神様にツカれています。
第一章 10
「10月の昔の言い方を知らないのか。まあその辺りは想定内だが。昔は神無月と呼ばれていて、出雲に神様が……ああ、今の島根県出雲大社という大きな神社が有るのだ。そこに神一同が集まる月なのだが、その集会の名前を現代風にしようというグレードの高い神達の意見でそう決まった。サミットのパクり……いやいや、オマージュだ。最近はどれだけ他の本の内容をパクっても、イヤなヤツと皆に嫌われていた主人公が結局は皆に愛されていたという点がクリソツでも作者が『オマージュです』と言い張ればそれがまかり通る!」
サミットって、確か大きな国の大統領とか総理大臣とかが外国のどっかで集まるヤツだろう。その程度のことは誠司にも分かったが、オマージュが分からない。ただ、もう聞く気力も失せた感じだった。しかも「クリソツ」って死語のような気がする。
誠司の通う大学は山の上に有るので坂道がキツいということもあったし。ちなみにJD《じょしだいせい》は講義が終わったらK阪電鉄の特急まで停まる駅が最寄駅だけに、夜遊びとかデートとか用にハイヒールの靴を持ち歩いて大学にはぺったんこの靴を履いて上ってきているらしい。講義中は爆睡して休み時間には滅茶苦茶元気な友達の神部幸喜の証言だった。真っ赤な髪の毛に鼻・唇ピアスという外見が物語っているように派手に遊んでいるというウワサの持ち主でもある。
「で、遅刻寸前なのに老婆に声をかけて安全を確保したり、ファミレスの駐輪場を頼まれもしないのに整理したりする誠司君の無私の精神に感動した!故にワシのささやかな願いも聞いてくれるのではないかと……。いや、聞くだろう、絶対に!!」
唾を盛大に飛ばしながら熱弁をふるう麻神様は相当追い詰められているらしい、カミットとかに。
「参考までに次の画像じゃ」
「ああ、これは教科書で見たことがありますねー。で、授業中暇だったのでメガネとかヒゲとか鼻毛とか描いて遊んだ……。いやそれはどうでも良くて。えと、室町、いや平安……。まあともかく武士の一番偉い人ですよね?」
麻神様は、蔑んだ眼差しで誠司を見た。自分だってそういう目で見られるのを嫌がっていたハズなのに、勝手なヤツ、いや神様だ。
サミットって、確か大きな国の大統領とか総理大臣とかが外国のどっかで集まるヤツだろう。その程度のことは誠司にも分かったが、オマージュが分からない。ただ、もう聞く気力も失せた感じだった。しかも「クリソツ」って死語のような気がする。
誠司の通う大学は山の上に有るので坂道がキツいということもあったし。ちなみにJD《じょしだいせい》は講義が終わったらK阪電鉄の特急まで停まる駅が最寄駅だけに、夜遊びとかデートとか用にハイヒールの靴を持ち歩いて大学にはぺったんこの靴を履いて上ってきているらしい。講義中は爆睡して休み時間には滅茶苦茶元気な友達の神部幸喜の証言だった。真っ赤な髪の毛に鼻・唇ピアスという外見が物語っているように派手に遊んでいるというウワサの持ち主でもある。
「で、遅刻寸前なのに老婆に声をかけて安全を確保したり、ファミレスの駐輪場を頼まれもしないのに整理したりする誠司君の無私の精神に感動した!故にワシのささやかな願いも聞いてくれるのではないかと……。いや、聞くだろう、絶対に!!」
唾を盛大に飛ばしながら熱弁をふるう麻神様は相当追い詰められているらしい、カミットとかに。
「参考までに次の画像じゃ」
「ああ、これは教科書で見たことがありますねー。で、授業中暇だったのでメガネとかヒゲとか鼻毛とか描いて遊んだ……。いやそれはどうでも良くて。えと、室町、いや平安……。まあともかく武士の一番偉い人ですよね?」
麻神様は、蔑んだ眼差しで誠司を見た。自分だってそういう目で見られるのを嫌がっていたハズなのに、勝手なヤツ、いや神様だ。
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