好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第45話嫉妬、イライラ

3学期が始まって3週間ほど経ち、休みの気分も完全に抜け切った。


『今日、部活終わったら駅でも行かない?  欲しい漫画あるんだよね』


『今日は用事あるので...すみません』


『そっか...りょーかい!』


珍しく誘いを断られ、家の用事でもあるのかと思った。


部活が終わるとそそくさと部室を出て帰ってしまった。


『先輩!先帰ります。』


(どーしたんだろ...)


カズヤが先に1人で帰るのはまずほとんどない。


それほど大事な用事なのだろう。


いつも何かあると必ず話してくるので、明日にでも話してくるだろうと1人で漫画を買いに行き家に帰った。


次の日、部室に入るとジュンヤが先に来ていた。


『先輩、今日部活休むってカズヤから伝言です。』


『え!? なんで?』


『あっ....』


『知ってるの?』


『家の用事って言われたんですけど...』


ジュンヤが言いづらそうな顔をする


『けど?』


『たぶん...サボりですね』


『はぁ??』


思わず声が高まり変な声がでる。


『部活来たくないとか?』


『いえ、そう言うわけでは...』


『何か言えないこと?』


『いや、あいつ最近クラスに友達できたじゃないですか? そいつと遊んでるんだと思います』


『.....!』


体がなぜか暑くなる。


(....なんだろうか。この気持ちは


つか、友達できたとか知らないし


あいつに友達作れって言ってたのは確かに俺だが...


なんであいつは俺にそれを言ってくれない?


まぁ、別に俺は友達じゃないし、ただの先輩だから... 言う義理もないか


俺が仲良くなるのは時間かかったのに
そんなに簡単に友達作れるんだ...


まぁ、別に良いこと...だよな?)


『...先輩?』


『どーしました?』


思わずボーッとしていたみたいだ。


『あ、いやなんでもない。 うん、知ってる。そーなんだ...』


モヤモヤが募り、練習に集中ができなくいつもよりかなり調子が悪かった。


1人帰り道、ずっとその事を考えて頭がパンパンにパンクしそうになった。


(だから、昨日遊び断ったのか...
まぁ、先輩なんかより友達の方がいいよな... 話しやすいし一緒にいて楽しいし)


家に帰り部屋にこもった。


(電話してみようかな...でもまだ遊んでるかもしれないし...)


電話をかけようか小一時間悩んで結局かけずにいた。


次の日の部活にはカズヤがちゃんと来た。


『先輩!今日は駅行けますよ?』


(俺には黙ってるつもりか...)


『いや、いい...』


『そーですか...』


なんとなくギクシャクして、部活中話しかけられても適当に相槌だけをした。


『先輩!帰りましょ!』


『ああ...』


しばらく無言で歩いているとカズヤが口を開いた。


『先輩どーしたんですか?機嫌悪そうです。
元気ないですか?。』


(なんだこいつ...いや、別に言わなくたって...悪くないし)


よくわからない感情がふつふつと湧いてくる。


『別に悪くないし...』


『ほら!悪いですよ!先輩元気ないです。なんでも話してくださいよ!』


(お前は自分の事話さないのに話せってか...)


『なんでもねぇって!』


『なんか怒ってます?ちゃんと話しましょ!』


『うっせぇんだよ!!!』


思わず怒鳴ってしまった


怒りが覚めずそのまま1人で帰った。


(くそ...ムカつくな)


家に帰ってもまだ頭は覚めず、イライラする。


(なんなんだあいつ...なんで仲良くしてたかな。)


カズヤから電話がきたが、でる気にならず携帯の電源を切った。


次の日の部活、カズヤはまた休んだ。


俺に会いにくいのもあるのだろうが、ジュンヤの話だとその友達と、また遊んでるらしい。


流石に怒りはほとんど冷めていたが
それを聞いてまた少しだけイライラしてきた。


夜には電話が来るだろうし、その時
ちゃんと話そうと思ったが、家に帰りどれだけ待ってても電話は来なかった。







          

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