好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第68話ドキドキ初バイト

今日からカシワギさんのお店でバイトする事になった。


カフェ(ゾン ZON)


ゾンはオランダ語で太陽の意味だと教えてもらった。


太陽に照らされるように心暖かくなるお店になるようにってつけたそうだ。


(店名からしてオシャレだなぁ)


学校帰りにカズヤと直接お店に向かった。


今日はカシワギさん1人と俺ら2人しかいないので大丈夫かと心配したら、
私1人いれば十分すぎるくらいだと笑われた。


『じゃあ、なにからやってもらおうかな。見たとおりお客さんいないから...
とりあえずテーブル拭いてくれるかな?』


『はい!』


黒のおしゃれなお店の制服に着替えて仕事を始める。


『カズヤは向こうから拭いて、俺こっちから拭く』


『わかりました!』


とは言うもののテーブルが6脚とカウンター席が4席しかなくすぐに吹き終わる。


『カシワギさん!終わりました!』


『お疲れさま。 これでも飲んでゆっくりしてて 少し買い物してくるから』


そう言ってコーヒーを2つ出したくれた。


『ありがとうございます...え!?
お客さん来たらどうします?』


『この時間はいつも来ないから大丈夫だよ』


そう言って微笑んで出かけてしまった。



カウンターに座りコーヒーをすすると
香ばしい匂いが漂う。


『このコーヒー飲みやすいですね!
苦いから苦手ですけどこれなら飲めます!』


『カシワギさんが入れてくれたからね
やっぱ経験積んだんだろうな〜』


『そーですね! 先輩こっち向いて!』


そう言ってカズヤがコーヒーをすする音が聞こえてそっちを向く。


チュッ...


キスされたと同時にカズヤの口からコーヒーが流れてくる。


(!!!?)


ゴクリ...


『おまっ...なにするんだよ』


『美味しいかったですか?』


『...さすがに汚い』


『え!?...ごめんなさい』


『じゃあ、俺にもやらせて』


コーヒを含んでカズヤの口にキスをする。


優しく、少しずつコーヒーを流し込む。


『コーヒー美味しい?』


『先輩の...美味しいです。』


(言い方エロいわ...)


ガチャーン


『あ、お帰りな...いらっしゃいませ!』


カシワギさんが帰って来たと思ったらお客さんが来店して来た。


一通りの対応の流れは聞いていたので
とりあえず接客を試みる。


カズヤは緊張して固まってる。


『お好きな席へどうぞ』


20代くらいの大人しそうなお姉さんが1人、窓際のテーブル席に座る。


『すみません。 カプチーノ1つとサンドイッチ願いします』


『はい!了解しました。』


機械でカプチーノを入れて、サンドイッチをショーケースから取り出す。


『カズヤ...持ってけ』


コソコソっと耳打ちをしてカズヤに持って行かせる。


『..お、お待たせいたしました。
カプチーノとサンドイッチでございますごゆっくりどうぞ』


(物凄い、棒読みだ...)


カズヤが戻ってくると、やりきったという顔をしている。


ともあれ、初めて接客ができて達成感が湧く。


(カシワギさん早く戻って来ないかな)


30分程すると、お姉さんがお会計を済まして帰っていった。


『ありがとうございました〜』


お客さんがいなくなったと同時にカシワギさんが帰ってきた。


『留守番ご苦労様。なにもなかったかい?』


『お客さんが1人来て...帰りました。
ちゃんと対応はできましたよ!』


『おお、すまなかったね
来ないと思ってたんだが... もうお客さん来ても大丈夫なら一人前だね』


『いえいえ、緊張したやばかったですよ。カズヤなんかもう棒立ちでしたよ』


『ほっほっほっ、
2人でこなせればそれでいいんだよ。
1人でやろうとしなくていい。』


『はい!』


その後はお客さんも来なく、カシワギさんといろんな話をした。


進路の話や、俺ら2人の事などいろんなことを夢中で話しといると閉店時間になっていた。


『おや、もうこんな時間か...
最後にテーブル拭いて、終わりましょう』


『はい!』


テーブルを拭き服を着替えるて、お疲れ様でしたと伝えるとカシワギさんが笑顔で見送ってくれた



『今日は何もしてないですね...』


『まぁ、少しずつだろ。』


『せんぱい?手繋ぎましょ?』


『わざわざ言わなくていいよ
もう、恋人なんだから...』


カズヤが手を繋ぐと体に染み付いた
コーヒーの匂いがほのかに香った。



そんな感じで学校終わりのバイト生活が始まった。

          

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く