契約の森 精霊の瞳を持つ者
13
「グレイス、さっきタカオに言ってたアレルの仲間って」
ユミルの家に戻る途中で、グリフはコダに聞く。コダはタカオに聞こえないように、声をひそめる。
「アレルの仲間がタカオを見張ってるなんて、嘘に決まってるだろ。実際のところはどうだか分からないけど、俺はあんな気味の悪い物を持つのは嫌だ」
グリフはやっぱりという顔をする。
「タカオはすっかり信じて怯えてる」
タカオは背後をやけに気にしたり、物音が聞こえたと怯えるばかりだ。そのたびにイズナがタカオをなだめている。そのせいでまだ馬小屋の前から離れていなかった。
「ウェンディーネのちからを使えるくせに、なんであんなに怯えるんだ?」
コダは自分でタカオを丸め込んでおいて、信じられないという顔で見つめた。見つめた先では、疑心暗鬼になったタカオが、何かの音に驚いて大きな声を上げていた。
「うわ!今の音聞いただろ?!水からなんか出てきた!なんか見えた!やっぱりなんかいる!」
イズナは面倒くさそうに「カエルかなんかでしょ」そう言って、タカオの腕を掴んでユミルの家に戻るために歩き出す。
イズナが歩きだしたのを見て、グリフとコダも再び歩き出していた。
イズナに連れられて、タカオは夜の村の中を進んでいく。細い橋の上でイズナはタカオから手を離した。
もう音がどうと言うことはなかったけれど、タカオは相変わらず怯えて、その場から動こうとしなかった。イズナは橋の真ん中で振り返ってタカオが動き出すのを静かに待っている。
タカオは恐れていた。アレルの仲間のことと、イズナに言わなければならないことを。イズナは、静かに励ますように言った。
「恐れずに進むしかない」
タカオは視線を落として、足元を見る。そしてやっと、イズナに話す決心をした。
ユミルの家に戻る途中で、グリフはコダに聞く。コダはタカオに聞こえないように、声をひそめる。
「アレルの仲間がタカオを見張ってるなんて、嘘に決まってるだろ。実際のところはどうだか分からないけど、俺はあんな気味の悪い物を持つのは嫌だ」
グリフはやっぱりという顔をする。
「タカオはすっかり信じて怯えてる」
タカオは背後をやけに気にしたり、物音が聞こえたと怯えるばかりだ。そのたびにイズナがタカオをなだめている。そのせいでまだ馬小屋の前から離れていなかった。
「ウェンディーネのちからを使えるくせに、なんであんなに怯えるんだ?」
コダは自分でタカオを丸め込んでおいて、信じられないという顔で見つめた。見つめた先では、疑心暗鬼になったタカオが、何かの音に驚いて大きな声を上げていた。
「うわ!今の音聞いただろ?!水からなんか出てきた!なんか見えた!やっぱりなんかいる!」
イズナは面倒くさそうに「カエルかなんかでしょ」そう言って、タカオの腕を掴んでユミルの家に戻るために歩き出す。
イズナが歩きだしたのを見て、グリフとコダも再び歩き出していた。
イズナに連れられて、タカオは夜の村の中を進んでいく。細い橋の上でイズナはタカオから手を離した。
もう音がどうと言うことはなかったけれど、タカオは相変わらず怯えて、その場から動こうとしなかった。イズナは橋の真ん中で振り返ってタカオが動き出すのを静かに待っている。
タカオは恐れていた。アレルの仲間のことと、イズナに言わなければならないことを。イズナは、静かに励ますように言った。
「恐れずに進むしかない」
タカオは視線を落として、足元を見る。そしてやっと、イズナに話す決心をした。
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