転生学園~転生する前に学園に通いましょう~
第6話 璃子は変わった教師
教科書はまだ届いていないから今日の授業では隣の席の氷さんに見せてもらっている。
そこまで広くない机で一つの教科書を見合っていると少し肘が触れてしまうのは不可避だ。
氷さんが綺麗だからなのか、俺が氷さんに興味を抱いているからなのか、少し肘が触れるだけでも心臓のドキドキは止まらない。
俺は魔法使いだからそこはしょうがないのだろう。
「はい、そこの転校生君。せっかく教壇には美人で可愛くて若くて美しい教師がいるというのに、そっちのけで氷さんにデレデレとはいい度胸じゃないか」
二時間目の古典の時間。
俺は変わった先生に絡まれた。
周りの人の反応をみると諦めのようなものを感じるからこの先生はいつもこんな感じなのだろう。
そして、こういう場合は年齢のことは地雷のはずだから触れないでおく。
「すいません美人で可愛くて若くて美しい先生。初めてで色々と分からないところがあったので氷さんに聞いていたんです」
一応それらしい事を言ってみる。
なにも間違ったことは言っていないから問題ない。
俺が先生に言葉を言うととても弱い力でワイシャツの裾をちょこんと引っ張られる。
『璃子にそんなこと言っちゃダメ』
「どうして?」
無表情なのは変わらないけれど、なんとなく氷さんの真剣さが伝わってきて聞いてみた。
すると俺に見せていた手帳は机の上に置いて、ポケットからもう一つの手帳を取り出す。
パラパラとページをめくって目当てのページが見つかったのかそれをそのまま見せてくる。
『璃子はめんどくさい』
たった一文ではあるがその言葉が璃子先生の全てを物語っているのだろう。
そしてその言葉の意味を俺は体験することとなる。
「やだ~もう、転校生君ったらか わ い い♪ お姉さんの彼氏にならない? なんと、今なら古典の得点が満点になる特典付き!」
最後の言葉には俺の鉄壁の豆腐ハートが少し揺らいでしまった。
古典が苦手な俺には神の救いのような言葉だ。
思わぬ女神の登場に軽く頭がおかしくなっていると、またもやワイシャツの裾をちょこんと引っ張られる。
『頬が緩んでる』
相変わらず無表情で言われるから余計に気恥ずかしい。
「そ、そんなことないぞ? さすがに先生相手にそんな感情は持たねぇよ!」
動揺してしまった俺は少し大きな声を出してしまう。
その声はどうやら先生にも聞こえたらしい。
ピキンッ
そろそろ夏に差し掛かるこの季節。長袖では少し暑いと感じるはずなのに、何故か教室が凍ったように冷たく感じる。
「ふふっ」
先生は笑顔で俺を見つめてきた。
笑顔のはずなのに、先生の目は笑っていない。
「転校生君。放課後、ちょっと来てくれるかな?」
怒りがこもっているようなその言葉の原因が分からないでいると、またもや氷さんに袖をちょこんと引っ張られる。
『璃子に年齢の話はNG』
続けてもう一枚。
『先生相手にそんな感情は抱かない→もうすぐ30になるババアなんか眼中にねぇよ!(璃子の脳内変換)』
理不尽すぎる思考回路になんとも言えないでいた。
それと、この短時間でこんなに書く氷さんって何者?
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
タイミングが良いのか悪いのか。どうせならもう少し早く鳴って欲しかった。
具体的には最初に注意される前とか。
やばそうな雰囲気を何とかするべく、号令係が先生が口を開く前に、起立! と大きな掛け声をする。
それに合わせてクラスのみんなが一斉に立ち上がる。
礼!
