SNS仲間で異世界転移

浪村

第8章 5話 退団

コンコン

イオネット団長「どうぞ」

5人「失礼します」

イオネット団長「ああ、お前達か」 

龍剣「はい。5人で話したんですけど、やっぱり俺達帰ることに決めました」

イオネット団長「そうか…やはり元居た場所の方がいいか。5人とも、短い期間であったが今まで本当にありがとうな」

壮助「いえ、こちらこそこんな身寄りのないガキを拾ってくださってありがとうございました」

美泉「この世界に来て、良かったです」

汏稀「仲間の絆とか団結の大切さとか…」

香奈「おかげでいろんな事を体験する事ができました。ありがとうございます」


イオネット団長「うむ。それじゃあこの用紙に記入してから受付に持っていってくれ。あとはティアーノが教えてくれる」

団長は5人に退団届け用紙を渡した

美泉「なんか入団したときに似てるね」

壮助「確かに」


イオネット団長「お前達、帰るのはいつなんだ?」

龍剣「明日帰る予定です。今日はみんなに挨拶して回ろうかと思って」

イオネット団長「そうか。なら明日帰る前に本部に来てくれないか?送迎会をするから」

美泉「はい」

壮助「わかりました」


5人は部屋を出て退団届け用紙を持って1階に降りた。そして受付のティアーノの元へ行く

ティアーノ「おうお前達、何か用か?私服だけど」

いつものように明るく出迎えてくれるティアーノの前に退団届け用紙を置いた

汏稀「これ…お願いします」

ティアーノは用紙を見て少し真顔になる

ティアーノ「……退団…届け…?」


美泉「はい…そうです」

ティアーノ「何でまたこのタイミングで…?お前達はバッドローグも倒したし、まだまだこれからだろ」

龍剣「それは…」

龍剣の口から理由を説明した


ティアーノ「そうか…もう帰っちまうのか…」

香奈「今までお世話になりました」

少し話をした後、5人は庭園に出てベンチに腰をかけた

すると、建物内からリクがはしゃぎながらやってきた

リク「おい龍剣ー!ちょっとこれ見てくれよー!」

何かを持って走り寄ってくる

龍剣「どうかしたのか?」

リク「ふふーん、知りたいか?」

ニヤニヤしながら背中に何かを隠している

龍剣「てめぇが見てくれって言ったんだろうが…」

香奈「っていうか、ウチ見えてるんだけど…」

リク「なにー!?見えてるのにその薄っすいリアクションはなんだ!」

美泉「だってただの双剣でしょ?いちいち驚かないよ」

リクが勿体振っていたのは新しく購入した双剣だった

汏稀「その双剣がどうかしたのか?」

同じ『双剣使い』の汏稀が聞いた

リク「ヒッヒッヒ。この双剣はな、隣街のグローリーで買ったもんなんだぜ」

グローリー。いつか龍剣達が仕事で手伝いをした武器屋グローリーのことだ

リク「結構高かったんだぜ」

壮助「確かに良さそうな剣だけど、お前まだ討伐任務いけねぇじゃんか」  

壮助が最もな事を言った

リク「そ、その内ランク5になるさ!それに、砂神祭のときみたいに敵が現れるかもしれないからな」


美泉「っていうか何でリクは双剣しか使わないの?」

リク「バンギックさんみたくなりたいから真似してんの」

香奈「バンギックさん強いもんねー」

リク「だろ?かっこいいよな」


会話が盛り上がりそうなところだが、建物内から同僚のカレナが顔を出してリクに叫んだ

カレナ「こらリク!!さっさと仕事行くぞ!!」

リク「やっべ、忘れてた。じゃあまたな、みんな!」


美泉「いってらっしゃーい」

リクはカレナにゲンコツを食らって、慌てて仕事に行った


龍剣「帰ること言うの忘れてたな」

美泉「ほんとだ。でも仕事前だから言わなくてよかったかもね」

壮助「それもそうだな」

5人は庭園を出て、今までお世話になった人への挨拶でこの日は費やした

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