こんな世界だからこそ救ってやる

アサツキAsatsuki

女神

眩しい光を感じた。俺はそっと目を開いた。そこには何も無く、ただ眩しい光が漂うところに1人寂しく立っていた。 
「こっちです」と頭の中に呟かれたような気がした。 
いやどっちだよ と思いながらも俺は何となく前に歩こうとした。そしたら 
「逆です」と頭の中に呟かれた。  
俺はすぐさま向きを変え、走っていった。そこには椅子に座る1人の女の子が居た。そして俺に 
「貴方は加藤 翔太さんですね?」と今度は頭の中にではなく俺に言った。 
俺は「そうだけど、貴方は誰ですか?ここは何処ですか?」と言った。 
すると女の子が「私は女神、ここは天界、貴方は死んだのよ」と答えてきた。 
死んだのくらいは分かるよ!と言いたいところだがそれより気になった事があったので言わなかった。 
そして女神が俺に「何故ここに自分を呼んだかって?」と言ってきた。 
「あぁ、そうだ」 
「それは貴方に世界を救って欲しいからです。」 
「何故俺なんだ?」 
「貴方の行動は見てました。貴方の死ぬところも」 
「それとどう関係が?」 
「勿論、貴方が人を助けた、それだけの事です」 
なんて奴だ、人助けして死んだくらいで世界を救えってか?そんな甘えた話があるか!と思った。 
「単刀直入に言わせて貰うとですね、貴方に異世界に転生して貰って世界を救って欲しいんです」 
「嫌です」とすぐさま答えた。 
「え?いや、こういうのって普通、分かったとかっていう場面じゃないんですか?引きこもりゲーマーとかは」 
「いや、俺は引きこもりゲーマーって言ったってめんどくさい事は嫌だし」 
「美女が居ても?」 
「よし、行こう!」またもすぐさま答えた。 
「いや、急ですね。」女神は焦ったように言った。 
「いや、美女が居て異世界に転生しないって誰が言うんですか?」 
だが無視され、「まぁいいでしょう、これを見てください」と女神が言った瞬間モニターが現れある映像が写った。それはなんとも汚らわしい景色だった。 
「これは全て魔王の仕業です」 
「俺が魔王を倒すのか?」 
「いえ、あなた一人とは言いません、あなたにはこれからモンスターテイマーになってもらいます。仲間にしたモンスターと魔王を倒してください!」 
「モンスターテイマー!?何だそれは?」 
詳しく説明が入った。 
モンスターテイマー  
名前の通りモンスターを仲間にして一緒に戦ったりする事が出来る。 
だけど欠点があり、他の人や、冒険者とパーティーが組めないことらしい。その代わり使えるスキルが多いらしい 
《 意思疎通 》モンスターと話すことが出来る 
《 テイム 》モンスターを仲間にすることが出来る 
《 モンスターの絆 》仲間にしたモンスターのスキルを使うことが出来る 
他にも色々あるらしい。 
「ところで魔王を倒したらどうなる?」  
「それはあなたの人生です。あなたが決めてください」 
1度死んだやつの人生って… 
「では早速ですが、転移魔法で貴方を始まりの街に送ります。」 
「おい、ちょっと待てよ。まだ分からないことが…」
「冒険なんて分からないことだらけです。旅をしていくうちに分かって来ますよ。」  
こいつ絶対面倒臭いから飛ばしただろ。まぁいいや 
覚悟は出来た。こんな荒れ果てた場所。こんな世界だからこそ救ってやる! 
「さぁ始まりの街に送ってくれ」 
「では、世界を救って下さいね」 
「勿論だ」 
 
 
こうして俺の旅は始まった

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