天馬行空、狂った戯曲。

泪鴉

星になる人

「今日は、風が強い日だね」
飛ばされないように
手をにぎった。
「今日のね、朝ごはんは卵焼きを作ったよ。
この前よりも上手に出来た。」
嬉しくて
手を握った。

真っ白なシーツの上で
細くなった手を伸ばして
笑って欲しい。

「今日はね、今日はね、今日...は、ね...」

流れる涙は頬を通って
細くなったあなたの手に落ちた
真っ白な服を着て
あなたは星になった。

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