最強技能は少女と共に

黒狐

7話 再出発

あれから一週間たった。言いに来たのはクラスの八割程
半分は城に滞在し戦いを続ける。戦闘スキル持ちや自身のステータスも高いやつらが多い
もう半分は城を出る判断をした。大多数は非戦闘スキル持ちだ。各々スキルに合う仕事をするのだろう
小数の戦闘スキル持ちは冒険家にでもなるのだろうか
残った二割は選べるようなスキルを待ってない、もしくは単純に選んでないかのどちらかだ
どちらにせよ残る側も出てく側も人数は少数になる、気を引き締めなければならない
そう思考をまとめたところで部屋を出る。しかし扉の先には三名の客がいた


「俺に何か用事でもあるのか?」


「お前はどうするのかが気になってな」


「どうってなんだよ」


「とぼけんなよ。城に残るかどうかだ」


「俺が何を選んでもお前らには関係ないはずだが」


「最初に言っただろ気になっただけだ。俺たちは城に残って戦う」


「俺は...城を出ていく。旅をしながら修行でもするさ」


「一緒に行く気は...無さそうだな。仕方がない引き上げるか」


榊原が踵を返したのを確認すると俺も反対方向に向かって歩き出した
その背中に声が掛けられ足が止まる


「あなた変わったわね。ダンジョンに行く前と後で別人みたい」


「変わらない物はこの世に存在しない。どんな物も些細な切っ掛けで大きく変貌する。
先の一件でそのことを学んだだけさ」


「ふーん。よく分からないけど、あまり根を詰めすぎないようにね。私からは言えるのはそれだけよ」


軽く手を振りまた歩き出す
柊も何か言いたげだったが結局言葉にすることはなかった
俺は旅に必要な物を集め準備し、そのまま眠りに落ちた


~~~~~~~~~~~~~


次の日俺は城門の前にいた。フランクさん以外誰にも知らせていない
今は朝4時頃、太陽すら上っていない空はどことなく暗い
そのまま門を抜け俺は城下町へと移動していく
貴族街を抜け中央街へと出る。
中央街にはいわゆるギルドがある、ここで冒険者になって日銭を稼ぐつもりだ
最初の方は大変だが頑張るしかない。俺に足りない物を得るためにはここしか無いのだから
朝早くから準備している職人に場所を聞き、無事にギルドが見つかった
ギルドの建物は馬鹿にでかい。サイズも見た目も東京駅みたいな感じだ
中に入るとそこは閑散としていた。朝も早いからだろうか。
受け付けは一ヶ所だけ開いている。俺は近いほうに行く


「冒険者の登録がしたい」


「こちらの紙に必要事項をご記入ください。文字が書けなければ代筆も行っております」


「文字は書ける」


「失礼いたしました。登録料金は銀貨1枚になります」


「これでいいか?」


「シラヌイ様ですね。用紙が確認できましたので、諸々の準備をいたします。もう少々お待ちください。」


そう言って受付嬢は奥へと消えた、と思っていたら偉そうな人と大慌てで戻ってきた


「何か不備でもありましたか?」


「いえ、そう言うわけではございません。失礼ながらお客様は王城にいらっしゃった方では?」


「そうですが、何か問題でも?」


「い、いえ問題はありませんが...城に残っていた方がよいのでは?」


「問題が無いなら早くしてください。城ではできないことなのです」


二人は渋々といった様子で奥へと戻り、今度は冊子と金属製の板を持ってきた


「こちらが冒険者カードとなります。身分証にもなりますので、失くさないようにしてください
万が一紛失の場合は再発行料金の発生とともに冒険者ランクもリセットとなります
禁止事項などの詳しい情報はこちらの冊子をご確認ください」


無事に冒険者になれた事だし、早速依頼でも受けるか

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