SNS仲間で異世界転移
第7章 5話 500年の時を経て
あれから2ヶ月が経った
龍剣達5人の状況は一切わからず、団長達はただ信じる事しかできなかった
その期間、準備としてザンベル氷山に拠点を建てて武器と防具を完璧に揃えた。高低差のある地形を利用して、高い場所には固定砲を。低い場所には何通りものシミュレーションをして考えた、トラップを設置した
そして今、封印されたバッドローグのいるザンベル氷山の麓に、イオネット団長とランク5、4の全兵が集結していた。ただ、何故かその中にバンギックの姿は無かった
イオネット団長「ついにこの時がきたか…」
氷漬けにされたバッドローグを見つめる団長。そこにドルゼが歩み寄る
ドルゼ「団長、彼らがまだ到着しておりませんが」
イオネット団長「来るまで待機だ」
十分ほど待っているとこんな雪道の中なのに馬の足音が聞こえてきた
待機中の兵士たちは皆振り向き、その人物の姿を見て喜んだ
ドルゼ「バンギック!」
バンギック「遅れてすまない」
ドルゼ「お前、ここに来れたってことは仙羅洞を…」
バンギック「ああ、あんな薄気味悪い場所、さっさとクリアしたさ」
そう、なんと龍剣達よりも先に、バンギックは仙羅洞へ行きクリアしていたのだ
イオネット団長「一度目の経験が活かされたな」
バンギック「その話は忘れてくれ。それより、俺が遅れたのには訳がある」
ティアーノ「何だよ」
バンギックはあっちだと言わんばかりに、顔の動きで後方を示した
ザザザッザザザッザザザザ…!
雪を踏む音が安定しないリズムで近づいてくる。これだけで兵士達は5頭の馬だということがわかった。そして、あと5人となると残る人物は彼らしかいない
聖妖の森で修行を積み、仙羅洞をクリアして成長した龍剣達、異世界人5人だ
龍剣「すいません、遅れてしまいました」
美泉「時間はまだ大丈夫ですか!?」
壮助「バッドローグは!?」
見た感じでは、2ヶ月前とあまり変わったようには思えない
だが、誰しもが気付く。以前とは放っているオーラがまるで違うということに
ウォールグ団長「大丈夫だ。まだ開始時間は過ぎていない」
香奈「ふぅ。よかった」
汏稀「にしても、こいつがバッドローグ…でけぇ…」
イオネット団長「仙羅洞、5人共クリアしたようだな」
龍剣「はい」
イオネット団長「だが本番はここからだ。2ヶ月間の修行も、仙羅洞も、全てはコイツを殺るため」
5人はバッドローグを見つめる
龍剣「(こいつがバッドローグ…だけどどこかで見た事あるような気がする)」
美泉「団長、大砲とかいろいろありますけど作戦を教えてもらっていいですか?」
イオネット団長「今からそうしようとしたところだ。手短に話すからよく聞いておけ。バンギックも来てくれ」
龍剣達5人とバンギックに、解封後の作戦を伝えた
イオネット団長「だがあくまでこれらは兵達が生きていればの話だ」
団長の"生きていれば"という言葉に龍剣達はゾッとした
イオネット団長「時は満ちた。これよりバッドローグの解封作業に入る。5人はついて来てくれ」
5人「了解」
龍剣達5人はバッドローグのもとへ行く。5人がやられては勝ち目はないので、もしものために団長とドルゼが護衛につく
現場の緊張がままならない。1人1人自分の心音が聞こえている
ランク4の兵士は固定砲の発射準備を。ランク5の兵士は低地へ降りてトラップ付近で待機している
イオネット団長「いいな?封印を解いたらすぐに放れるんだ」
5人「はい」
バッドローグに、いや正確にはそれを覆っている氷に手をつける龍剣達5人。その氷は冷たいが、どこか暖かさを感じた
龍剣「(ものすごい力だ…)」
美泉「(触れただけなのに英雄の想いがわかる)」
壮助「(そっか、俺達をこの世界に連れて来たのはあなた達だったんですね)」
香奈「(全てはバッドローグを倒すために)」
汏稀「(その役目、きっちり果たしてやりますよ。5人は見守っていて下さい)」
女性2人の声[私達の意志は託したわ]
男性3人の声[信じているぞ、若き勇者達よ]
一瞬背後におりて来た何かが天に昇っていったような気がした
龍剣「封印を解きます!!!」
5人は火山の力を練り、手の平から放った。バッドローグを覆っていた氷はみるみる内に溶けていく
バッドローグ「ウウ……ウウウ…」
まだ氷は残っているのだが、ごくわずかにバッドローグは動きだす
イオネット団長「まだだ、もう少し溶かせ」
慎重に力をコントロールして、少しずつ溶かしていくと、パチンコ玉のように艶のある鉄体があらわになっていく
バッドローグ「ウウウウウウ!」
イオネット団長「よし!止めろ!」
まだ氷は完全に溶けていない。だが団長の指示によりそれを止めた。そして7人はすぐにバッドローグから離れた
なぜ氷を残したかというと、向こうが自力で氷を壊すと踏んだからだ。完全に封印が解けた時にバッドローグが目の前にいるのと遠くにいるのでは明らかに違う。そこを団長は狙ったのだ
バッドローグ「コロ……ス…」
パキパキパキ…パリン!パリン!
