転生学園~転生する前に学園に通いましょう~
第5話 隣の氷さんの不思議な会話方法
『こちらこそよろしくね、帯刀君』
何故か手帳の文字を見させられている俺は軽く混乱していた。
極度の緊張で人前では話せない人なのだろうか?
昨日会った時も、今日も、変わらず無表情のままで感情を読むのが難しい。というか一切分からない。
詳しいことは分からないけれど、とりあえず俺にはやらなければいけないことがあった。
「はい、これ。昨日落としたでしょ?」
そう言って俺は昨日拾った氷さんの生徒手帳を手渡す。
『ありがとう!( ≧∀≦)ノ』
スマホなどで打つことはあっても手書きで書く機会は少ない顔文字が女の子の文字らしく可愛く書かれていた。
氷さんの可愛い一面に心が和んでいると、無表情だった顔が心なしかほんのり赤くなって、筆箱から消しゴムを取り出すとせっかくの顔文字が消されてしまった。
『ありがとう!』
「どうして消しちゃうの? 結構良かったのに(ギャップが)」
俺は先生に仲良くしてくれと頼まれたことはすっかりと忘れ、それとは関係なしに氷さんと友達になりたいと思っていた。
氷さんは困った素振りを見せながら再び手帳に文字を書いて見せてくる。
『恥ずかしいから?』
何故かはてなマーク付きの答えに思わず頬が緩んでしまった。
すると俺の名前が呼ばれるのが聞こえた。
その声の主は氷さんではない。むしろ男の、そして苛立ちが込められた声だ。
「た て わ き ~ 。確かに仲良くしろとは言ったが、俺のホームルームを無視してイチャイチャするとはいい度胸だな」
いつの間にか近くまで近づいていた中嶋先生が腕を組んで上から見下ろしてくる。
ごつい顔つきのこともあって迫力はものすごい。
「す、すいません」
『次から気を付けます』
俺が謝るのとほぼ同じタイミングで氷さんは手帳に書かれた文字を見せる。
俺は氷さんの驚くべきその手帳を出す速さに感嘆しながらある疑問が浮かぶ。
今日の朝の短い時間だけだけど接してみて先生からも言われたように氷さんには何かの事情があるのだろう。
例えば声が出ない病気とか······あとはなんだろ? 思い付かない。
何故か手帳の文字を見させられている俺は軽く混乱していた。
極度の緊張で人前では話せない人なのだろうか?
昨日会った時も、今日も、変わらず無表情のままで感情を読むのが難しい。というか一切分からない。
詳しいことは分からないけれど、とりあえず俺にはやらなければいけないことがあった。
「はい、これ。昨日落としたでしょ?」
そう言って俺は昨日拾った氷さんの生徒手帳を手渡す。
『ありがとう!( ≧∀≦)ノ』
スマホなどで打つことはあっても手書きで書く機会は少ない顔文字が女の子の文字らしく可愛く書かれていた。
氷さんの可愛い一面に心が和んでいると、無表情だった顔が心なしかほんのり赤くなって、筆箱から消しゴムを取り出すとせっかくの顔文字が消されてしまった。
『ありがとう!』
「どうして消しちゃうの? 結構良かったのに(ギャップが)」
俺は先生に仲良くしてくれと頼まれたことはすっかりと忘れ、それとは関係なしに氷さんと友達になりたいと思っていた。
氷さんは困った素振りを見せながら再び手帳に文字を書いて見せてくる。
『恥ずかしいから?』
何故かはてなマーク付きの答えに思わず頬が緩んでしまった。
すると俺の名前が呼ばれるのが聞こえた。
その声の主は氷さんではない。むしろ男の、そして苛立ちが込められた声だ。
「た て わ き ~ 。確かに仲良くしろとは言ったが、俺のホームルームを無視してイチャイチャするとはいい度胸だな」
いつの間にか近くまで近づいていた中嶋先生が腕を組んで上から見下ろしてくる。
ごつい顔つきのこともあって迫力はものすごい。
「す、すいません」
『次から気を付けます』
俺が謝るのとほぼ同じタイミングで氷さんは手帳に書かれた文字を見せる。
俺は氷さんの驚くべきその手帳を出す速さに感嘆しながらある疑問が浮かぶ。
今日の朝の短い時間だけだけど接してみて先生からも言われたように氷さんには何かの事情があるのだろう。
例えば声が出ない病気とか······あとはなんだろ? 思い付かない。
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