはメイドとかだったのだろうか?

「いやぁ、済まないね。どこで監視されてるか分からないから……」
「で?内容は?」

俺は、おっさんを抜かして、中央の椅子に座り質問する。

「え……?あ、あぁ、ギャングの者に娘三人が捕まってしまい、警察に連絡したり、一人で来なかったら娘はどうなるか知らないぞって……」
「なるほどねぇ、良くある脅しだな。で、場所は知ってるって事だよな?」
「あぁ、此処から三十分歩いた所の廃墟ビルだ。約束として、一人で来いと言われてるから、あんた一人で行って欲しい」
「了解した。金は三百万だ。良いな?」
「あぁ、お願いする。あと、これは私の携帯だ」


俺は、おっさんの言った通りの場所に行くと其処には、五階建の廃墟ビルがあった。

「ここか……」

俺は、ビルの中に入ると、弱々しい演技で叫ぶ。

「お、おい!約束通りきたぞ!早く娘を返してくれ!」

すると、渡されたおっさんの携帯が鳴る。

「ククク……本当に一人で来るとはな……流石変態オヤジと言ったところか……」
「娘は何処にいるんだ!早く会わせてくれ!」
「まぁ、落ち着けよ……後一発ヤったら教えてやるからよ」
「おいふざけるな……殺すぞ」

おっとつい素が出てしまった。気をつけなくては……。

「あぁ!今のは違う!」
「はっはっは!まぁ、良い。地下だ。地下に来い。そこにお前の望む物はある」
「分かった!地下だな!」

さっきから電話の相手は、変態オヤジだとか、望む物と言っているが、何か引っかかる言葉だな……娘を助ける事が何故変態オヤジに繋がる?

こういう脅しだったら普通、娘の事を大切に思う親の心を煽るような言い方をするだろう。しかし、俺の想像している事と、電話の相手が言っている事の意味が違い過ぎる。

そう考えながら、地下に降りると、既に男が不気味に笑いながら、女三人をボコボコに殴っていた。

さて、殺るか。

「ヒッヒッヒ!やっぱり女の殴られる顔は興奮するなぁ!」
「おい来てやったぞ。殺し屋の参上だ」
「な、殺し屋!?どう言う事だ!何故お前が!」
「さて、話してもらおう」

俺は男の両足に銃を撃ち、バランスを崩し、膝を折った所を、足を使って頭を床に押し付ける。

「がッ!く、クソぉ……」
「知っている事を話せ。話せば身の為だぞ?」
「へへっ、俺は絶対話さねぇ!そこらの下っ端とは違うんでな。死んでも話さねぇ」
「そう来たか。なら無理やりでも話してもらおうか」

そう言って俺は、携帯からギャングのボスに電話する。

「お前らのボスって、とても用心深いんだってな?」
「な、何を急に……」
「今ボスに連絡してんだ」

電話が繋がり、ボスの声が聞こえてくる。

「ほう?お前からこっちに連絡してくるとは、また誰かを殺したと言う報告か?」
「あぁ、これから殺すつもりだ。お前の部下が俺に捕まっちゃってねぇ、用心深いお前ならどうするかな?」
「おい、そいつに変われ」
「あいよ、ほらボスがお前と話したいってよ」

俺は男を足で踏み付けながら、携帯を耳元に近づける。

「ぼ、ボス?すみません。まさか自分の元に来るとは思わず……へへっ、分かってますよそんな事。分かりました。ありがとうございます」
「何て?」
「絶対に話すなとさ!だから俺は意地でも話さねえ」
「そうかなら今は見逃してやる。ボスに報告してくるんだな。それと、これは俺の携帯番号だ。ボスに報告を終えたら俺に電話しろ。そして情報を教えるんだな」
「はっ、馬鹿かお前?言ってる事が訳わかんねえぜ」
「馬鹿はどっちかこの後知る事になるだからさっさと行け」
「へっ、殺し屋がターゲットを見逃すなんてな!これは良い話題を見つけたぜ!」


アイツはきっと俺に連絡してくる。アレ程用心深いボスだったら例え部下の言う事が本当でも、ヘマをかました部下の事を許さないだろう。

つまり、アイツはボスに殺されそうになる所で俺に電話を掛けてくる。と言う事だ。

さて、後はこの女共を依頼人に届けて終了だ。

俺は、殴られた所を簡単に手当てする。

「おいクソ変態が!触んな!」
「済まないが依頼が完了しない以上。お前らに死んで貰っては困る」
「依頼人!?助けて貰ったと思ったらやっぱり売られるのかよ!?」
「売られる?お前らあのオヤジの仕え人じゃないのか?」
「はぁ?見たら分んだろ。高校生だよ!」
「学生か……へぇ。だったら素直に売られろ。あのおっさんは良いものを見つけたんだなぁ」
「てっめぇなぁ……!」

あんだけ殴られておいてまだこんな口が聞けるか。ちょっと脅してやろう。

俺は、銃を取り出し、女一人の額に銃口を突き付ける。

「ひッ!……」
「俺は殺し屋だ。女であろうが、子供、老人であろうが、金になるなら殺す。あんまり調子乗るなよ?」
「く、クソが……私らに限ってなんでこんな事にならなくちゃいけねえんだよ……」

良し、手当ては出来た。依頼人に届けるとするか。

勿論、車もバイクも無いので、歩いて依頼人の所まで運ぶ事にした。


俺は例の豪邸に到着し、ドアをノックする。

「おっさん!持ってきたぞ!」
「あぁ、何て素晴らしいんだ!さぁ、約束通りの報酬だ」
「丁度受け取った。じゃあな」

俺が背中を向け、家から出ようとすると、おっさんは気味の悪い声で女に近づく。

「ぐっへへへ〜やっと手に入れた!」
「おい!殺し屋!クソ!こっち来んな!止めろぉ!」

その瞬間、おっさんは爆発により、四肢が吹き飛ぶ。

「ぼぎゃぁッ!!?」
「え、え?」
「後は好きにしろ。じゃ」

もう一度言うがこれは仕事では無い。俺の収入源に過ぎない。だが、俺は気に入らない奴も殺す。

俺は、女共を置いて、その場を去った。

因みにこの爆発は、最初に部屋に入った時に、こっそりと仕掛けた物だ。

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コメント

  • Leiren Storathijs

    さすらいの骨折男>>コメント、ご指摘ありがとうございます。すみません、自分の言葉の使い方が間違っているのか、誤字が見当たりませんでした。どの辺りの文章に誤字があるのか教えて頂けると助かります。

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  • さすらいの骨折男

    三話中に「皆んな」という誤字がありました

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