好きになったらいけない恋

ホットコーヒー

第37話クリスマスtoday

お昼になってもカズヤからの返信は来ていなかった。


(まだねてる...のかな?)


変に思いながらも、美希との約束があったので向かうことにした。


恋愛映画を見て、買い物をして、夜のイルミネーションが点灯するまで時間を潰していた。


『ねえ?束縛とか重い女って思われたくないけど、せっかくのデートなのに携帯いじりすぎじゃない?』


カズヤからの返信が来ず、気になって常に携帯を見てしまっていた。


『わりー 気をつけるよ』


平謝りをしてその場をしのぐ。


カズヤの事が気にはなるも、デート中には確かに失礼なので気にしないことにした。


日も暮れ、駅前通りの木々のイルミネーションが色鮮やかに点灯する。


『綺麗だねぇ ロマンチック』


『そーだね』


『ねぇ、私といるのつまらない?
なんかボーとしてるよ?』


気にはしないと思いつつカズヤの事ばかり考えてしまう。


『つまらなくなんかないよ』


『ほんと?私のこと好き?』


『好きだよ』


『なら、証明してくれるかな?』


『証明?』



美希が目を瞑る。


人前で少し躊躇したが、優しく唇を合わせた。


美希がニコッと嬉しそうに笑う


『じゃあ私も』


今度は美希からキスをしてきた。


『今日、泊まってもいいかな?』


『なにするの?』


『なにするって...まぁ、恋人同士がするようなことかな』


美希が少し照れながら話す。


流石に付き合って2日で関係を持つのはどうかと思いなんとか断る。


『高校生でそーゆー事するのは、まだ早いかな。』


『真面目かい!』


『そういう事って、大事にしたいからさ』


美希の頭に手を回し、顔を近づけ
3度目のキスをする。


『だから、これで我慢して』


『うん...』


美希が納得したようにうっとりする。


『これ、大したもんじゃないけど...』


『ありがとう』


クリスマスプレゼントを渡すと美希からもプレゼントをもらった。


『開けていい?』


『いいけど、急遽だったから本当に大したものじゃないよ』


中身は香水、美希が香水を手の甲にかけ匂いを嗅ぐ。


『こーいう匂いが好きなんだ』


貰ったプレゼントを開けると、中身は紺色のマフラーだった。


首に巻くと『似合うね』と美希が喜んだ。


『じゃあ、またね!楽しかった』


『私も楽しかったよ。帰ったら電話するね』


時刻は11時前、携帯を見てもカズヤからの返信は来ていない。


電話をかけると、出てはくれるが返答がない。


『カズヤ? メール返って来なかったから心配してたけど?』


『......』


『なんで話してくれない? 何かあったの?』


『.......』


微かにだが、鼻を泣きすする声が聞こえカズヤの家に向かいながら話した。



『泣いてるの?言ってくれないとわからないよ とりあえず家に向かうから』



『...こないで..ください』


弱々しい声でそう言ってきた。


『なんで?今日ずっと心配してたんだぞ』


『なら、今まで何してたんですか?』


美希との事がバレたのかと思ったが
昨日の今日の話でそんな事はないと思った。


『...家でゆっくり..かな』


『そーですか...』


電話を切られた。


(くそ、なんだよ)


掛け直そうと思ったがカズヤの家に向かう事を優先して走った。


カズヤの家の前に着き、電話をかけ直す。


『カズヤ、家に着いた。出てきて』


『こないでって言いましたよね?』


『そんなこと言うなよ。プレゼントもあるし...』


『せんぱぃ?..僕に隠してる事ありますか?』


『...ないよ。 なんのこと?』


また電話を切られた。


なぜか分からないが付き合ってる事がバレたのかと思い白状する事にした。


電話をかけ直すとすぐにでた。


『わかった..あの事だろ?多分...
なんで知ってるの?』


『昨日、先輩のプレゼント買いに行ったら先輩と女の人が楽しそうに手繋いでるの見ました。』


『....別に隠してた訳じゃないし』


『僕なんかいても2人の迷惑ですし、もう関わらないようにします』


『...ちゃんと説明するからでてこい!』


つい大きい声が出てしまった。


『...わかりました』


説明すると言ってもそれが事実なので
どうしようと悩む。


ガチャ


カズヤが出てきたが元気が無く泣き疲れているようだ。


『カズヤ...』


近づきいつものように触れようとしたら手を弾かれた。


『...触らないで..ください』


多分本心ではないだろう。


こいつは本気で俺に迷惑をかけまいと
こうしてるのだろう。


俺と彼女との間を邪魔をしないように。

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く