徐々に壊していき、残るは地面と脚を繋ぐ氷だけとなった
イオネット団長「固定砲用意!」
高地にある全ての固定砲の発射準備が完了した
そしてバッドローグの左脚の氷が壊れたところで、ついに攻撃が始まる
イオネット団長「撃てえぇぇ!」
ボン!ボン!ボン!…!!
一斉に砲弾が飛んでいく
バッドローグ「ウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
バッドローグの咆哮により砲弾は全て勢いを殺されて、真下に落下した。この砲弾は爆発性のものではないため、誰にも被害は出なかった。それと同時に、バッドローグを縛っていた氷が完全に壊れた
龍剣「なんつう叫びだ…」
イオネット団長「続けろ!撃てえぇ!!!」
怯まず2発目、3発目の砲弾が放たれる。今度は阻止されずに全てバッドローグに命中した。が、低めの金属音が響くだけで、バッドローグは無傷だ。痛みもせず怯みもせずバッドローグは真っ直ぐ歩いてきている
イオネット団長「(これほどの硬度なのか…)砲弾変換!爆砲弾で直ちに撃て!!」
固定砲班「了解!!」
団長の指示通りに動き、爆砲弾でバッドローグを攻撃した。だが、爆発性のあるこの砲弾でもダメージを与える事ができなかった
イオネット団長「(これでも傷1つ付かないのか)」
龍剣「美泉!弱点はないか!?」
火山の力、ゴーグルで弱点を探る美泉
美泉「嘘でしょ…どこも光らない。弱点がない…」
龍剣「なっ…」
すると、ゆっくり歩いていたバッドローグは急に走りだした。その方向は低地で待機している団長達の方だ
壮助「こっちに来やがった!」
イオネット団長「落ち着け!まだ待機だ!」
身長約30mもある鉄の人間が走ってくる姿はド迫力だった
低地にいるトラップ班は全員ハンマーを装備して待ち構える。そして、先頭にいる団長とバッドローグの距離が20mまで迫ったとき、仕掛けていたトラップが発動した。雪の下に設置しておいた装置から無数のワイヤーが発射され、バッドローグの全身に巻きついて動きを止めた
バッドローグ「ウウウ…」
イオネット団長「攻撃開始!!」
団長も含めトラップ班全員がハンマーで殴りかかる
ティアーノ「くたばれ!」
マルス「おぉら!!」
ランク5の全兵がボッコボコに殴っているのだが、はたまた傷が付かない。だが、ダメージはわずかに与えられているようだ
バッドローグ「ウウウゥ……」
ミシミシミシミシ…!
かなり強度の高いワイヤーなのだが、1、2分経った今、既に引き千切れそうになっている
イオネット団長「総員離れろ!そして龍剣!」
龍剣「準備できてます!!」
龍剣はヒートバズーカを撃つ寸前のところでキープしていた
バッドローグ「ウオオォ!!」
バッドローグを縛っていたワイヤーが全て千切られた。そして再びこちらへ向かって走り出す
イオネット団長「撃て!」
龍剣がヒートバズーカを放った。それはバッドローグの腹に命中し、バッドローグはズルズルと後ろに押し返された
香奈「(ヒートバズーカは効いてる…!)」
龍剣「もう一丁!!」
すぐに2発目を放った。だがバッドローグは素早くかわして龍剣に向かって真っ直ぐジャンプしてきた
龍剣「!!」
そして次の瞬間、バッドローグのパンチが龍剣に命中した
ドゴオオォン!
