至高が唄う最高の二重奏

夜桜

序章:始まり

<VRMMO>仮想現実大規模多人数オンラインのことである。
2010年代には、VRMMOを題材としたライトノベルが多数発売され多くの人が憧れたであろうVRMMOも2046年である現在では、数多く普及されている。
今では、VRMMORPG内で倒したモンスターやクリアしたクエストに応じて報酬が支払われるなどVRMMOは、1つの職業のジャンルとして世間では認識されている。

さて、何故このような話をしているのか疑問に思う人も数多く存在すると思うので説明しよう。
この俺こと、神蔵 雅(かむくらみやび)は今年からVRMMORPGを職業とする、<VRP>通称:VRプレイヤーを育成する学校、桜大路学園VR学科に入学が決まっている。
「はぁ、なんて心の中で誰かしらに説明したのはいいが、入学式までまだ1時間以上あるぞ」
今日は入学式なのだが、目覚しを1時間早くセットしてしまい家に居てもやることが無かったので早めに学園に来たが、やることがない。現在の時刻は8時20分で入学式開始時刻は、9時30分からだ。まだ時間まで1時間以上ある。
「しかたない、時間もあるし少し学園を見て回るか」
俺は仕方なしに時間まで学園を見て回ることにしたのだが、不意に後ろから声を掛けられた。
「そこの君、新入生ですか?」
「はい、そうです失礼ですが貴方は?自分は、神蔵 雅といいます。」
「初めまして、桜大路学園生徒会長を務めさせていただいてます。VR科3年A組の紫峰 充希(しほうみつき)です。入学おめでとう」
声を掛けて来たのは、学園の生徒会長だった。長いストレートの黒髪にルビーのような紅い目をした可愛いと言うより美しいと言う言葉が似合う女性だ。
ちなみにだが、俺の見た目は短髪の黒髪に黒い目をした普通の男子学生だ。平凡だって知ってるよ泣くぞ!
「ありがとうございます、紫峰生徒会長!」
「ずいぶん入学式には、早いようですがどうかされましたか」
「実は早く起きすぎてしまい早く来たのはいいのですが、なにぶん早すぎる為少し学園を見て回ろうかと思いまして。」
「そうですかでは、私が入学式の時間まで学園を案内しましょう。」
紫峰さんは、そう言ってくれているが生徒会長ともなれば忙しいと思い断ろうとしたが、先に紫峰さんのから話しかけられた。
「遠慮なさらなくて大丈夫ですよ。入学式の時間までなら特に忙しくもないので大丈夫です。」
紫峰さんは笑みを浮かべながらそう言ってくれたので俺は快くその申し出を受けようと口を開く。
「それでは、お願いします。紫峰生徒会長」
「では、早速案内しましょう。あっその前に私のことは、充希と呼び捨てでかまいませんよ」
「いえ、さすがに生徒会長で年上でもある紫峰生徒「充希!」充希会長」
「その会長と言うのも無しで大丈夫ですよ。」
「いえ、さすがに「充希」わかりました充希さん」
俺は充希さんの迫力に負け、名前呼びをすることにした、さすがに呼び捨てで呼ぶ勇気は俺には無いので、さん付けではあるが。
「さん付けではなくていいのですが、いまは今はそれで我慢します」
「では、神蔵くん行きましょうか」
「はい、よろしく頼みます」

こうして、充希さんに入学式の時間まで学園を案内してもらうことになったのだった。


さて、これが後に数多くのVRMMOプレイヤーから最弱にして最強と恐れられ至高の名を冠することになる神蔵 雅と最強にして最弱と恐れられ最高の名を冠することになる紫峰  充希の出逢いであった。

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