追憶

さくら

私の進路


私は普通の県立高校に通っていた。
小中高と一緒にあがってきた翔子という女友達とは同じ町内であり、毎日一緒に通学していた。

翔子『進路どうする?』

「んー。。やっぱり就職やんなー」

と、進路相談の一室で求人を眺めていた。
私は専門学校は諦めた。それなら就職だ。

中学の頃職場体験で高齢者の利用するグループホームへ行った事があり、とてもやりがいのある仕事だと感じた。4つ上の姉もホームヘルパーとして大阪で働いていて、福祉に従事している事を誇りに思っていた。
だから、第二希望としては介護職を考えていた。
しかし求人を見て驚く。なんて低賃金なんだ!!

「有り得へん!さすがに低すぎる気がする。。」

ため息をつきながらペラペラファイルをめくっていくと“職種 バスガイド”という文字が目に入った。介護より給料も良い。

接客に興味はあった。グランドスタッフになれないなら、バスガイドとしてキラキラ輝けないだろうか?
高校生の私はそんな気持ちになった。

私は
「翔子!ウチここ受けようかな?!」
と声をかけた

翔子『ウチも見てた〜!一緒に行く?!募集人数もうちの高校から2人やし!』







その日の夕方、両親に相談すると2人とも笑顔で頷いてくれていた。
「華のある仕事やん!いいんちゃうか?」と。


介護職についても相談はしてみたが、姉の仕事内容を聞いたりしてると、勧める気にはなれなかったそうだ。



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