龍剣達5人の状況は一切わからず、団長達はただ信じる事しかできなかった
その期間、準備としてザンベル氷山に拠点を建てて武器と防具を完璧に揃えた。高低差のある地形を利用して、高い場所には固定砲を。低い場所には何通りものシミュレーションをして考えた、トラップを設置した
そして今、封印されたバッドローグのいるザンベル氷山の麓に、イオネット団長とランク5、4の全兵が集結していた。ただ、何故かその中にバンギックの姿は無かった
イオネット団長「ついにこの時がきたか…」
氷漬けにされたバッドローグを見つめる団長。そこにドルゼが歩み寄る
ドルゼ「団長、彼らがまだ到着しておりませんが」
イオネット団長「来るまで待機だ」
十分ほど待っているとこんな雪道の中なのに馬の足音が聞こえてきた
待機中の兵士たちは皆振り向き、その人物の姿を見て喜んだ
ドルゼ「バンギック!」
バンギック「遅れてすまない」
ドルゼ「お前、ここに来れたってことは仙羅洞を…」
バンギック「ああ、あんな薄気味悪い場所、さっさとクリアしたさ」
そう、なんと龍剣達よりも先に、バンギックは仙羅洞へ行きクリアしていたのだ
イオネット団長「一度目の経験が活かされたな」
バンギック「その話は忘れてくれ。それより、俺が遅れたのには訳がある」
ティアーノ「何だよ」
バンギックはあっちだと言わんばかりに、顔の動きで後方を示した
ザザザッザザザッザザザザ…!
雪を踏む音が安定しないリズムで近づいてくる。これだけで兵士達は5頭の馬だということがわかった。そして、あと5人となると残る人物は彼らしかいない
聖妖の森で修行を積み、仙羅洞をクリアして成長した龍剣達、異世界人5人だ
龍剣「すいません、遅れてしまいました」
美泉「時間はまだ大丈夫ですか!?」
壮助「バッドローグは!?」
見た感じでは、2ヶ月前とあまり変わったようには思えない
だが、誰しもが気付く。以前とは放っているオーラがまるで違うということに
ウォールグ団長「大丈夫だ。まだ開始時間は過ぎていない」
香奈「ふぅ。よかった」
汏稀「にしても、こいつがバッドローグ…でけぇ…」
イオネット団長「仙羅洞、5人共クリアしたようだな」
龍剣「はい」
イオネット団長「だが本番はここからだ。2ヶ月間の修行も、仙羅洞も、全てはコイツを殺るため」
5人はバッドローグを見つめる
龍剣「(こいつがバッドローグ…だけどどこかで見た事あるような気がする)」
美泉「団長、大砲とかいろいろありますけど作戦を教えてもらっていいですか?」
イオネット団長「今からそうしようとしたところだ。手短に話すからよく聞いておけ。バンギックも来てくれ」
龍剣達5人とバンギックに、解封後の作戦を伝えた
イオネット団長「だがあくまでこれらは兵達が生きていればの話だ」
団長の"生きていれば"という言葉に龍剣達はゾッとした
イオネット団長「時は満ちた。これよりバッドローグの解封作業に入る。5人はついて来てくれ」
5人「了解」
龍剣達5人はバッドローグのもとへ行く。5人がやられては勝ち目はないので、もしものために団長とドルゼが護衛につく
現場の緊張がままならない。1人1人自分の心音が聞こえている
ランク4の兵士は固定砲の発射準備を。ランク5の兵士は低地へ降りてトラップ付近で待機している
イオネット団長「いいな?封印を解いたらすぐに放れるんだ」
5人「はい」
バッドローグに、いや正確にはそれを覆っている氷に手をつける龍剣達5人。その氷は冷たいが、どこか暖かさを感じた
龍剣「(ものすごい力だ…)」
美泉「(触れただけなのに英雄の想いがわかる)」
壮助「(そっか、俺達をこの世界に連れて来たのはあなた達だったんですね)」
香奈「(全てはバッドローグを倒すために)」
汏稀「(その役目、きっちり果たしてやりますよ。5人は見守っていて下さい)」
女性2人の声[私達の意志は託したわ]
男性3人の声[信じているぞ、若き勇者達よ]
一瞬背後におりて来た何かが天に昇っていったような気がした
龍剣「封印を解きます!!!」
5人は火山の力を練り、手の平から放った。バッドローグを覆っていた氷はみるみる内に溶けていく
バッドローグ「ウウ……ウウウ…」
まだ氷は残っているのだが、ごくわずかにバッドローグは動きだす
イオネット団長「まだだ、もう少し溶かせ」
慎重に力をコントロールして、少しずつ溶かしていくと、パチンコ玉のように艶のある鉄体があらわになっていく
バッドローグ「ウウウウウウ!」
イオネット団長「よし!止めろ!」
まだ氷は完全に溶けていない。だが団長の指示によりそれを止めた。そして7人はすぐにバッドローグから離れた
なぜ氷を残したかというと、向こうが自力で氷を壊すと踏んだからだ。完全に封印が解けた時にバッドローグが目の前にいるのと遠くにいるのでは明らかに違う。そこを団長は狙ったのだ
バッドローグ「コロ……ス…」
パキパキパキ…パリン!パリン!
