誰にでもできる異世界救済 ~【トライ&エラー】と【ステータス】でニートの君も今日から勇者だ!~

平尾正和/ほーち

4-10 高速馬車、乗り換え

 しばらく眠ったあと、ふと目が覚めてデルフィのほうを見たら、口半開きでヨダレ垂らしながら寝てた。
 うん、こんなちょっと残念な姿も、尊いな……。
 
 さてと、眠気はなくなったもののデルフィを起こすわけにもいかないし、暇つぶしがてらステータス確認でもしとこうか。

――――――――
名前:山岡勝介
職業:魔道剣士
レベル:19

HP:978
MP:1829

物攻:C+(C+)
魔攻:B(B)
物防:D+(D)
魔防:D+(D+)
体力:C-
精神力:C-
魔力:C+
賢さ:D+
素早さ:E+(E+)
器用さ:E+
運:E

【所持金】
現金:165G
カード:288G

【装備】
革のベスト(ゴブリン):物防G /魔防G-
革のジャケット(オーク):物防F- /魔防G+
革のズボン(ゴブリン):物防G+ /魔防G-
蜘蛛糸のシャツ(Gスパイダー):物防G /魔防G
革のショートブーツ(Gボア):物攻G- /物防G /魔防G- /素早さDOWN

【所持アイテム】
革の巾着
歯ブラシ
洗口液
傷用軟膏
タオル
枯霊木の杖:物攻G- /魔攻F /魔術効率UP /魔術詠唱短縮


【称号】
Eランク冒険者
Eランク魔術士
Fランク治療士
エムゼタシンテ・ダンジョン5階層制覇
薬草採取士:薬草判別効率UP /薬草採取効率UP
魔道士:魔術効率UP /魔法効率UP /魔攻UP /魔力UP
魔道剣士:攻撃系戦闘付与魔術効率UP
解体講座修了者:解体効率UP
基礎魔道講座修了者:魔術効率UP
攻撃魔術基本講座修了者:攻撃魔術効率UP /攻撃魔術詠唱短縮
基礎戦闘訓練修了者:戦闘術系スキル習得率UP /戦闘術系スキル成長率UP

【スキル】SP:25,642
稲荷の加護
言語理解
細剣術:Lv6
射撃:Lv1
無魔法:Lv3
炎魔術:Lv2
氷魔術Lv:2
雷魔術:Lv2
無魔術:Lv4
聖魔術:Lv3
生活魔術:Lv3
魔力感知:Lv5
魔力操作:Lv5
気配察知:Lv5
気配隠匿:Lv4
採取:Lv3
草刈鎌術:Lv2
野鋏術:Lv2
掬鋤術:Lv2
解体術:Lv5
恐怖耐性:Lv2
毒耐性:Lv1
気絶耐性:Lv2
酔い耐性:Lv1
空腹耐性:Lv5

【スタート地点】
トマセの街 北門前
572/08/09
03:010:35
――――――――

 よしよし、順調にレベルは上がってるぞ。
 金のほうは借金を返済してるから、全然貯まんないけど。
 ちなみに武器防具は収納庫にしまってます。

 しかしあれだね、魔術系のスキルはいくら使っても、スキルレベル上がらないんだね。
 どうやら魔術系のスキルレベルは習得魔術数で決まってるらしく、SPを使っても上げられないみたい。

 SPはだいぶ貯まってきたな。
 たぶん10階層到達前には目標達成できそうだわ。

 おっと、そろそろ乗り換えだな。

「デルフィ……デルフィ……!」
「……んぁ」

 声をかけても起きないので、恐る恐る肩を叩いたりしたけど、一向に起きる気配がない。

「乗り換えだよ、起きて」
「うーん……」

 揺すっても起きないし、軽くほっぺたを叩いたりしても、ちょっと唸るだけでまったく起きる気配がない。
 デルフィのほっぺたは柔らかくて温かいけど、非常に残念ながら堪能している余裕はない。

「しょうがない……失礼します……!」

 聞こえてなんていないだろうけど、俺はひと言断りをいれて、彼女の腋の下から手を入れ,背中に腕を回した。
 革張りのシートに密着した背中は、ほんのりと汗ばんでいて、高まった体温と湿気とが腕に伝わってくる。
 この感覚は……やばい!
 ほとんど抱きつくような格好になっているので、首筋に顔が近づき、そこからデルフィの匂いが漂ってきた。
 やばい理性が……!
 素数を数えて落ち着くんだ!

「2、3、5、7、9……」

 あ、9は3で割り切れるか……。
 次は13? いやその前に11? ……ええいここは日本人らしくお経で対処だ!

「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」

 口の中で般若心経を唱えていると〈精神耐性〉スキルを習得した。
 さすがお経。

「んふぅ……」

 なんとか落ち着きを取り戻したところに、ふたたび温かい吐息と甘酸っぱい匂いが……あ、スキルレベルがひとつ上がった。

「起こしますよー」

 〈精神耐性〉のスキルレベルが上がったことで、少し冷静になれた俺は、一応声をかけて反応がないのを確認し、彼女を抱えおこした。

「よいせ……っと」

 腕にかかる重みが、なんともいえず心地いい。

「んぅ……」

 抱え起こして立たせてみると、多少目覚めたのか、自分の力で立っていられるようなので、とりあえず彼女から離れた。
 ゆらゆらと小さく揺れているけど、倒れるようなことはなさそうだ。
 目は半分閉じたままだけど。

「なぁに……? どこ……?」
「乗り換え。行くよ?」
「ん……」

 まだ寝ぼけてるようだけど、引っ張ればヨタヨタと歩くので、とりあえず手を取り、歩いて行く。
 はぁ、やっぱ尊いなぁ……。

 手を引いて歩くため、少し強めに握ると、彼女のほうから握り返してくれて、ドキッとした。
 振り返ると、半分寝てたけどね。
 握ったデルフィの手は、温かくて柔らかかったよ。

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