好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第40話大晦日と告白

『もーいくつねーる...』


『お前ってイベントごとに毎回歌ってアピールしてるよな?』


カズヤが歌うのを遮った。


『だって友達とかとそういうこと
した思い出ないんですもん。
先輩と楽しみたいから...』


『はいはい、初詣行こうってことな』


『鋭いですね、さすが先輩』


『まぁ行くけど。何時ころに行く?』


『お母さんがご馳走作ってくれるから
誘ったらって言われました!
いいですか?..』


『なんか申し訳ないけど、お邪魔するよ』


という事で大晦日の日はカズヤの家にお邪魔する事になった。


大晦日の夕方頃、カズヤの家に向かった。


『お邪魔します!』


『いらっしゃい。ゆっくりしていってね!腕にふるった料理作るから!』


カズヤのお母さんがとてつもなく張り切っている。カズヤが少し恥ずかしそうにする。


カズヤの部屋でゆっくりしていると
料理ができたと呼ばれた。


リビングに降りると、テーブルいっぱいに豪華な料理とお酒が並べてある。


『うわぁー美味しそう!お母さん、先輩来るからいつもより頑張ったね』


お母さんがカズヤを肘でつつく。


『さぁ、たくさん食べて飲んで楽しみましょう!』


『あ、いや未成年ですけど...』


『大晦日だから大丈夫!』


『はぁ...』


酒を飲んだ事は何度かあるから別に拒否はしなかった。


料理はどれも美味しく、とても楽しい


カズヤのお母さんが酔ってきはじめた


『カズヤ!あんたはもっと男らしくしなきゃダメよ! サトシくんにばかり迷惑かけてちゃダメよ』


『迷惑だなんて思ったことないですよ』


『そぉ? そおなのよ この子は本当にいい子なの!優しいし、お手伝いするし....』


感極まって泣きはじめた。


カズヤは困った様子で愛想笑いしながら、とりあえず料理を食べている。


『サトシ君?この子の事好き?』


『え!?いゃまぁ』


カズヤが顔を赤くする。


『この子、ずっーと私には言わないけど... 男の子が好きなのよ。
私、お母さんだから黙ってるつもりでもちゃーんとわかるんだから』


カズヤが驚いた顔をしている。


流石に酔いすぎだと思い、寝室に連れて行き布団に寝させた。


『お母さん..ぼくの事知ってたんだ』


『親は何だって知ってるよ。』


『そっか...』


気まずいような、嬉しいようなそんな表情をしている。


『起きたらちゃんと、自分から言った方がいいんじゃない?』


『はい...』



時刻は年明け前1時間ほど


カズヤのお母さんも起きてきた。


『寝ちゃってたのね。ごめんなさい』


年越しそばを作るといいキッチンに向かった。


年明け30分前


年越しそばを作り終え、お母さんが持ってきてくれた。


『それじゃあ、食べちゃいますか』


『『いただきます!』』


カズヤがチラチラとこっちを見て来る


どうやら今伝えるようだ。


『お母さん?,..』


『なに?』


『あの...ぼくね..』


カズヤの手が震えている。


『ぼく...男の人が..好きなの』


多分、酔ってた時のことは覚えていないのだろう。


カズヤのお母さんが少し嬉しそうな顔をしてる。


『そう。誰かと全く同じ人なんていないけど、人と違うって事を伝えるのは勇気がいる。 ちゃんと言ってくれて ありがとう。』


お母さんがカズヤを抱きしめる。


いい親子だなと本当に感じる。


『さぁ、年明けカウントダウンもそろそろです。』


TVのアナウンサーがしゃべっている。
気づけばそんな時間だ。


10.9.8.7.6.5.4.3.2.1...


ハッピーニューイヤー!!


『先輩!今年もよろしくお願いします!』


『こちらこそよろしくな』




          

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