徐々に壊していき、残るは地面と脚を繋ぐ氷だけとなった
イオネット団長「固定砲用意!」
高地にある全ての固定砲の発射準備が完了した
そしてバッドローグの左脚の氷が壊れたところで、ついに攻撃が始まる
イオネット団長「撃てえぇぇ!」
ボン!ボン!ボン!…!!
一斉に砲弾が飛んでいく
バッドローグ「ウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
バッドローグの咆哮により砲弾は全て勢いを殺されて、真下に落下した。この砲弾は爆発性のものではないため、誰にも被害は出なかった。それと同時に、バッドローグを縛っていた氷が完全に壊れた
龍剣「なんつう叫びだ…」
イオネット団長「続けろ!撃てえぇ!!!」
怯まず2発目、3発目の砲弾が放たれる。今度は阻止されずに全てバッドローグに命中した。が、低めの金属音が響くだけで、バッドローグは無傷だ。痛みもせず怯みもせずバッドローグは真っ直ぐ歩いてきている
イオネット団長「(これほどの硬度なのか…)砲弾変換!爆砲弾で直ちに撃て!!」
固定砲班「了解!!」
団長の指示通りに動き、爆砲弾でバッドローグを攻撃した。だが、爆発性のあるこの砲弾でもダメージを与える事ができなかった
イオネット団長「(これでも傷1つ付かないのか)」
龍剣「美泉!弱点はないか!?」
火山の力、ゴーグルで弱点を探る美泉
美泉「嘘でしょ…どこも光らない。弱点がない…」
龍剣「なっ…」
すると、ゆっくり歩いていたバッドローグは急に走りだした。その方向は低地で待機している団長達の方だ
壮助「こっちに来やがった!」
イオネット団長「落ち着け!まだ待機だ!」
身長約30mもある鉄の人間が走ってくる姿はド迫力だった
低地にいるトラップ班は全員ハンマーを装備して待ち構える。そして、先頭にいる団長とバッドローグの距離が20mまで迫ったとき、仕掛けていたトラップが発動した。雪の下に設置しておいた装置から無数のワイヤーが発射され、バッドローグの全身に巻きついて動きを止めた
バッドローグ「ウウウ…」
イオネット団長「攻撃開始!!」
団長も含めトラップ班全員がハンマーで殴りかかる
ティアーノ「くたばれ!」
マルス「おぉら!!」
ランク5の全兵がボッコボコに殴っているのだが、はたまた傷が付かない。だが、ダメージはわずかに与えられているようだ
バッドローグ「ウウウゥ……」
ミシミシミシミシ…!
かなり強度の高いワイヤーなのだが、1、2分経った今、既に引き千切れそうになっている
イオネット団長「総員離れろ!そして龍剣!」
龍剣「準備できてます!!」
龍剣はヒートバズーカを撃つ寸前のところでキープしていた
バッドローグ「ウオオォ!!」
バッドローグを縛っていたワイヤーが全て千切られた。そして再びこちらへ向かって走り出す
イオネット団長「撃て!」
龍剣がヒートバズーカを放った。それはバッドローグの腹に命中し、バッドローグはズルズルと後ろに押し返された
香奈「(ヒートバズーカは効いてる…!)」
龍剣「もう一丁!!」
すぐに2発目を放った。だがバッドローグは素早くかわして龍剣に向かって真っ直ぐジャンプしてきた
龍剣「!!」
そして次の瞬間、バッドローグのパンチが龍剣に命中した
ドゴオオォン!
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