通りすがりの殺し屋

Leiren Storathijs

真の殺し屋に慈悲は無い

ターゲットを殺した後はアジトを移動する。また、今日も依頼があれば、殺してから移動する。

場所がバレているのなら、移動する必要はないんじゃ無いか?と思うが、常に同じ場所に留まる事で何が起こると思う?

警察に包囲され、復讐され、依頼の処理が追いつか無くなる。これは仕事では無い。別に会社を経営している訳では無い。ただ趣味というのも違うな。簡単に言えば俺の収入源と言うべきだろう。

なら普通に働け?それは無理だ。俺が断る。自分のこの脳と力を活かさずして生きるのは、逆に生きている心地がしない。


さて、今日の依頼はどんなものだろうか?俺は、ネットを開いて依頼の可能性が高い投稿を探す。

しかし、今日はどうやら平和の様だ。まぁ、毎度数百万の収入を得ている俺にとって、暇という物は金の使い道に困る時間だ。

そう暇の時間をどう過ごすか考えていると、俺の携帯に一つの非通知の着信が来た。

電話に出ると、それは聞いた事の無い声だった。

「よぉ、俺が誰か分かるか?」
「知らん。クイズなら断る。切るぞ」
「まぁまぁ、待てよ……お前、どうやら俺の存在を勝手に使って部下を可愛がってくれたらしいじゃねぇか?」
「あぁ、もしかしてギャングのボスか?どうした?俺に依頼か?」
「てめぇ、舐めてんじゃねぇそ?お前の携帯番号はハッキングし、移動ルートも尾行させている。これの意味が分かるか?」
「変態だな。ギャングのボスをやりながら、男のストーカーとは、世界には色んな人がいるんだな」

遂に命が狙われる時が来たか。ずっと前から予想はしていたが、ギャングのボスに目を付けられたからには、一筋縄ではいかないだろう。

「おい……そんな挑発には乗らねえぞ?こちとら組織のボスやってんだ。これからお前を殺しに行く。どうだ?殺し屋が逆に殺される気分は」
「とても楽しみだな。俺はまだ殺されていない。携帯をハッキングされたのは少し痛いが、尾行如きじゃ俺を捕まえられない。もっと作戦を練るんだな」
「は!俺らギャングを舐めるなよ?お前はギャングの世界を知らない。そして、俺らに失敗は絶対あり得ない」

そこで電話は来れる。

ギャングの世界を知らないか……知りたくも無い世界だな。ではこれを今日の依頼としよう。

依頼の内容はギャングのボスの抹殺と組織の破壊。組織の破壊は、警察以上の面倒事を増やさない為の、せめて物の処置だ。

料金は、ボスと組織の奴らから取り上げるとしよう。

と言ってもまずは組織の調査が必要だ。どうやら俺の方へ尾行を向かわせているらしいから、先ずは其奴らを迎えさせてやろう。

俺はアジトの外に出て、わざと路地裏に入り待つ事十分。

尾行らしき男達四人が、俺を挟む様に出現。

「へっへっへ……おいおい、お前さっき殺すって言われたばかりだろ?何路地裏なんか入ってんだ?馬鹿か?」
「馬鹿に見えるか?俺にはよっぽどお前らの方が餌に釣られる馬鹿と見える」
「んだとコラァ!?もういい!ボスの命令だ!黙らせろ!」

俺を挟む四人は、一斉に腰から銃を抜き、引き金に指を掛ける。

「流石下っ端だな。殺せと言われたら殺す。見逃せと言われたら見逃す。本当に言いなりにしかなれない、見本の様な奴らだ」
「五月蝿え!撃て!」

俺は足元に、スモークグレネードを落とす。直後に煙幕が俺と四人を包む。

その後、銃の発砲音が聞こえるが、まるで当たってない。というか、俺はもうそこには居ない。

「なんだ、銃の扱いは慣れていない様だな。俺を殺すんじゃないのか?」
「クソが!見えねぇ!黙れ!黙れ!」

その後何度も銃の弾は、煙の中を貫いていき、弾は遂に味方に当たる。

「うわああ!や、止めろ!撃つな!」
「当たったか!」
「違う俺は味方だ!」
「トドメだ!」

これは凄い光景だ。煙で敵が見えない上に更に味方と敵の見分けまで分からなくなるとは、予想外な展開だ。

さて、これで全員死なれては困る。一人は情報の為に残さなければ。

「クソ!クソ!クソぉ!」

俺は一人だけ後ろから首を絞め上げ、別の路地裏に投げ込む。残りは一人の銃を奪い、全員殺す。

「う、うぅ……」
「起きろ」

意識が朦朧とする男の腹を上から踏み付け、叩き起こす。

「ごへぇッ!ひ、ヒィ!!」
「良し、話せ。ボスの居場所か、その他の組織の知ってる事を話せ」
「へ、へへ言う訳ねぇだろ……言ったら殺されるからな」
「安心しろ。言わなくても殺す。言っても殺す。言わなかったらじわじわと苦しませて殺してやる。言ったら一思いに殺してやろう。どっちか選べ」
「な、何ならお前に殺された方がマシだな……」

まったく……すぐに吐かせてやる。まぁ、下っ端だから情報には期待していないが、大体組織の裏情報ってのは、下っ端の想像や噂によって知る事も出来る。

「銃の弾は、後六発残っている。最後の一発は、お前を殺す用に残してやろう。では一発目だ」

俺は、倒れる男の膝を銃で撃ち、すぐに思いっきり踏み付ける。

「ぎゃあああッ!!??」
「どうだ?痛いか?大丈夫だ。痛みに慣れない様に慎重に場所を選んでやる」
「はぁ、はぁ……わ、分かった!知ってる事だけ話すから、もう止めてくれ!」

男の表情は、先程の余裕をかました顔から一気に恐怖の顔に染まる。

「良いから口を動かせ」
「ボスの事は良く知らねえが、俺は尾行として雇われているだけで、ギャングの組織に直接入っている訳じゃない!」
「にしては、すぐに発砲してきたな?」
「そりゃ、逆らったら殺されるからに決まってんだろ!」
「で?知ってる事は?」
「そういや尾行する前に、お前を最初に場所を特定する奴がいるらしい」
「へぇ?そいつは何処にいる?」
「確か……この国で一番高いビルとか聞いた事があるな……」
「成る程……まだ知ってる事はあるか?」
「も、もう知らねえ!」

うーん。まぁ、良い事は知れたが確認の為、もういっちょやってやるか。

俺は、撃った膝を逆方向にゆっくり曲げ始める。

「ななななにすんだ!いででで!ま、待て!やめろ!」
「いや、まだ隠してる事あるのかなぁって……まぁ、殺すし、とりあえず折られてろ」
「はぁ!?とりあえず折られてろって、うわあああ!!」

男の足はバキッ!と音を立ててみた事も無い様な折れ方をする。

足の骨折ってどんだけ痛いんだろう?

「も、もうマジで知ってる事はねぇんだ!な?俺は直接ギャングと関わりは持ってない!だから……」
「俺は殺し屋だ。お前がギャングと関わってないとか関係無い。じゃ、情報ありがとう。感謝する」

そう言って俺は男の額を銃の弾で貫く。

じゃあ一番高いビルに行くとするか……。

「通りすがりの殺し屋」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

  • Leiren Storathijs

    さすらいの骨折男>>コメントありがとうございます!その漫画は知りませんが、この殺し屋サクサクやって(殺って)行きますよ!

    0
コメントを書く