魔勇王者~魔王は勇者であり、勇者は魔王である~

私氏

逃亡する勇者

「おい!ここから出せ!」
俺は叫んだが返事は無かった
なんでだ。なぜ俺は罪を着せらせた?何か恨みを買うことをした?俺がいることで何かしらの不利益が?
自問自答を繰り返すが一向に答えが出ない。なぜだどうしてだの繰り返し
「ちくしょう……!なんでなんだ…」
薄暗く湿気った地下牢では考えもまとまらない
しばらく俯いていると一つの足音が近づいて来た。
「おい起きろ。面会したいと言うのが来ている」
俺に会いたいとか物好きだな
俺は立ち上がって歩き出した。少し歩き面会室に行くとそこにはメナトがいた。
「クロム様…」
「メナトか…どうした…」
メナトは俯いていて、小刻みに震えていた
「クロム様…なぜこんなことに」
「違うんだ俺はやってない」
俺はこれしか言えることは無かった
「本当ですか?」
「本当だ」
俺はメナトの目を真っ直ぐ見て答えた
「そうですよね私はクロム様を信じます」
そう言うとメナトは部屋中に響き渡るように叫んだ
「スリープ!」
部屋の兵士達は眠ってしまった
「さあ!クロム様逃げますよ!」
「逃げたところでどこへ行くというんだ?」
「生きて生きればどこに行っても生活できますよ!」
俺は手を引っ張られて走り出した



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