階級

「ありがとうございました。」悪魔の心臓から剣を抜き、天音は手を合わせた。彼の放った剣技は、今までで1番早かった。

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その後未だに拗ねている來央に連れられ、再び将軍様の所へ戻ってきた。「卒業おめでとう。天音。君には特別な訓練を受けてもらったが、どうだったかね？」特別というのは、おそらく自分の育成士が悪魔であったことだろう。「とてもいい訓練でした。」天音は少し考えて、そう返した。「あの悪魔は元階級天の戦士だったんだよ。たくさんの人間を喰い、知能を持った際たまたま記憶が戻ったらしい。処刑してくれと頼んできたが断ってやったよ。死ぬなら天才を育ててから死ねってさ。」と言い将軍様は印鑑を持ち出し、1枚の紙に押した。「君はかなりの才能の持ち主だから階級上とする。付き人の階級弱の戦士はもう決まってるから後で合流するように。」階級上。天音は父が努力して勝ち取った階級に、いきなり登ってしまった。

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屋敷を出ると、入口の前に1人の女が立っていた。「階級弱！椎名です！本日から天音上戦士殿の付き人となり、剣技を極めに参りました！」鼓膜が破れそうなくらいに大きな声で女はそう言った。身長は天音と同じくらいで、私服と思われる物を着たとても可愛らしい少女だった。「よろしくお願いします。その格好を見ると、君も今日戦士になったばっかりなんですか？」
「敬語なんて使わないでください！それと、私も本日から戦士になりました！」拗ね散らかしている來央から聞いたが、隊服が届くのは戦士になった日の次の日の朝に届くらしい。「わかった。」天音は敬語を辞めて宿へと向かって足を進めた。

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翌朝、天音の所には白いワイシャツと、黒いスーツ、そして黒い袋。椎名の所にも白いワイシャツとスーツと黒い袋が置いてあった。男女共通らしい。しかしこの服、街の風景に合わなさすぎる。天音はさっさと妙な視線を感じながら着替え、「見ないでくださいね！」と言われたので、椎名に背中を向けて着替えが終わるのを待った。その間に天音は黒い袋を開けた。袋の中には、剣と柄が入っていた。剣の根元には上と掘られている。椎名の剣には弱と掘られていた。