魔勇王者~魔王は勇者であり、勇者は魔王である~

私氏

大罪人の勇者

「勇者!起きろ!」
なんなんだ朝からやかましいな。俺はもう少し眠ってたいんだよ 
「なんだ?用件なら後にしろ」
「黙れ!この罪人が!」
「は?」
大罪人の意味が分からなかった。なぜ急にそんな呼ばれ方をしなければ行けないんだ?
「罪人ってなんだ?」
「いいから来い!抵抗はするなよ」
ちっ朝から冤罪で呼び出されるとはな。まあなんかの妬み嫉みだろ。たまにあるからなー陥れようとするバカなやつが
俺はそんなことを考え着替えていた。
着替え終わったら兵士に手錠を付けられ剣と装備を取られた
「何をする!離せ!」
「黙れ!国王がお呼びだ!」
俺は強引に引きずられるような形で国王の間に連れていかれた
中に入ると王子であるアレスが玉座に座っていた
「来たな罪人」
「アレス王子!これはどういう事だ!」
俺はアレスに叫んだ
「貴様には父上の暗殺の容疑がかかっている」
は?
何を行っているのか分からなかった。
俺が国王を殺した?なぜそうなった?
俺は混乱で声が出せなかった
「父上が殺されてしまったので、いまは俺が臨時で国王の代わりをしている。反論がなければ貴様に刑罰を言い与えるぞ?」
「ちょっと待ってくれ!俺は国王を殺してないぞ!」
「そう言うと思ったぞ。おいあれを持って来い」
アレスは兵士にそう言いつけると、兵士は走って瓶に入った薬品を持ってきた
「これはな王族の血に反応する特別な薬だ。本当は王族同士の婚約時に王家であることを証明するためのものだが、こういう使い方もある」
そう言うと俺の装備に薬をかけ始めた
少しすると俺の装備から青く光る紋章が出てきた
「見ろこれは我が王家の家紋だ。これが出てきたと言うことはどういうことかわかるか?」
なぜそんなものが?俺は昨日疲れて眠ってたはず
おれは俯いて理由を考えていた
「黙っているということは認めるのだな」
「待ってくれ!俺はやってない!」
「黙れ!ここに証拠があるというのにまだ否定するか!」
アレスは俺がやったと断定している
「俺がなぜ国王を殺さなければならない。俺はやってないんだ」
掠れる声で訴えたがもう結果が覆ることはなかった
「もういい!罪人の言うことには耳は貸せん」
そういうとアレスは続けて
「お前は死罪だ、罪人よ。牢屋に連れて行け!」
「ちょっと待ってくれ!話を…」
俺は口を塞がれ、国王の間から連れ出された


「上手くいったな」
「そうですねアレス。良い演技でしたよ」
「なあに。カロスの今回の策があってこそよ」
「これで後は勇者様を処刑して、安寧になりますね」
「そうだな」

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品