SNS仲間で異世界転移

浪村

第3章 2話 騎士団としての初仕事

ここはアンチャード・レイク地区、ファリアス邸。汏稀と壮助が家主のドイル・ファリアス氏の依頼で除草をしていた

壮助「なあ、汏稀」

汏稀「……………(黙々と除草中)」

壮助「なあってば」

汏稀「なんだよ、黙ってできねえのか」

壮助「ここの庭、ファリアスさんの家だっけ?無駄に広くねえか?」

汏稀「そんなの気にしててどうすんだよ。俺らは騎士団だぞ?何でも任された事やるのが仕事だ」

壮助「かってぇな、お前は…」

それから20分後、ファリアス邸での汏稀と壮助の除草活動は終わった。この後もう1件、隣地区のセランサ邸に向かう

壮助「除草終わりましたー」

ファリアス氏「おお、だいぶ綺麗になったね。助かったよ」

汏稀「それでは、私達はここで失礼させていただきます」

2人は依頼人のファリアス氏に一礼して隣地区の依頼もこなし、帰路に着いた




一方こちらはケンクールマーケット。センテッドから徒歩20分程離れた大型市場だ

香奈「こんな平和そうな市場で警備って、何すればいいんだろ?見回り?」

美泉「うーん………万引きの取り締まりとか、なのかな?」

などと、2人で喋りながら巡回していると

市場の卸売業者「トンバラの万引きだー!誰か捕まえてくれー!」

と、後ろから叫び声が聞こえた
2人が振り返ると、あの金目鯛にも匹敵する高級魚、トンバラを片手に持った男性が走ってきていた

香奈「わ、ホントに事件起こった(小声)」

美泉「関心してる場合かバカ(小声)
止まりなさーい!騎士団です!」

美泉が叫んで片手を出すと、男性は驚いた顔で足に急ブレーキをかけた 

トンバラを盗った男性「え、あ、え、えーと………」

美泉「魚類(トンバラ)の万引きですね。えーと…この場合の刑法は…」

パラパラ…と、美泉が予めティアーノから貰っていた『刑法書』で『魚類 万引き』に関する箇所を探す

美泉「あった。えーと…魚類を万引きした場合、その場で店主と各示談もしくは、騎士団本部に連行の上10万ノーム以下の罰金もしくは12ヶ月以下の禁錮刑、又はその両方が課せられますけど、どうしますか?」

美泉が男性に敢えて冷静に聞いた

万引き男性「…はい、示談で済ませます」

香奈「分かりました。では騎士団の制裁課の者を呼ぶので、ここで待っていてください」

その後、騎士団の制裁課の兵士に男性を引き渡したところで2人の依頼時間は終わり、センターポールへの帰路に着いた




そしてこちらは、ウェストアーチ近郊の工事現場。龍剣が歩行者の誘導を行っていた。すると、工事現場の隅の防護柵がかかった林から、ガサガサガサガサ…と、物音がした

龍剣「ん?なんだろ…監督ー!」

現場監督(キツネ男)「なんだ?」

龍剣「今、あっちの防護柵から物音がしたんすけど…」 

現場監督(キツネ男)「物音ー?防護柵張ってあんだから、そんな音する訳ねえだろ。睡眠不足なんじゃねえのか?」

と、笑いながら行ってしまった

龍剣「睡眠不足…だといいんだけど…」

そうこうしてる内に時間は過ぎ、依頼内容の1時間半が経った

龍剣「では、依頼時間の間誘導を行ったので失礼いたします。お疲れ様です」

一礼して、龍剣はセンターポールへの帰路に着いた

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