SNS仲間で異世界転移

浪村

第6章 14話 成長

シリア王国での任務を終えて一週間が経った 

この日は龍剣達5人が掃除当番なので深夜の本部で掃除をしていた

龍剣「まさか火山の力より先に砂漠の力を使うなんてな」

美泉「私も出来るなんて思わなかったよ」

香奈「あの巨人、凄い迫力だったね。ってか誰だったの?」

壮助「そうそう、誰なんだ?」

汏稀「(何の話かさっぱりわからん)」

龍剣「有名な人だぜ。世界を1周したって。ほら、聞いたことないか?コロンブス」

香奈「あー!あれがコロンブスなの?」

龍剣「そういえばさ、俺もあの時、砂漠の力を使えるようになったんだぜ」

美泉「えっ!龍剣も?」

龍剣「あんときは集中切れだったんだけどな。ちょっとやってみるわ」

少し間が空いて、龍剣の指輪はハンマーへと変わった

美泉「本当だ」

香奈「そのハンマーはどんな力があるんだ?」

龍剣「地道書を見てみないとわかんないなぁ」

すぐに指輪に戻して壁を拭き始めた

龍剣「汏稀、サボってないでちゃっちゃと終わらせるぞ」

汏稀「ほいほーい」


順調に今日の分の掃除を終えて解散した

そして昼。今日は仕事がない5人。壮助・香奈・汏稀はケンクールマーケットに出かけた。龍剣はまだ寝ていて、美泉は自分の部屋の掃除を終わらせたところだった

美泉「掃除ばっかりしてるなぁ今日は」

鼻歌交じりに手を洗って、化粧台の引き出しから自分と龍剣の部屋のカギを取り出した
部屋を出て隣の1008号室に入る

美泉「まだ寝てるのー?ほんとに寝坊助なんだから」

龍剣「zzz…」

美泉「ふふ。龍剣の寝顔って可愛い」

その後5分ほど龍剣の寝顔に見とれていた美泉。ふと我に返り、寝ている龍剣の体を揺する

美泉「ねぇー、龍剣起きてよー」

龍剣「んんー…なんだよ一体」

美泉「ちょっと付き合って欲しいことがあるの~」

龍剣「いいけどもうちょっと寝かせてくれ…」

美泉「あと何分?」

龍剣「30分だけ…」

美泉「わかった。じゃあ30分待ってあげる」

そう言いながら平然とした顔で布団に潜り込む美泉。眠たい龍剣は目を閉じたまま当然の事を言う

龍剣「……なにしてんの」

美泉「暇だから私も寝るの」

龍剣「俺達、異性なんだからそういうの考えろよな…」

美泉「いいからいいから、気にしないで」

龍剣「ったく…」

美泉に背を向けて再び眠りについた

龍剣が寝ているのをいい事に、さりげなく後ろから抱きつく美泉。次第にまぶたが下りて気が付けば眠りについていた

1時間後。寝ているときに寝返りをうったりしていたため2人は向き合い、かるく抱き合う形になっていた。そして2人同時に目を覚ました

龍剣「ん………」

美泉「ん…なあに…?」

龍剣「…うわっ、ご、ごめん!」

美泉「なんで謝るのよ」

龍剣「だって美泉に……」

美泉「えっ?まさか変な事した?」

龍剣「いや、それは違うけど。抱きついちゃってたからさ…」

美泉「なーんだ、そんなことか」

心とは裏腹にサバサバした態度をとってしまう美泉

美泉「まぁ前にも抱きつかれたからねぇ~、龍剣には」

ニヤニヤしながら龍剣をからかう

龍剣「あ、あの時は!あの時はだな……」

弁解する言葉も思いつかず、おとなしく降参した龍剣。その赤くなった顔を見てクスッと笑い、美泉は布団から出た

龍剣「ってか何か用事があったんじゃないの?」

美泉「うん、練習っていうか修行に付き合ってもらおうと思って。火山の力を使えるようになりたいから」

龍剣「そういうことか。なら支度してネールの森近くの空き地に行こう」


数十分後。2人は動きやすい服に着替え、空き地に移動した


美泉「ねぇ、火山の力ってどんな感覚なの?」

龍剣「そうだな……なんかこう、ボワッて感じ」

美泉「わかんないよそんなの」

龍剣「ならちょっとやってみるから」

指輪が赤く光り、双銃がバズーカに変わった

美泉「ええー!どうやったの?」

龍剣「だから火山みたく熱い感情をバァーって出す感じだよ」

美泉「私そもそも火山に行ったことないよ」

何回も試してみるが、誤って緑の魔法陣に変化したり、杖に変化したりとなかなか上手くいかない

美泉「やっぱ簡単にはできないよね」

龍剣「ちょっと手貸して」

美泉「へっ!?ちょっと」

黙って美泉手を握り、火山の精神力を練った

龍剣「どう?これならわかる?」

美泉「えっ、あ、うん。これが火山の地力なんだ…」

美泉が感覚を理解すると龍剣は手を離した

龍剣「やってみな」

美泉「わかった」

目を閉じて集中する美泉。すると次の瞬間、ネックレスは赤い光を放ち、その光が美泉の顔に移動した

美泉「きゃっ!」

光は次第に形を現していき美泉の顔、いや正確には両目を覆い隠すゴーグルになっていた

龍剣「おぉー、できたじゃん」

美泉「何これ、変な感じ」

美泉はゴーグルを付けたり外したりしている

龍剣「何が見える?」

美泉「ん~とねぇ。例えば龍剣だったら体の所々が光って見える」

龍剣「どういうことだよ」

美泉「ちょっと待ってね」

持ってきた異力書を読み返す

美泉「ふむふむ、なるほどね。確かに火山の力は"破壊"だね~」

龍剣「勿体ぶってないで、教えてくれよ」

美泉「じゃあちょっと動かないで」

龍剣の身体をゴーグル越しにまじまじと見つめる。そして美泉は龍剣の鳩尾みぞおちにパンチをした

龍剣「痛って!何すんだよ」

美泉「ごめんごめん。あとこことか」

キーン!

美泉が龍剣の金的を蹴り上げた

龍剣「ぐぉえ!」

変な声を上げて股間を抑える龍剣

美泉「これがこのゴーグルの効果だよ。わかったでしょ?」

龍剣「うう……急所、弱点が見えるって訳ね……それにしても痛い…」

美泉「ああごめんね!立てる?」

龍剣「もうちょい待って…」

その後砂漠の力も練習して、2人で食事に行った

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