追憶

さくら

疑惑


8月は充実させたままあっという間に過ぎてしまって名残惜しく9月に入っていた。


名残惜しさから夜遊びは続けている。
その日は“ちか”と会う日だ。
2人でベロベロに飲んでクラブへ向かった。

朝までコースだ。
フラフラで家に帰ってそのまま爆睡。
もちろん、涼太さんには内緒で。


昼前に起きると“たく”から着信があった。


他、知らないアドレスからもメールが1件。昨日クラブで出会った男の子にアドレスを教えてしまったからだ。毎回相手の連絡先を受け取るだけだったが、少しタイプだったから教えた。
彼がいるけど。。と、いつ別れても遊べる相手がいればなって保険をかけた私がいた。


とりあえずたくへ折り返し電話する。

《おい!何してんねん!》

「ね、寝てた。二日酔いや」

《またクラブか!笑     尻軽女!!》

「いや、遊んでたダケで尻軽なことはしてないから。。」

《まぁそんなんどーでもえぇわ。今暇やろ?!》

「は?!なんでよ」

《ちょ、病院付いてきて!一人で行けへんねん!》

「ガキか!笑」

《1時間後に出るぞー!俺の家集合な!ほな!》

「え?!ちょー!」

ブツ


こんなグタグタの顔で行けるかー!クマできてっし!涙


急いで飛び起きたが頭がボーッとする。
なんとか体に鞭打って軽くメイクをしてマスクをして家を出た。




たくの家に到着し、たくの車に乗り込んだ。


『よ!すまんな!』

「すまんなちゃうしよ。。笑」

たくは社会人サッカーをしていて、身体のどっかを痛めたらしい。笑
その診療の予約が午後からで、それに何故か同行させられたのだ。暇人だと思って誘ってくる奴だ。しかし、根はとても良いやつだ。


『クラブ行って何してたん?』

「何もしてないで〜?彼氏への腹いせやで。笑」

『おっさん彼氏やろ?笑』

「まぁ、おっさん。。間違いではない。笑笑。けっこう、色々考えると謎だらけなんよなー。。」

『ワシが聞いちゃろ!!』


たくがそう言うから、正直に全て話した。







『んー。それは黒やな!』

「げっ!やっぱり?」

『そんな都合の良いことある?笑』
『お前遊ばれてるだけちゃうの?』

「んー。。そうやろか。。」

『男ってそんなもんやで。俺もアホやから難しい事は言えへんけど、話し聞いてるとオカシイなって思うけど』

「うーん。。」

『えーやん!相手おっさんで、俺らまだ20代やで?遊んだるくらいの勢いでいたらえぇねん!いくらでも出会いはあるからな!』


たくという味方が有り難く思えた。



その後、無事たくの診察を終えた。
たくは喫煙所で一服していた。

病院内の喫煙所は外だ。
9月はまだジリジリと暑い。
たくは誰かと電話してバーベキューの話らしい事で盛り上がった後電話を切った。

『今バーベキューしてるらしいで行くぞ!』

「はー?!笑   帰らへんの?!」

そう言うのを無視してあっさり自分の車へ歩くたく。追いかけ車へ乗り込んだ。


途中コンビニへ寄り酒を大量に買い込み湖沿いのキャンプ場へ到着した。

時刻は15時。


到着すると知った顔触ればかり。
高校の仲の良い同級生が男女で集合していた。



なぜがちかとみずなもすでに到着していた。笑


「皆いつから来てたん?!」

『さっきー!強制やったんやもん!』
ちかとみずながブーブー答えた。



たくが口を割って入る

『そんな事つべこべ言うてんと飲むぞー!』

缶チューハイを無理矢理持たされた。

ショウという男友達が
『おっ!桜ちゃん飲む気満々やん!ほなカンパーイ!!』


みずなもちかも同じように渋々乾杯へ参加。

高校の同級生ばかり。10人ほど。何だかんだしょーもない話しで爆笑して楽しい時間を過ごした。






楽しい時はそれで良かった。けど、ギャーギャー騒ぐうわべの中で涼太さんが“黒”だと言うたくの言葉が離れなかった。

それさえ無ければ100パーセント楽しめたはずだった。






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