先生転生~魔法の言葉は金平糖~
虎になるのはあり得ない
チョークが落ちた。
カツンッと音を立てて。
そして粉々に割れて床に模様を作ったのだ。
それは蝉の大合唱が耳障りな夏のある昼下がり。
空調が効いた2年1組の教室では6時間目の最後の授業である現代文が行われていた。
「つまり、李徴は自身の尊大な羞恥心で虎になった。ってことだ」
昼食後ということもあり、教室は静まり返っていた。
否、死者多数であった。
「…まぁ、虎に変身するあり得ねぇ話読まされて、こんな下らねぇ教師の授業聞くに耐えないのはわかるけどな?」
現代文の担当教師、中里はヤクザも黙る強面を呆れ気味に歪ませた。
「おい。寝てる奴等起きろ!」
中里の怒号にほとんどの生徒が飛び起き、寝てなどいないとばかりに姿勢を正して板書を一斉に始める。
中里はふ、と息を吐き出して、黒板に向かうこと5分。
聞こえてしまったのだ。
いびきが。
無言で振り向いた彼の表情といったらもう。
彼は蛇に睨まれた蛙のようになっている生徒には目もくれず、窓際の最後尾で気持ち良さそうに寝ている男子生徒に目を止めた。
さらに不運なことにはその生徒、中里率いる野球部の部長にしてエースだったのだ…!
中里の怒りは然り、クラスメイトの心中の恨みもまた然り。
かくして中里は、チョークを掲げた。
何をするかって?
撃ち抜くのだ。
授業中に一度ならず二度までも!居眠りこいてあまつさえ、いびきという騒音を発する馬鹿野郎に愛の弾丸をお見舞いしてやるのだ!
「周りの奴等、中っちまったら悪いな」
前置きよし。
いざ…!
チョークが落ちた。
カツンッと音を立てて。
そして粉々に割れて床に模様を作ったのだ。
模様が出来たのは彼の足元だった。
いや正確には、彼がつい一瞬前まで立っていた足元と表現すべきだろう。
刹那の出来事だった。
それくらい呆気なく、跡形もなく、中里が、
消え失せた。
カツンッと音を立てて。
そして粉々に割れて床に模様を作ったのだ。
それは蝉の大合唱が耳障りな夏のある昼下がり。
空調が効いた2年1組の教室では6時間目の最後の授業である現代文が行われていた。
「つまり、李徴は自身の尊大な羞恥心で虎になった。ってことだ」
昼食後ということもあり、教室は静まり返っていた。
否、死者多数であった。
「…まぁ、虎に変身するあり得ねぇ話読まされて、こんな下らねぇ教師の授業聞くに耐えないのはわかるけどな?」
現代文の担当教師、中里はヤクザも黙る強面を呆れ気味に歪ませた。
「おい。寝てる奴等起きろ!」
中里の怒号にほとんどの生徒が飛び起き、寝てなどいないとばかりに姿勢を正して板書を一斉に始める。
中里はふ、と息を吐き出して、黒板に向かうこと5分。
聞こえてしまったのだ。
いびきが。
無言で振り向いた彼の表情といったらもう。
彼は蛇に睨まれた蛙のようになっている生徒には目もくれず、窓際の最後尾で気持ち良さそうに寝ている男子生徒に目を止めた。
さらに不運なことにはその生徒、中里率いる野球部の部長にしてエースだったのだ…!
中里の怒りは然り、クラスメイトの心中の恨みもまた然り。
かくして中里は、チョークを掲げた。
何をするかって?
撃ち抜くのだ。
授業中に一度ならず二度までも!居眠りこいてあまつさえ、いびきという騒音を発する馬鹿野郎に愛の弾丸をお見舞いしてやるのだ!
「周りの奴等、中っちまったら悪いな」
前置きよし。
いざ…!
チョークが落ちた。
カツンッと音を立てて。
そして粉々に割れて床に模様を作ったのだ。
模様が出来たのは彼の足元だった。
いや正確には、彼がつい一瞬前まで立っていた足元と表現すべきだろう。
刹那の出来事だった。
それくらい呆気なく、跡形もなく、中里が、
消え失せた。
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