好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第60話プレゼント

次の休みの日にカズヤの家に挨拶に行った。


『お邪魔します!』


『いらっしゃい!県大会お疲れ様ね!
サトシくん引退しなくて済んだって喜んでたわよ!』


『そーですか!』


『カズヤ部屋にいるから上がって!』


2階に上がりカズヤの部屋に入る


『入るよ〜』


『あっ...待って!』


ガチャ


部屋に入るとカズヤがとっさに何かを隠した。


『何隠したの?』


『...なんでもないです』


『なんでもなかったら隠さないでしょ』


『....エロ本です』


『...そうか』


取り敢えず座って落ち着くがカズヤは何かを引き出しの中に入れた。


(まてよ...あいつエロ本とか見ないだろ。 まず本当にエロ本だったら言わないだろ)


『隠したのエロ本じゃないだろ?』


『...内緒です』


隠し事されるのは気持ちよくないが取り敢えず気にしないことにした。


『どのタイミングでお母さんに言う?』


『もう少ししてから言いに行きましょう!』


カズヤがずっとソワソワしている長きになる。


『カズヤお前なにか隠してる?』


『先輩、目瞑って下さい...)


『えっ、なんで?』


『いいから!』


素直に言うことを聞き目を瞑った。


引き出しを開ける音が聞こえる。
何かしているようだが分からない。


『目開けて下さい...』


目を開けるとカズヤが目の前にいて
四角い手のひらサイズくらいの箱を持っている。


『...なにそれ?』


『プレゼントです!いつもお世話になってるから...
あと付き合った記念に』


『ありがとう、嬉しいよ!開けていい?』


カズヤがコクリと頷いたので箱を開けると、
白いデジタル式の腕時計が入っていた。


『おお!時計か!高かったんじゃないの?』


『そこそこです!
前にアウトレット行った時先輩、腕時計見てたから...』


『すごい嬉しいよ!ありがとう』


カズヤに貰えるとは思っていなかった。


『こっそりお母さんの仕事手伝ったりしてお金貯めたんです!』


『お母さんなにしてるの?』


『配送業系です!短期で高校生のバイトあったんで時間あるときやってたんです!』


『知らなかった...俺の為にそんなことしてくれてたなんて..
なにかお返ししないとな...』


『いらないですよ!いつももらってますから!』


『え?何かあげたっけ?』


『一緒にいてくれるだけで、僕は十分嬉しいんですよ!先輩は自分の時間をいつも僕にくれてます。』


『そんなこと言ったら...
俺だってカズヤから大切な時間毎日もらってるよ』



『先輩...』


『カズヤ...』


目を見つめ合い時が止まる。


....『ラブラブだなぁ〜』


『ん!?』


『えっ!?』


ドアの隙間が空いておりカズヤのお母さんがのぞいていた。


『お母さん!何見てんの!』


カズヤが大声で怒鳴った。


『通りかかったら気になっちゃって...
やっぱり付き合うことになったんだ!
女の勘は当たるのよね。
言ってくれるって約束だったのに』


『すみません...後で言おうと思ってたんですけど』


『まぁ、それだけ分かればお邪魔だから...
あとは2人で楽しんで!』



『.....』


お母さんが去った後、2人で顔を合わせて恥ずかしくなる。


『聞かれてたのか...』


『ごめんなさい...お母さんが...』


『まぁ、言う手間省けたからいいか』


『先輩!時計つけて見てくださいよ!』


時計を左手に付けカズヤに見せる。


『よかった!やっぱり似合ってる』


『そお?ありがと!
カズヤにも今度プレゼントしないとな...
何欲しい?』


『ロレックスの金の時計かなぁ』


『...別れるか』


『そんな!?冗談に決まってるじゃないですか!
付き合ってすぐなのにシャレにならないですよ


物よりは思い出が欲しいです』


『思い出?』


『先輩との楽しい思い出!
何してても楽しいですけど!特別な思い出が欲しいです!』


『難しいな...考えとくよ』


『期待してます!』


カズヤの欲しいもの...思い出...


難しい注文をされたもんだ

          

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