好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第61話全国大会前夜

全国大会までの残りの日数は必死に練習したから
食いを残すことはないと思う。


7月中旬、とうとう全国大会の日が迫ってきた。



1年生は学校で留守番をし2、3年生みんなで行く。


カズヤも大会に出場はしないが、来年の勉強のために一緒に来ることになった。


大会は静岡県で3日間行われるので前日の朝出発した。


俺の出番は2日目だから、まだ心の余裕がある。


新幹線で旅館に向かい荷物を置いてみんなで外を散策しに出かけた。


部屋は必然的にカズヤと2人部屋にされた...


『遠かった...疲れましたね
何か楽しいところありますか!?』


『お前はほとんど寝てたろ!
出ないからってお気楽でいいな...』


『僕だって出たかったですよ!
来年まで練習して、上手くなりますよ!』


しばらく歩くとデパートがあったのでお菓子や飲み物を買いに入ってみた。


『...なんか知らない土地のお店はワクワクしますね』


『ゲーセンあるじゃん!いこーぜ』


『先輩は何気呑気ですね』


『緊張したってしょうがないし楽しむぞ!』


散々遊んで旅館に戻るとカズヤは疲れて眠ってしまった。




カズヤの寝顔を眺めるといろんな考えが湧いてくる。


来年もこうしていられるだろうか..


付き合うことにはなったがいつまでこうしていられるだろうか


卒業したら一緒にいれる根拠はない。


ずっと一緒にいたい  そうできる力が欲しい。


どれだけ夢をみたって叶わないと思ってしまう。


海外に行って一緒に暮らす...


そんな事出来るわけないと、現実を見ろと言ってくる自分がいる。







『先輩また泣いてる...』


『起きてたんだ...』


『お腹空いちゃって起きました。
また涙流してましたよ。怖いんですか?』


『...何でもないよ』


『僕がいるから怖いものなんてないですよ』


そう言って優しく抱きしめてきた。


『先輩はたまに弱くなるんですから...
我慢しないで頼ってください』


少し前に同じようなセリフをこいつに言ったような気がする。


『...そうだな』



夜飯の時間になり食堂に集まった。


その後はミーティングをして風呂に行くと
とても広い大浴場で足を存分に伸ばして入れる。


『サウナもありますよ!』


カズヤがサウナで勝負をしようと言ってきたが
ものの5分くらいで出てしまった。


『お前は勝てる勝負を仕掛けてこいよ』


『先輩になら何でも勝てると思うんですけど』


『お前に何か負けた記憶がねーよ』


部屋に戻るとさっそくカズヤが性欲むき出しにしてきた。


パンツ一枚の姿で誘ってくる。


『先輩...やりますか?』


『...いや流石に大会できてるんだし』


『..そーですか』


カズヤが早速エッチをしたがったが大会前に流石に気分にはならず断わると悲しそうにした。


『一緒に...ねよ?』


喜んでる布団に入ってきて俺の手をそっと握る。


『お前は俺の精神安定剤だな』


『先輩は僕のセフレです』


『...意味わかって言ってる?』


『あんまり.,』


『そっか...二度と言うな』


抱きしめてそのまま眠りについた。




          

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