天馬行空、狂った戯曲。

泪鴉

さよなら、なんていいたくない

背伸びしても届かない貴方
くちづけをどうぞ

私の手は空にかざしても
透けない。
いっそ、透明だったら楽なのにな。
もう、
「なんかどうでもいい」
なんて、
思ってしまうけれど
貴方が、
「そんなこと言うな」
って、記憶の隅でささやいた。

自分の手を見る度思い出す。
貴方の温もり
貴方の笑顔
貴方の声も
全て思い出す。
いっそ、透明だったら楽なのにな。

背のびしても
今じゃ届かない貴方
くちづけをどうぞ

コメント

コメントを書く

「詩」の人気作品

書籍化作品