SNS仲間で異世界転移

浪村

第1章 4話 気付いたらここに居た…

龍剣「ん………ここは?」

俺は気付くと白い霧の中に居た

龍剣「あれ…さっきまで5人でカラオケに居たはず…じゃない!みんなは!?」

辺りを見回すが、霧が濃くて姿は1人として確認できない

龍剣「おーい!汏稀!壮助!どこ行ったんだろ…香奈!美泉ー!」

方角もわからずに歩いていると、あんなに濃かった霧がいつの間にか晴れて、少し広めの「森の広場」っぽい所に出た。と、その広場の中央の大木の麓にさっき会ったばかりの面々が…

汏稀「お、最後の1人が出てきたぞ」

と、汏稀の一言に喋っていた女子陣と辺りを見回していた壮助が振り向いた

龍剣「みんな、ここに居たのか。てか、ここはどこだ?」

壮助「知らねぇ。俺らも気付いたら霧の中に居て、ここまで歩いて出たんだ」

壮助の簡易的な説明に他の3人も頷いた

龍剣「そっか…」

と、大木が先程のデンモクの様に光り出し、修道服姿の1人の青年が現れた。そして口を開いた

謎の青年「ようこそ諸君、我が世界へ」

龍剣「は?『我が世界』だと?」

壮助「ここはあんたの世界なのか?」

謎の青年「厳密に言えば、違う。この世界にも、君らが居た世界のように偉い者も貧しい者も居る。しかし、この世界を作ったのは私だ。ただそれだけの事さ」

何の躊躇い無しにそう説明した

汏稀「じゃあ、さしづめあんたは…この世界の『神』ってところか?」

あくまでも冷静に汏稀が聞いた

壮助「おい、汏稀。お前バカか?神がこんなに普通に居るわけ…」

謎の青年「ああ、そんなところだ」

壮助「いや、合ってるんかい」

龍剣「んで、神様が俺らに何か用でも?」

すると、青年(神)は急に慎重な面持ちになって

青年(神)「簡潔に言おう。この世界を救ってほしい。この世界はこの先、壊滅の危機に瀕する」

と伝えた

壮助「は?この世界を…救えだって?」

青年(神)「そうだ、頼む。もちろん、丸腰で始めさせて『ではお願いします』とは言わん。この世界に合った服や装備・貨幣はある程度支給する」

龍剣「いや、そういう問題じゃなく…」

汏稀「面白そうだ…キラキラキラーン」

戸惑う龍剣を尻目に、汏稀はヲタクeyeをカラオケの時より一層輝かせている

青年(神)「よし、しかと頼んだ。これがこの世界の環境に適応した服と貨幣だ。着替えた者から私に言ってくれ。装備を渡す」

そう言うと人数分の麻袋を置き、中央の大木の麓に座って水晶とにらめっこを始めた

龍剣「しゃあねえな…みんな、いいか?」

香奈「うん、いいよ」

美泉「面白そう」

壮助「よくないと言ったところで、何も無いだろ」

龍剣「汏稀は…聞くまでもなさそうだな」

汏稀の方を向かずとも喜びのオーラを感じ取って龍剣が言った

香奈「じゃあ、ウチらはあっちの茂みで着替えてくるね〜」

龍剣「オッケイ、あまり遠くには行かないようにな〜」

美泉「あんたは保護者かって‪w」

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