再び大きな掛け声で礼をいい、強制的に授業を終わらせる。
助かったとは思ったけど、先生が逃がさないと言わんばかりに言葉を残す。
「転校生君、逃げちゃダメだぞ☆」
文字に起こせば星がついていそうな動きだが、俺には脅迫にしか思えなかった。
そこまで広くない机で一つの教科書を見合っていると少し肘が触れてしまうのは不可避だ。
氷さんが綺麗だからなのか、俺が氷さんに興味を抱いているからなのか、少し肘が触れるだけでも心臓のドキドキは止まらない。
俺は魔法使いだからそこはしょうがないのだろう。
「はい、そこの転校生君。せっかく教壇には美人で可愛くて若くて美しい教師がいるというのに、そっちのけで氷さんにデレデレとはいい度胸じゃないか」
二時間目の古典の時間。
俺は変わった先生に絡まれた。
周りの人の反応をみると諦めのようなものを感じるからこの先生はいつもこんな感じなのだろう。
そして、こういう場合は年齢のことは地雷のはずだから触れないでおく。
「すいません美人で可愛くて若くて美しい先生。初めてで色々と分からないところがあったので氷さんに聞いていたんです」
一応それらしい事を言ってみる。
なにも間違ったことは言っていないから問題ない。
俺が先生に言葉を言うととても弱い力でワイシャツの裾をちょこんと引っ張られる。
『璃子にそんなこと言っちゃダメ』
「どうして?」
無表情なのは変わらないけれど、なんとなく氷さんの真剣さが伝わってきて聞いてみた。
すると俺に見せていた手帳は机の上に置いて、ポケットからもう一つの手帳を取り出す。
パラパラとページをめくって目当てのページが見つかったのかそれをそのまま見せてくる。
『璃子はめんどくさい』
たった一文ではあるがその言葉が璃子先生の全てを物語っているのだろう。
そしてその言葉の意味を俺は体験することとなる。
「やだ~もう、転校生君ったらか わ い い♪ お姉さんの彼氏にならない? なんと、今なら古典の得点が満点になる特典付き!」
最後の言葉には俺の鉄壁の豆腐ハートが少し揺らいでしまった。
古典が苦手な俺には神の救いのような言葉だ。
思わぬ女神の登場に軽く頭がおかしくなっていると、またもやワイシャツの裾をちょこんと引っ張られる。
『頬が緩んでる』
相変わらず無表情で言われるから余計に気恥ずかしい。
「そ、そんなことないぞ? さすがに先生相手にそんな感情は持たねぇよ!」
動揺してしまった俺は少し大きな声を出してしまう。
その声はどうやら先生にも聞こえたらしい。
ピキンッ
そろそろ夏に差し掛かるこの季節。長袖では少し暑いと感じるはずなのに、何故か教室が凍ったように冷たく感じる。
「ふふっ」
先生は笑顔で俺を見つめてきた。
笑顔のはずなのに、先生の目は笑っていない。
「転校生君。放課後、ちょっと来てくれるかな?」
怒りがこもっているようなその言葉の原因が分からないでいると、またもや氷さんに袖をちょこんと引っ張られる。
『璃子に年齢の話はNG』
続けてもう一枚。
『先生相手にそんな感情は抱かない→もうすぐ30になるババアなんか眼中にねぇよ!(璃子の脳内変換)』
理不尽すぎる思考回路になんとも言えないでいた。
それと、この短時間でこんなに書く氷さんって何者?
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
タイミングが良いのか悪いのか。どうせならもう少し早く鳴って欲しかった。
具体的には最初に注意される前とか。
やばそうな雰囲気を何とかするべく、号令係が先生が口を開く前に、起立! と大きな掛け声をする。
それに合わせてクラスのみんなが一斉に立ち上がる。
礼!
再び大きな掛け声で礼をいい、強制的に授業を終わらせる。
助かったとは思ったけど、先生が逃がさないと言わんばかりに言葉を残す。
「転校生君、逃げちゃダメだぞ☆」
文字に起こせば星がついていそうな動きだが、俺には脅迫にしか思えなかった。
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コメント
美浜
優良物件だわw