追憶

さくら

現実


初めての仕事は幼稚園のバス遠足だった。
手書きの落書き帳に動物や人気キャラを描いて、ナゾナゾを作ったり、歌を歌って手遊びしたり。

可愛い子供達の姿にあっという間に時間を忘れて仕事に取り組む事が出来た。

慣れてくると自社が販売しているパッケージツアーや定期の紅葉ツアー、老人会や町内会、会社の慰安旅行に添乗する事もあった。
仕事がつくたびに「え?!ここどこ?!」とベテラン先生に電話をして資料に目を通し、案内ができる様に勉強した。

秋は旅行シーズンで仕事は多い。
ましてや、私の会社はほぼ他府県へ出かける仕事なのでガイド一年目の私は地理や観光地案内など、まだまだ分からない事だらけだ。
資料や案内出来る内容が頭に入らない時は徹夜で勉強していた。
辛くて泣いてしまう事もあった。

「なんでバスガイドになんかなったんやろ?」と、愚痴をこぼす事が増えていた。

最初の1年はアタフタしながら、失敗しながら、怒られながらバスガイドの現実を見ていた。




「追憶」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く