追憶

さくら

内緒


涼太さんと付き合って一年が経ち
ムシムシと鬱陶しい季節が近づいていた。


この頃からだろうか、彼が待ち合わせの時間に遅れてくることに少しずつ“不満”が溜まっていた。それでも彼を責めることはせず我慢していた。







私は高校の男友達とも仲が良かったから
時々皆で集まって飲みに行く事があった。


この日は高校の同級生とその後輩の男女で他府県へ飲みに出ていた。

場所は歓楽街。
メンバーは

“たく”と“こうた君”その後輩“はやと君”

“みずな”と“ちか”


たく、みずな、ちかは同じ高校であるが
他の男の子二人はたくのツレである。


すでに二軒目を満喫した私たち。
もう23時半を過ぎた。
思い出したようにたくが提案した。

『どこ行くー?!久々クラブでも行くか!』

こうた「えぇやん!久々やなー!」

私「クラブて行ったことないわー」

みずな「私も無いよ?」

ちか「ウチも行ったことあるけど、一回だけかな」

はやと「えー!けど俺だけ未成年なんすけど!」


ノリで行く事が決まった。

しかし、問題が一つ
たくの後輩は1つ歳下。20歳からしか入場出来ない。

たく『とりあえず行ってみてあかんかったら考えよ!』


そうして6人でクラブへ向かった。

受け付けで身分証を提示した。
私達の間に19歳のはやとを通そうとしたが

“入場はご遠慮下さい”


と跳ね返された。

えっ!どーする!?

と皆で顔を見合わせたが、、


たく『今更行かへんのは空気悪すぎるぞ!!まぁまぁ、女の子は先に行っといて』


はやとを連れてどこかへ消えていった。

わたし達3人は店内へ。
地下に降りていくと未体験の世界。


爆音で流れる音。
暗闇でチカチカまわる照明。

受け付けで貰ったワンドリンクのチケットでお酒を注文し、3人で腰かけ
とりあえず、たくとこうた君を待ってみた。

涼太さんに黙って来てしまったけど。。まぁいっか。。


心の中でそう言い聞かせていた。


10分もしないうちにたくとこうた君が店内へ入ってきた。

たく『しゃあないし、あいつ帰らしたわ!笑』

ちか「え?けどもう終電ギリギリちゃうかった?」

こうた君「二人でタクシー代渡して帰らしたったわ!笑」

みずな「まじでー?!男前やねー!」

たく「ちょいちょい!もうそんなんどうでもえぇねん!お前らみたいしょーもない女といたら可愛い子寄ってこぉへんやんけ!」

女子『は?!酷くない?!笑笑』

こうた君「今のは腹立つよなー?笑」

たく「こうたも思ってるんちゃうんけ?行くで〜」

たくはこうた君の肩に腕を回し慣れた足取りでフロアへ向かって行った。

時刻は0時を回ろうとしていた。
徐々にお客さんが増えていたのが分かった。

私たち女3人はまだ完全に酔いきれずカウンターでお酒を飲んでいた。


しかし、ここはクラブである。
ナンパは当たり前であって、次から次へと男の子が声をかけに来て、、

人生のモテ期かって思うくらい声をかけられる。クラブマジックだ。


20歳の私たちは歳上達ののターゲットだったはず。

テキーラボールやテキーラのショットを奢ってもらい飲み干した。

他にもカクテルを次から次へとご馳走になった。


連絡先教えて?

何人かに言われて、彼に見つかってはいけないからと男の子の連絡先を聞いて

また連絡しますね

とだけ告げていた。




酔いがまわってくると声をかけてきた男性とフロアへ出た。体を密着させて音楽に合わせて飛び跳ねた。

『初めてなの?』
「うん!初めて!」
『適当に楽しんだらいいよ!』

耳元で大きな声で話す相手。顔は。。まずまずだな。


その様子をたくとこうた君が面白そうに眺めていた。しっかり女の子をつかまえて。

みずなとちかもそれぞれ男の子を捕まえていた。最初は3人で行動していたがいつのまにか個人戦になっていた。



まぁまぁ酔ったまま楽しくって結局閉店まで居た。店を出ると辺りは明るい。


なんだか二日酔いである。

ふらふらと駅へ向かう。
しかし、まだまだ20歳の私たち。二日酔いなんて余裕って感じ。

何だかんだで昨夜の話しをネタにしながら地下鉄へ乗り込んだ。


ふと携帯を見た。


昨日一軒目を出た時から携帯は開けていなかった。




涼太さんからメールがきていた。


22:30お疲れ様。今日は友達と飲みに行ってるんだよね。飲み過ぎないようにね。

00:12 僕は今仕事終わったよ。忙しかったー!また連絡してね


こんな夜中まで仕事だったのか、忙しいんだな。。この人。


>おはようございます!遅くまでお仕事やったんですね。ウチはすっかり飲み過ぎてオールしてしまいました。帰ったら寝ますね!今日もお仕事頑張って下さい。




7時前に帰宅した。

シャワーを浴びてメイクを落として
バタンキューって感じでベッドにダイブ。

目を瞑ると涼太さんの顔が思い浮かんだ。

嘘ついてしまった。。
そう反省しながらそのまま眠りについてしまった。


この日から数ヶ月後
定期的に嘘をついて内緒でクラブへ夜遊びするとは想像もしていなかった。



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