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先生転生~魔法の言葉は金平糖~

ぽん

覚悟

朝っぱらから疲れた様子で皇女。

「はい、武器の選定、スキルの確認が終わりましたので今すぐに・・・・旅に出てもらいます」

7人は言葉を発そうと口をパクパクしてみたが、突然すぎて声が出ない。

「教えなくてはならないことは山ほどありますが、正直言って戦力にならないあなた方に割く時間はありません。邪魔なのです」

強い口調で皇女にはっきりと告げられ、7人ははらわたが沸々と煮えくり返る思いであった。

皇女が続きを話そうとしたとき、糸が切れたように、中里が皇女の胸ぐらを掴み叫んだ。

「…勝手に俺らを拉致って今度は要らねぇってか。だったらせめて、元の世界に戻せよ!こっちが黙ってるからって調子乗ってんじゃねーぞアバズレ女!」

彼らは相当の我慢をしていた。

彼らには家庭がある。仕事も、予定も、それらに対する責任もある。

それを全て勝手に棄てさせられ、あまつさえ邪魔者扱いはあんまりだろう。

その鬼気迫る様子に皇女は震えて瞳に涙を浮かべた。

「中里さん!言い過ぎですよ!」

田村が中里の肩を掴んで皇女から無理やり引き剥がす。

腰が抜けてしまったのか、へたりこんでうつむく皇女に中里は冷たい目を向け、またなにか言おうとした。

「中里君、やめろ」

最年長の朽木が中里を諫め、中里は渋々と引き下がる。

朽木は小さく笑ったあと、皇女へと歩を進め、目の前でしゃがみこんだ。

「君は16歳くらいだろう。その年でお父上を亡くして、国を一身に背負って、さらに世界も無視できない。立派なことだ。誰でも出来ることじゃあない」

一度息を吐き出して、でもな、と続ける。

「君に父がいたように俺らにも家族がいる。中には結婚してまもないやつだっている。中里君の言ったことは確かに酷い。だが正論だ。常識を身につけなさい。沢山考えて、道を選択しなさい。上に立つ者に必要なことだ。魔王とやらはきっとなんとかするから」

朽木の言葉に皇女は涙を溢しながら何度も頷いた。

朽木も頷き、立ち上がる。

苦々しい顔をする中里を一瞥し、年を取ると説教臭くなってやだねぇと呟いた朽木はそのまま外へと向かった。

もとの世界にはもう戻れないだろう。
一度消えた人間が戻ってしまえば大騒ぎになるのは火を見るより明らかだ。

腹くくって進もう。誰一人口には出さないが気持ちは同じであった。


後に彼らはこの決断を酷く後悔することになる。

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