こんな世界だからこそ救ってやる

アサツキAsatsuki

森での出来事

「ここは何処だ…」 
女神に始まりの街に転送すると言われたが、ここはどう見ても森だ。 
あいつ変なところに送りやがったなと思いながらも、森をさまよった。 
すると女神の声が聞こえた。 
『すいません。始まりの街と真逆の所に送ってしまいました。』
「は?ふざけんじゃねぇ」  
『ふざけてません。至って真剣です』
「それはいいとしてこれからどうすればいいんだ?」 
『それは貴方が決めることです。』
こいつ…ほんとに女神なのか… 
『今は貴方の頭に話しかけています。なのでくれぐれむも街では話しかけていでくださいね。馬鹿だと思われので、貴方が』
いや、誰が俺から話しかけるか!と思ったがそれは5分ももたなかった。 
「ここら辺に街はないのか?」焦ったように聞いた。 
『ここの森を超えた直ぐにあります。』
「分かった。ここからは俺の冒険だ。黙って見てろよ。」  
 
そして夜になった。 
「寒いな」 
そう言えばステータスとか確認してなかったな。 
見るからにそこまで高くなさそうだった。普通転生したら馬鹿みたいなステータスしてんじゃないのかよ! 
 気づいたら寝ていた。 
 
 
「はぁーよく寝た」 
よし、早くこの森からでなければ 
俺は急いで森から出ようと走った。 
  
ドスン、何かに躓いて転んだ。後ろを見ると何やらぷにぷにしたものが居た。 
こいつ絶対スライムだ。そしてスライムからなにか聞こえた。 
「痛えじゃねえか、ふざけんじゃねぇ」  
スライムって喋るのか?いや、《 意思疎通 》の効果か
「ご、ごめん」 
「ごめんなさいだろ、おい!」 
何だこのスライム滅茶苦茶上から目線だ。 
「ごめんなさい」 
嫌々だが一様もう一度謝った。そして一つ質問をした。 
「お前何してるんだ?」 
「迷子だ」 スライムは堂々と答えた。 
「俺もだ」俺もまた堂々と答えた。 
「なにお前堂々と言ってるんだ?馬鹿なのか?」 
いや、お前だけには言われたくないわ!と言いそうになったが必死に堪えた。 
ここはこいつと仲良くなっとかなければ 
「迷子同士仲良くしようぜ」 
「嫌だね、何故俺が人間ごときと仲良くしなければならない」 
カサッ 
東の方向から音がした。 
「仲間か?」スライムが言った
そこから出てきたのはウルフだった。 
「お前ら美味そうだな。俺が食べてやる。感謝しろ!」 
「やばい、逃げるぞ」俺はスライムを掴んで走って見つけた茂みに隠れた。 
俺は息切れしながら「おい、あいつどうする」と言った。 
スライムが「本当は人間と協力するなんて嫌なんだが、仕方ない。俺にいい考えがある」 
それはスライムのスキル《 張り付き 》を使い、ウルフを動けなくし、木の棒で殴る作戦だ。正直言ってあまり効果的とは思えないが、今はこれしかない。 
俺は茂みから出てウルフに言った。 
「ウルフ俺らと勝負だ!」
「いいだろう」 
「行くぞ、スライム」 
「おう」 
スライムは相槌打つなりスキル《 張り付き》を発動した。たちまちウルフは動けなくなった。そして俺はウルフに近づき、木の棒で殴った。 
「やめろ」ウルフは大きな声で言った。 

5分後 
 
「やめるなら今のうちだぞ」

10分後 

俺はまだ殴り続けた 
「もうやめてください。何でもしますから」 
俺はニヤついた。 
「今、なんでもするって言ったな!なら俺の仲間になれ!」 
スライムとウルフは驚いていた。 
「そんなのでいいのか?」ウルフは言った。 
「おう」 
「 分かった。だからいい加減殴るのをやめてくれ」 
スライムは《 張り付き》を解除した。 
「スライム、お前も俺と旅をしないか?」 
「あ?お前らがどうしてもって言うならいいけど」 
「あ、ならいいや」 
「嘘だ。仲間に入れてくれ」
こいつ中々ツンデレだな。 
俺はスキル《 テイム 》を発動し、ウルフとスライムを仲間にした。 
「所で聞いてなかったな。お前ら名前なんだ?俺は加藤  翔太だ」 
「俺はない」スライムが言った。 
「俺もだ」ウルフが言った。 
「よし、ならスライム、お前は今日からイム、ウルフはルフだ!」 
二人は中々気に入った様子だった。結構適当なんだけどな。 
「これから宜しくな」 
「「おう」」 
 
 
こうして俺はスライムのイムとウルフのルフを仲間にしたのだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品