天馬行空、狂った戯曲。

泪鴉

天(そら)み見上げれば。

あぁ、そうか
僕は人だった。
空を見て、綺麗だ…と
花を見て、儚い…と
そう、思える人だった。
どんなに心が汚れていても
空を見上げれば
誰かと繋がっていて…
ああ、そうか
僕は…
僕は、僕の生まれてきた意味が
わかった気がした。
空にかかる虹。
天から伸びる陽の手。
無機物と有機物が混合した
暖かい温もり。
全てを抱えて生きているのが
僕だった。
天に手を伸ばしても
その厚い肉が透けないのが
僕だった。


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